(1)欧米のスーパーで加工食品を買うと「Added Sugars」という表示が目につく。原料本来の糖質のほかに「砂糖が添加されています」という意味だ。
(2)2016年8月、米国心臓協会(AHA)から「1日の添加砂糖は、小児が25g以下、2歳未満は一切控えるべき」という厳しい提言が発表された。
提言の冒頭では「貧しい食習慣が肥満や心疾患、高血圧、肥満と関連するがん、虫歯のリスクを増大させる」とし、子どものころからこの問題と取り組む必要がある、と主張している。
現在、2~19歳の添加砂糖の平均摂取量は1日80g(小さじ20杯分)。
2~ 5歳:53.3g
6~11歳:78.7g
12~19歳:93.9g
と年齢が上がるほど摂取量が上昇。多くは清涼飲料(100mLあたりの砂糖含有量は10g前後)から摂取したものだ。
(3)AHAは、さまざまな調査に基づき、小児の1日の転科砂糖摂取量の上限を総カロリー量の5%未満とし、清涼飲料については、1週間(1日ではない)の摂取量を236mL以下に制限。
さらに、2歳未満で清涼飲料を飲む癖をつけると、6歳以降の肥満につながり、小児糖尿病や高血圧を発症する可能性が増加すると断じた。
名指しされた関連業界の反発は必至だが、厳しい基準の背景には、今や「普通体形」は3人に1人という米国の切実な背景がある。
米国が肥満関連の問題に費やす年間の医療・対策費は1,500億ドル(およそ15兆円)。肥満者の年間医療費は、標準体形の米国人より15万円は高い。このまま肥満率が上昇し続ければ、社会経済的な影響は避けられない。
(4)米国の問題は対岸の火事ではない。日本の子どもの肥満率もじわじわ上昇しているからだ。
米バージニア大学からは、清涼飲料を1本、水に置き換えるだけで、1日の総カロリーに占める「飲料カロリー」の割合を17%から11%に減らせる、という結果が報告されている。
子どもに水を持たせよう。真夏の暑い日は熱中症対策だったが、秋口からは肥満症対策で。
□井出ゆきえ(医学ライター)「子供の砂糖摂取量は1日25g以下に/米国心臓協会で厳しい指針 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.317~」(「週刊ダイヤモンド」2016年9月24日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~」
「【保健】中高年の性行動と認知機能」
「【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?」
「【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?」
「【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~」
「【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~」
「【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~」
「【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで」
「【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む」
「【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~」
「【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は」
「【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ」
「【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~」
「【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~」
「【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~」
「【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~」
「【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い」
「【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~」
「【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~」
「【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク」
「【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 」
「【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ」
「【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~」
「【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~」
「【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~」
「【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~」
「【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~」
「【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~」
「【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~」
「【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~」
「【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽」
「【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~」
「【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~」
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
「【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~」
「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
「【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高」
「【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~」
「【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~」
「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」
(2)2016年8月、米国心臓協会(AHA)から「1日の添加砂糖は、小児が25g以下、2歳未満は一切控えるべき」という厳しい提言が発表された。
提言の冒頭では「貧しい食習慣が肥満や心疾患、高血圧、肥満と関連するがん、虫歯のリスクを増大させる」とし、子どものころからこの問題と取り組む必要がある、と主張している。
現在、2~19歳の添加砂糖の平均摂取量は1日80g(小さじ20杯分)。
2~ 5歳:53.3g
6~11歳:78.7g
12~19歳:93.9g
と年齢が上がるほど摂取量が上昇。多くは清涼飲料(100mLあたりの砂糖含有量は10g前後)から摂取したものだ。
(3)AHAは、さまざまな調査に基づき、小児の1日の転科砂糖摂取量の上限を総カロリー量の5%未満とし、清涼飲料については、1週間(1日ではない)の摂取量を236mL以下に制限。
さらに、2歳未満で清涼飲料を飲む癖をつけると、6歳以降の肥満につながり、小児糖尿病や高血圧を発症する可能性が増加すると断じた。
名指しされた関連業界の反発は必至だが、厳しい基準の背景には、今や「普通体形」は3人に1人という米国の切実な背景がある。
米国が肥満関連の問題に費やす年間の医療・対策費は1,500億ドル(およそ15兆円)。肥満者の年間医療費は、標準体形の米国人より15万円は高い。このまま肥満率が上昇し続ければ、社会経済的な影響は避けられない。
(4)米国の問題は対岸の火事ではない。日本の子どもの肥満率もじわじわ上昇しているからだ。
米バージニア大学からは、清涼飲料を1本、水に置き換えるだけで、1日の総カロリーに占める「飲料カロリー」の割合を17%から11%に減らせる、という結果が報告されている。
子どもに水を持たせよう。真夏の暑い日は熱中症対策だったが、秋口からは肥満症対策で。
□井出ゆきえ(医学ライター)「子供の砂糖摂取量は1日25g以下に/米国心臓協会で厳しい指針 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.317~」(「週刊ダイヤモンド」2016年9月24日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~」
「【保健】中高年の性行動と認知機能」
「【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?」
「【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?」
「【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~」
「【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~」
「【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~」
「【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで」
「【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む」
「【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~」
「【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は」
「【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ」
「【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~」
「【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~」
「【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~」
「【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~」
「【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い」
「【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~」
「【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~」
「【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク」
「【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 」
「【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ」
「【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~」
「【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~」
「【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~」
「【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~」
「【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~」
「【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~」
「【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~」
「【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~」
「【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽」
「【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~」
「【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~」
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
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「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
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「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
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「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
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「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」