【言葉】目よりも耳
<たしか、ヴァレリーだったと思いますが、神さまは人間に目と耳とどちらを選ぶかというと、耳を選ぶ。目はなくても生きられるけれども、耳がなくなるとこまると。最近も、よく言われましたが、アインシュタインは、死ぬということはモーツァルトを聴けなくなるということだと。つまり欧米の人たちは生命というものは耳から入ってくる、心・情緒はそういうものだ、と言ってます。つまり耳を失うことは、生きている心、人間を失うことなんだと。ところが日本人は目と耳とどちらを選ぶかというと、非常に多くの人が、耳は失っても目はおいてほしい、と。食物でも見ために美しさが大事といっています>
□杉山平一「三好達治の詩と人柄」(『杉山平一詩集』、思潮社、2006)
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<たしか、ヴァレリーだったと思いますが、神さまは人間に目と耳とどちらを選ぶかというと、耳を選ぶ。目はなくても生きられるけれども、耳がなくなるとこまると。最近も、よく言われましたが、アインシュタインは、死ぬということはモーツァルトを聴けなくなるということだと。つまり欧米の人たちは生命というものは耳から入ってくる、心・情緒はそういうものだ、と言ってます。つまり耳を失うことは、生きている心、人間を失うことなんだと。ところが日本人は目と耳とどちらを選ぶかというと、非常に多くの人が、耳は失っても目はおいてほしい、と。食物でも見ために美しさが大事といっています>
□杉山平一「三好達治の詩と人柄」(『杉山平一詩集』、思潮社、2006)
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