語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】知的考察にも耐える娯楽小説 ~『七つの会議』~

2016年01月25日 | 小説・戯曲
 
 総合商社「ソニック」の子会社「東京建電」を舞台とする連作短編小説。作品ごとに主人公を変え、それぞれの人間模様と、彼(彼女)から見た東京建電の異なる側面を描き出す。東京建電の幹部らが隠している秘密の追究という一貫するテーマがあって、このミステリー的要素が、バラバラの短編の全体に統一感を与える。
 コンプライアンスが現場でどう無視されるか、という企業社会における今日的なテーマも含み、知的な読みにも対応できる工夫がこらされている。
 とはいえ、面倒な理屈はおいといて、娯楽小説の王道たる波瀾万丈を楽しんでいい。
 5点満点で4点。

□池井戸潤『七つの会議』(日本経済新聞出版社、2012)
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