「月夜野百景」http://www.tsukiyono100.com のホームページではじめたことを、
これから「月の百景」
「野の百景」
「こころの百景」
などの要素に分けて具体的なかたちにしていく予定です。
なかでも「こころの百景」は、
まず「こころの月百景」として、古今の名歌・名句のなかから、わかりやすく月夜野にとっても大事なものの百選を選び出す作業をはじめています。
月に関する歌は、万葉集だけでも二百首ちかくあります。
それに古今集、新古今集、西行、道元、良寛など、
俳句では芭蕉にはじまり一茶から山頭火まで多岐にわたるので、
「百選」に絞り込むのは、なかなか大変ですが、それはとても楽しい作業でもあります。
そして選んだ作品を、どのように伝えて私たちの財産として浸透させるかということでは、
ホームページやBlogで季節ごとに、テーマごとに、作者ごとに、何度も練り込んでいくことはもとより、リアルのかたちにしていくこともとても大事です。
それでまず、行灯をつくってみました。
これは試作第1号で、室内専用のため、少し字が小さめになっています。
これだと屋外では、せっかくの歌が読みづらくなってしまいます。
それで、もう少し字を大きくしてみたのが、次の試作第2号。
草書の文字を縦長の枠内に配置するため、行数を増やしたとしてもなかなかこれ以上大きくはしにくいものです。
今度は、材料の歩留まりも考慮したかたちにしましたが、
どうも効率を優先してしまうと、ちょっと品がなくなる気がします。
そんな検討を重ねていたところに、お仕事でお世話になっている社長さんから「百人一首」の絵札を飾る提案をいただき、それを行灯のヒントにさせていただいたのが、裏側(オモテでもいい)のデザイン。
おかげさまで、だいたいの製作イメージはできました。
これを100個つくります。
古今の名歌・名句百で「こころの月百景」の行灯。
さらに、地元の人たちの月の名歌、名句の年度ごとのベスト8を選び、
「月夜野百八燈」とします。
月見の場所で、
ホタル祭りなどの道すじに
キャンドルナイトなどに付加する明かりとして、
新盆の「百八灯」の代わりとして、
花見の場所で提灯に代わるものとして、
活用を広げていけたらと考えています。
ただ昼のように明るくするばかりの異常な発想が常態化してしまった日本で、本来の夜の空間を取り戻し、創造的な時間を過ごせるようにしていく強力なツールとしていけたら幸いです。
きっと、このような夜を取りもどすことによってこそ、現代人の交感神経と副交感神経のバランスを取り戻し、健康な生活がおくれるようにもなるのではないでしょうか。
これを見せると、もう少し明るくすることはできないのかなどと言われますが、 蛍光灯などが普及する前の時代の明かりなど想像つかない時代になってしまったので、無理もありません。
考えてみれば「灯火(ともしび)」などという言葉は、もうすでに「死語」になってしまっているのかもしれませんね。
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