伊邪那美命(いざなみのみこと)の祀られた揖夜神社から更に東へ進むと、踏切の手前に黄泉比良坂への案内が置かれています。そこで、踏切を渡ると、目に飛び込んできたのが「黄泉の国への入口 黄泉比良坂」の案内です。
いったいどんな場所なのか、とても期待が高まります。そのまま道なりに進むと、車道終点が駐車地です。ここには立派な案内が立っており、この地は北川景子主演の「瞬(またたき)」のラストシーンに使われたそうです。
黄泉比良坂は、黄泉(あの世)の国と現世(この世)の境界として古事記上巻に、伊邪那岐(いざなぎ)命が先立たれた最愛の妻、伊邪那美(いざなみ)命を慕って黄泉の国を訪ねていかれた入口がこの地(黄泉比良坂)であるとされています。また、別名「伊賦夜坂(いふやざか)」の起源でもあるそうです。
駐車場の奥に続く坂を登ると大きな岩が見えてきます。これが黄泉の国との境の千引岩です。大岩の前に立ち、この岩の先に黄泉の国があると思えば、そう思えてくるから不思議です。
昼間でもひんやりとした涼気に包まれるこの神秘的な場所は、「逢いたい人に逢える場所」といわれているそうです。
「神蹟黄泉比良坂伊賦夜坂伝説地」と刻まれた石碑
この先は黄泉の国
自分も黄泉比良坂を訪れて写真におさめて来ました。自動車で訪れたのですがカーナビには記載がなくて、印刷された地図が頼りでした。手前の案内看板の付近で自動車を降りて、徒歩で向かいました。
あの世とこの世の境とされている場所があるのは、そそられるものがありますよね。ましてやその根拠がれっきとした歴史書にあるとすればなおのこと。
旅の後には知人にはあの世から戻ってきた人間だと吹聴しています。
黄泉比良坂はひっそりとした場所にあり、また、大きく宣伝もされていないため、一部のマニアにしか知られていないようですね。
出雲には神話にちなんだ場所が多く、何回も山口県から観光に行っていますが、この黄泉比良坂と韓竈神社は今年になってその存在を知ったものです。
近く、青森の恐山へ行こうと思っていますが、黄泉比良坂の千引岩の前に立っていると、逢いたい人に逢えるような気がしました。