「そんなにモヤモヤするなら、観なけりゃいいのに」
と云われそうだが、毎朝観てしまっている。
朝ドラとは、そんなもんである(苦笑)…
史上最低の朝ドラとも云われる「純と愛」を除けば、「カーネーション」「ごちそうさん」「マッサン」「あさが来た」と、たて続けにヒットしているBK(NHK大阪)制作作品だが、この「べっぴんさん」がBKらしい痛快さ・笑いのセンスが皆無だという指摘は以前させていただいた。
しかしこの1ヶ月ほど、主人公・坂東すみれの愛娘・さくらを中心に話が展開するようになり、コレがまたとにかく観ていてイライラするのである。
高校に進学するも不良化して学校には行かなくなり、すみれの姉すなわち叔母・ゆりの家に寝泊まり。
夜の街に出入りするようになり、ライブハウス「ヨーソロー」のジャズバンドのドラマー・二郎に恋をするのだが、二郎には同じ店で働く五月が居る。しかも五月には、二郎の子を身ごもっていた。
五月の存在を知り、さくらは失恋。
これだけでもどうでもいい話なのだが、自身の東京進出のために一度は五月とも別れた二郎が自分の父が蒸発しそのショックで母が倒れたのを知って、五月に
「オレと一緒に居てくれ」
と迫るのだ。
私はこのシーンに、激しい憤りを覚えた。
「誰が大切な人か分かった」のではなく、自分の親の面倒を見てくれという意味で二郎は五月にプロポーズしたのだ。
本当なら、子が宿った時点でプロポーズすべきではないのか?
このさくら・二郎・五月のエピソードに1ヶ月余りを費やし、キアリスのキの字も出て来ず苛立ちっぱなしだったのだ。
さくらは取って付けたように改心して勉学に励み、東京の美大進学後に米国留学。同じく東大に進んだ健太郎(君枝の息子)と付き合い、共に帰国してキアリスに入社するのだが、このエピソードがまたツッコミどころ満載なのだ。
願書もないのに、なぜか面接会場に居るさくらと健太郎。
さくらと健太郎が、人事部長の中西にかけ合ってこっそり願書を提出しており、それを中西が誰にも報告せず混ぜ込んだまま面接を迎えたため、面接会場で鉢合わせとなった紀夫とすみれは大慌て。
(なんで『東大→留学→キアリス』やねん。普通は官僚やろ、というツッコミもあるが)
しかし普通に考えて、中西のこんな単独行動、しかもいくら経営者の子とはいえ報告もせず願書を勝手に受け取り混ぜ込むなど、重大な就業規則違反だ。
最後の何人かにさくらと健太郎が残り、画を描かせて決めようという事になった。
そこでさくらと健太郎が描いた画が紀夫・すみれら経営者の心を捉えて見事採用となったのだが、そんなもんこの二人は幼少時からキアリスの商品に囲まれて育ってきたので、どんな画を描けばキアリスとしてふさわしいかなどお見通しだ。
入社後もおじぎ練習を一日中店頭でさせたり、新製品を新人がプレゼンする日にさくらが間に合わなかったのを一日遅れでしかも会議中に
「私の提案を聞いて下さい!」
と押しかけてきて、それをみすみす聞いてしまう経営者もアホとしか言いようがない。普通なら却下だ。
アホと言えば、なぜこのドラマは経営者が自分達の子を社内で「さくら」などと名前で呼ぶのか。「坂東さん」「坂東」ではないのか。
このドラマの脚本家は羽鳥慎一アナの奥様らしいが、ちゃんとした社会人経験をしていないのではないか?非常識にも程がある、と思ってしまう。
もはや楽しみは、超美人の悦子様とその夫であるダァイキュウ百貨店の小山社長の今後だけなのだが(笑)…