【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。
<長谷川櫂選>
①二度と来ぬ八十八歳花に酌む (いわき市)坂本玄々
③花冷にまた来る老の影法師 (愛西市)小川弘
⑥☆亀鳴くや一村挙げて避難中 (名古屋市)池内真澄
【評】一席。たしかに一生に一度。それどころか、また生まれてきても来るとはかぎらない。大事な一年。(中略)三席。老いというものの影法師。ときおりその姿が見える。
<大串章選>
①鞦韆(しゅうせん)は蹴るべし愛は返すべし (諏訪市)宮澤恵子
⑩去年よりひとつ歳とる花見かな (焼津市)増田恵津子
【評】第一句。三橋鷹女の代表作「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」を踏まえる。「返すべし」が佳(よ)い。(中略)
<稲畑汀子選>
①きのふでもあしたでもなきけふのはな (糸魚川市)早津邦彦
⑤見えてより天守は遠し花の雲 (枚方市)嶋林岳紹
【評】一句目。まことに桜ならではの一句。刻々の花の変化に心を寄せる。(後略)
<金子兜太選>
①戦争へ回帰しさうな桜かな (東京都)無京水彦
⑨☆亀鳴くや一村挙げて避難中 (名古屋市)池内真澄
⑩熊野古道神出鬼没の蜥蜴(とかげ)かな (泉南市)藤岡初尾
【評】無京氏。桜の満開ぶりを異状とも。(中略)十句目藤岡氏。「神出鬼没」が旨い。
□「朝日俳壇/5月1日」(朝日新聞 2017年5月1日)
↓クリック、プリーズ。↓

<長谷川櫂選>
①二度と来ぬ八十八歳花に酌む (いわき市)坂本玄々
③花冷にまた来る老の影法師 (愛西市)小川弘
⑥☆亀鳴くや一村挙げて避難中 (名古屋市)池内真澄
【評】一席。たしかに一生に一度。それどころか、また生まれてきても来るとはかぎらない。大事な一年。(中略)三席。老いというものの影法師。ときおりその姿が見える。
<大串章選>
①鞦韆(しゅうせん)は蹴るべし愛は返すべし (諏訪市)宮澤恵子
⑩去年よりひとつ歳とる花見かな (焼津市)増田恵津子
【評】第一句。三橋鷹女の代表作「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」を踏まえる。「返すべし」が佳(よ)い。(中略)
<稲畑汀子選>
①きのふでもあしたでもなきけふのはな (糸魚川市)早津邦彦
⑤見えてより天守は遠し花の雲 (枚方市)嶋林岳紹
【評】一句目。まことに桜ならではの一句。刻々の花の変化に心を寄せる。(後略)
<金子兜太選>
①戦争へ回帰しさうな桜かな (東京都)無京水彦
⑨☆亀鳴くや一村挙げて避難中 (名古屋市)池内真澄
⑩熊野古道神出鬼没の蜥蜴(とかげ)かな (泉南市)藤岡初尾
【評】無京氏。桜の満開ぶりを異状とも。(中略)十句目藤岡氏。「神出鬼没」が旨い。
□「朝日俳壇/5月1日」(朝日新聞 2017年5月1日)
↓クリック、プリーズ。↓


