ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

「青少年支援オープンカレッジ全日程終了・その2(3日目)

2011年06月29日 14時27分42秒 | 過去業務
 3日目は「不登校・発達障碍等青少年支援の現場から」がテーマ。
 ひとコマ目は面接相談と家庭訪問について、ふたコマ目はフリースクールについて、それぞれ現場をよく知る講師が話しました。また、この日の受講者の多くが親御さんだったため、両人とも親御さん向けの内容に重点を置きました。


 ひとコマ目は『相談援助~不登校・ひきこもりの親面接から家庭訪問まで~』という講座で、丸山が面接相談と家庭訪問を「相談援助」と位置づけ、その関係者(心理カウンセラー、ソーシャルワーカー、NPO団体の相談員、行政機関の相談員)の誰もが心得ておくべきことに多くの時間を割きました。

 それは、わが子の不登校やひきこもりに困っている親御さんの「相談しづらい心理」と、相談を受ける側の内にある「相談を受けて援助するおごり」を理解すること、いわゆる「問題」と呼ばれていることはどんなことなのかを見直すこと、といった点を「望ましい相談員/望ましくない相談員」の例を挙げながら具体的に解説することでした
 それによって、相談を受ける側には「相談する側(おもに親御さん)の立場に立ち、謙虚さを失わないこと」を、相談する側には「相談援助を正しく理解し、慎重にして的確な相談先選びにつとめること」の両方を訴えたのです。

 盛りだくさんの内容にしてしまったため、時間がなくなってしまい、アシスタントの山口邦子氏(家族カウンセラー)の講義は少しだけになり、体験学習もできなくなったことは大きな反省点ですが、この講座で丸山がめざしたことは受講者の皆様に伝わったようでした。

 
 ふたコマ目は『フリースクールの実情~子どももスタッフも大変だ!~』という講座で、フリースクールのスタッフについて研究しながら、自らもスタッフをつとめる佐川佳之氏が講義しました。

 時としてアシスタントの桑原和也氏の発言も織り込みながら「フリースクールとは何か」といった基礎知識から、現場経験の蓄積によって築き上げてきた発達障碍児への対応ノウハウといった実践例、さらにはスタッフ独立のてん末といったほかでは聞けないエピソードまで、長年現場に関わり続けている佐川氏ならではの内容でした。
 途中、親御さんからも積極的なご質問が出てはからずも対話形式になる時間もあり、フリースクールの理念や内容はさまざまであることを含め、親御さんの役に立つ知識や情報が満載の講座となりました。


 こうして3日間の日程を終え、最後に丸山の挨拶で締めくくられたオープンカレッジ。支援関係者から研究者、親御さん、当事者本人、と多様な皆様に受講していただき、それぞれのお立場で学んだことをお持ち帰りくださったのではないかと思います。これこそ、このオープンカレッジのねらい(関係者だけの研修会でも家族だけの学習会でもない)だったのであり、それを実現してくださった講師の皆様にもあらためてお礼申し上げるしだいです。

 当スタジオによるこうした青少年支援の啓発の取り組みに、今後ともご支援ご協力ご利用をお願いいたします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする