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私の社外の大先輩、御年70になる方と今動いているのだが、その方が
「企画書を作ったので、見てほしい」
とメールを下さった。
それがまぁ、70歳しかも曲がりなりにも日本語のプロとしてメシを食って来た人とは思えない稚拙なものだったので、私は面食らった。
まず、提案する相手企業に「殿」を付けている。
言うまでもなく、「殿」は目上から目下に対しての言葉であり、私がクライアントなら「殿」などと宛てられた企画書を提案された日には
「オノレ、誰に向かって提案しとんねん!帰れ!」
と追い返すであろう。
そして日付もなければ、「謹啓」で始めておいてシメの「謹白」もない。
その後に伝えたい事を並べているのだが、それらは「記」で始まり「以上」でシメないといけない。
これらはビジネス文書の基本だが、いくら日本語のプロであってもビジネス文書を作れるかどうかは全く関係がない、というのを思い知った。
私も今から34年前、この大先輩と同じ道を進もうと社会に出たが、その夢はわずか6年で潰えた。
だがその後営業の道に進み、日本語のプロとしてだけなら決して学ばなかった事を多く学んだ。
少なくとも私は、70にもなってビジネス文書のひとつも作れないオジサンにはならずに済んだ。
そう思えば、自分の人生は決して思い描いた通りにはならなかったものの、間違いではなかったとしみじみ思ったのだった…