朝ドラ「エール」が昨日本篇の最終回を迎え、今朝はなんとNHKホールを使ったキャスト総出演のミニコンサートだった。
作曲家・古関裕而をモチーフにしたドラマであり、劇中にも頻繁に生歌・生演奏が登場するだけに、これ以上なく粋な演出である。
キャストの幼少時を演じた子役総出演による「とんがり帽子」から始まり千鶴子と下駄屋の娘の藤丸による「モスラの歌」、歌手が本業の佐藤久志と御手洗ティーチャーの歌唱もしっかり。
本業と言えば藤堂先生こと森山直太朗もギター弾き語りを披露してくれたが、直太朗が「栄冠は君に輝く」を歌うと夏が終わってしまいそうな気になる(笑)。
関内母こと薬師丸ひろ子には、出来れば日本中が泣いた賛美歌「麗しの白百合」を歌ってほしかったが…
ミュージカル界からは昌子こと堀内敬子と、とにかく圧巻だったのは馬具職人の岩城さんだ。あの難しい「イヨマンテの夜」を圧倒的声量で響かせ度肝を抜いたが、劇中に歌うシーンがなかったのが実にもったいない。
能ある鷹は、最後まで爪を隠していたようだ。
コレだけスゴい歌唱を見せつけられた最後に歌う音こと二階堂ふみは、さすがに歌いにくかっただろうが見事に歌い切った。
素晴らしい演出で涙がチョチョ切れる思いだが、残念な点が2つ。
ひとつは、作品中最も歌が上手い人という設定だった双浦環こと柴咲コウと、古賀政男のモチーフである木枯正人を演じたRADWIMPSのボーカル・野田洋次郎が歌わなかった事だ。
15分だけにこぼれたか、あるいはオトナの事情か…
もうひとつは、古関裕而の大きな功績である軍歌を全く取り上げなかった事だ。
劇中では裕一の慰問先のビルマで恩師・藤堂が裕一の目の前で撃たれ非業の死を遂げ終戦、裕一は自分の作品で多くの若者の命を奪ってしまった自責の念にかられ曲が書けなくなってしまう、というのは大きなポイントであった。
長崎を訪れ、これからは希望を与える曲を書かねばとようやく「長崎の鐘」を生み出したのだが、さすがにたった15分の流れでは軍歌を収容し切れなかったか。
今朝のミニコンサートはネット上でも絶賛の嵐で、
「是非、1時間フルでやってほしい!」
などという声が相次いでいるが、私も全く同感だ。
ただ、その際には裕一の母役であった菊池桃子も「ラ・ムー」のメンバーと共に歌ってほしいが(笑)…
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