花の四日市スワマエ商店街

四日市の水谷仏具店です 譚

大河内伝次郎の丹下佐膳余話

2008年01月28日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
本日のご紹介は、1953年作品の丹下左膳余話「百万両の壺」
          
大河内伝次郎主演、山中貞雄監督のDVD1000円であります。
また、また、またエキサイトバザールhttp://www7.cty-net.ne.jp/~suwacent/に関係なく申し訳ありませ~ん。
1953年と申しますと、昭和28年であります。古い。しかし、これが期待に反しておもしろかった。2回観てしまいました。
原作者の林不亡は、この映画を観て激怒したらしい。ニヒルなはずの佐膳が、子供好きのおじさんに変貌している。
親一人子一人の長屋住まいの男が、矢場でのトラブルからやくざ者に殺される。
矢場の用心棒だった佐膳は、子供に父親が殺されたことを伝えなくてはならない。
ようやく子供を見つけるが、父親ことをなかなか話せない。話せず矢場につれて帰る。
          
矢場の女将は、連れてきちゃ困る、子供を長屋へ返せという。
俺は絶対にいやだと言い合いになる。
次の場面で、女将が「よく食べるねぇ」と子供に飯を食わせている。

女将は「将来のため子供を寺子屋に通わせる」という。
佐善は「親の敵を討つため道場へ通わせる」という。
「俺は絶対いやだ。道場へ通わせるんだ!」と言い合いになる。
次の場面で、佐膳が寺子屋の帳面を見ながら「こいつはなかなか字が上手だ。俺よりよっぽどましだ」と笑っている。

このあたりの場面展開は、舞台では出せない。
佐善役の大河内伝次郎も良く動く。昔の俳優は運動神経が良かったんだ。
          
          
藩主の弟は、百万両の図面が隠された「こけざるの壷」を最後に見つけるが「そんなもの、どうでもいいや」と笑い飛ばしてしまう。このあたりもほほえましい。
笑いとテンポを巧みに取り入れた演出は、若くしてなくなった山中貞雄監督http://www5a.biglobe.ne.jp/~shadow/の天才振りを証明している。
ということで、監督の「人情紙風船」も買ってきてしまった。
DVD1000円 また、ご紹介します。