ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(4)

2016年09月25日 11時14分44秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回は、いのりグループ③『ひきこもりからの当事者活動』を担当する、高橋雅樹氏と大谷武郎(おおや たけお)氏をご紹介します。

 その前に、ふたつのイベントについて説明しなければなりません。

 まず、定期的に開催されている対話集会「ひきこもりフューチャーセッション庵-IORI-」(以下「庵」)です。

 「フューチャーセッション」というのは、解決をめざす課題について、多様な立場の人が集まってアイデアを出し合いながら関与者を見つけ合う対話のことです。これをジャーナリストの池上正樹氏らがひきこもりの分野に持ち込み、ファシリテーションを身につけている社会人の方々が加わって2012年9月に始まりました。

 テーマごとにテーブル(グループ)に分かれて対話する形式ですが、対話したいテーマがある人は、毎月行われるミーティングで申し出て、差支えなければ採用されます。
 私が参加したのは翌年の6月、参加者がまだ30人程度だった初期です。楽しかったので常連になり「新ひきこもりについて考える会」でよく一緒になっていた人たちに加え、たくさんの若い当事者の人たちと親しくなりました。

 次に「ひきこもり大学」(以下「ひき大」)です。これは、前述の「庵」の準備会で出たアイデアがもとになり、当事者が各自の関心に応じたテーマを各部学科の名前にした、自分たちへの理解やアイデアの実現を訴えるイベントとして南関東各地で開催されており、一部は研究会や当事者グループでの継続した活動へと発展しています。私も昨年7月に「生活学部」を企画開催し、3か月後から同学部の「ゼミ」を主宰しています。

 さて、高橋・大谷両氏は、ともに茨城県在住。先に「庵」に参加し始めた高橋氏は、就職失敗がきっかけでひきこもり状態になった人です。現在は就職していますが、厳しい労働環境に苦労しています。「庵」には2年くらい前から参加し、私ともそこで出会いました。

 大谷氏はいじめなどで小学3年から不登校状態に。その後大学まで卒業して自営業をめざすも挫折し、10年近くひきこもり生活を送りました。現在は「ひきこもりからの仕事」の仕組みなどを実現することをめざして活動しています。
昨年2月の「庵」に初めて参加した際、偶然高橋氏と私と同じグループになり、次の4月の「庵」では私が担当した「ひきこもりQOLを高める」をテーマにしたテーブルを選び、終了後「参画したい」と声をかけてくれました。

 それからしばらくして、以前から「庵」に参加していて私とも親しい、同じ茨城県在住の当事者を加えた3人を中心に「チーム水戸」という当事者グループが結成され、昨年8月から「ひき大」を2か月に1回程度、講師を交代しながら県内で開催しています。このグループには「新月カフェ」という居場所を運営しているメンバーもいます。

 私は茨城のひき大によく参加しているのですが、両氏とも、講師をつとめた際に私の本『不登校・ひきこもりが終わるとき』から引用したことがあり、読んで共感してくれていたようで、ますます仲間意識が強くなりました。

 さらに大谷氏の講演のなかで「ひきこもり中に東日本大震災で人生観が変化し、終わるきっかけのひとつが“底つき”だった」と聞いたときには、ひきこもり中に阪神淡路大震災で人生観が変化し“底つき”によってひきこもり状態が終わった自分との、プロセスのあまりの符合ぶりに驚きました。

 このような県内で集まって活動している当事者グループがある県は、全国的にも数えるほどしかないようです。それだけに、この両氏は当事者活動の意義と経験、そして課題を伝えるにはもってこいの人材だと思います。

 なお、「チーム水戸」につきましては下のリンク先をご覧ください。


「チーム水戸」が運営しているブログを見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする