昨日は、真面目に写真のレタッチをして過ごした。美術品のレタッチなので手間がかかる。おかげで全然進まない。そうしてずっとパソコンの前に座っていたのにも関わらず、なぜか微熱がまたでて来た。腰も少し痛い。
今日はキリスト教で言う所の感謝祭か。本来は家族揃ってお祝いをするのが、アメリカ流だったようだ。だからほとんどの商店はお休みだったらしい。それがここ数年ウオルマートとかの大店舗が感謝祭でも営業するようになって、当然従業員は休めないし、休日だから買い物でもと言う人も多い。
そして例年感謝祭の翌日は、ブラック・フライデーだ。ブラックがつくと大体は悪い話だが、この日だけはアメリカ中の小売店が黒字になる日、クリスマスプレゼントを買う日でもある。なのでこの日に向けてバーゲンも打つのだが、半端でない人出になる。現実的には、その次の土曜日も日曜日もにぎわうのだろうが、ブラック・フライデーにはかなわないようだ。
商人たちはこの機会を逃さない。だから感謝祭も営業するとなったのだろう。それは当然だ。人件費が一日だけ突出して増えるのは避けたい所だ。だがそれは祈りの日には相応しくない。だから「感謝祭の日はやすんで!」というツイートが大拡散したようだ。
ただ、なぜ感謝祭の次の日に買い物が突出して行われるのかと言うナゾがある。これはキリスト教徒でなければ解らない物なのだろう。つまり感謝祭からクリスマスが始まるのだ。神の子が授けられる一ヶ月前から彼らは徐々に準備を始める。そして感謝祭明の金曜日に必要な物とクリスマスプレゼントを買うのだ。で、次の土日だと意味が薄れる。極めて宗教的な出来事なのだ。
だから突出した事として、アメリカ経済動向を見る指標にもなっており、そしてEコマースの状況を判断する材料にもなっている。この日の売り上げがアメリカ経済を占う材料にもなっている。日本だと、ゴールデンウイーク・お盆・お正月の旅客動向が経済指標になるような物だが、分散しすぎているのと天候に左右されやすい。それが一年に一日しか無いというのは圧倒的な指標だ。
感謝祭を家族とともにパソコンの前でネットショッピングする家族が増えている。アマゾンが大量にアルバイトを雇う時期でもある。実店舗が感謝祭も休まなくなったのは、これと関係している。
アメリカほど不思議な国は無い。
オバマ大統領は26日、感謝祭の食卓に上る七面鳥に恩赦を与える毎年恒例の行事を行った。
全米のツイッター投票から選ばれた2羽が、今年の感謝祭に焼かれないと言う話なのだが、ハリー・トルーマン時代からの伝統行事らしい。そしてこういった行事の歴史や文化をレクチャーされているはずのオバマ大統領が「毎年やっているけどどうも不可解」という行事だ。
とはいえアメリカ絶頂期の大統領のユーモアーだったのだろう。それほどまでにアメリカ人はクリスマスにターキーを食べたのだろう。とはいえ当時も今も、庶民はチキンを食べている。そして日本でも七面鳥をクリスマスに食べる人は少ない。ケンタッキーのクリスマスバスケットを買うのがせいぜいだ。
オバマ大統領が不可解と言うくらいだから、私にも全く不可解だ。ということでウイキを調べたら、感謝祭用にJ.F.ケネディの所に送られた七面鳥の首に、「美味しく食べてね!」という札がかかっていたのを、大統領は食べなかったと言うのが始まりと言う説がはいっていた。そしてアメリカでは感謝祭にターキーを食べるがイギリスではクリスマスに食べるようだ。
とりあえずCNNはトルーマン、ウイキはケネディ。ただ評判の悪かったトルーマンの方が、何やら信憑性はある。
恩赦と言う概念が、アメリカにあると言うのが実は面白い。プロテスタント的ではない。
ジュウガツザクラが咲いていた。少し遅いように感じる。チョボチョボとしか咲かないが、もう少しである意味満開になるだろう。
ミズーリ州ファーガソン(CNN) 米ミズーリ州ファーガソンで8月に10代の黒人少年が白人警官に射殺された事件で、同州の大陪審は警官を不起訴とする判断を示した。
とまるまるコピーしました。そして暴動が全米に広がり初期に大統領が声明を出して落ち着くように、非暴力の抗議にするようにいっていたと思いますが、全然効かない訳です。初の黒人大統領でも効かない訳です。
この暴動に関してニューズウイークで冷泉氏が人種差別の三段階を書いています。
一段階は「侮蔑、優越の心情」これは解りやすいです。2段階は「無理解」、3段階は「逆差別」です。
無理解は、黒人たちがどうなっているのか情報を全くとらないか、偏った情報しか持っていないと言う事でしょう。そして逆差別はアファーマティブアクションなどの少数者優遇政策に対する。マジョリティの反撥と言うのが解りやすいと思います。ただアメリカでは白人人口が減少していると言うのがあります。その意味ではマイナーになりつつある所で、アファーマティブアクションというのは不平等ではないのかと言う考えになる訳です。人口が減る理由は簡単で、今までアメリカの財を引っぱる中間層以上の層だったからです。それが黒人やヒスパニックとの競争に負けつつある訳です。もちろん圧倒的なお金持ちには白人が多いのは今も昔も変わりません。でも努力しない白人は当然プアーホワイトになる訳で、恨みつらみがあります。
冷泉氏は日本のヘイトスピーチの構造をここで、実は解説しています。ただアメリカはもっと複雑です。
黒人にはヒスパニック層の台頭と言う現実があるからです。これに関して冷泉氏も以前書かれていたとおもますが、簡単に言えば黒人の歴史的な努力にただ乗りしている、そう言った不満がある訳です。そして成熟した黒人階層から大統領が出るほどになりました。ただそのオバマ大統領なのですが、大学教授か?と言う声があります。もの凄くインテリです。気さくな言葉を使っているような演説でも考え抜かれた物で、ライターが書いていたとしても、ブッシュジュニアでは話せない所があります。
それが良くわかったのが、今回の共和党の勝利だと思います。オバマは黒人だが、あれはエリートだ。ウチラの気持ちなんて全く解っていない!そうなってしまったのだと思います。それが今回の暴動とその鎮圧手段(現在のアメリカの警察の装備は軍隊並になっている。もちろん軍のお古を貰っているのだが、にしても過剰だ)で、ますます反撥を食らうだろう。
そう黒人でも階層が出来てしまったと言う現実がある訳です。
オバマ大統領はヨーロッパで知的会話を楽しんだと言われている。そしてAPECでは中南海で、習金平総書記から中国史のレクチャーを受けたようだ。だがそれらは全くのエリートの行動だった。そして政権内でもヘーゲル米国防長官が辞任する。そして後継者は見つかっていない。
正確に言えば、今オバマ大統領はプラグマティストになれなくなっている。だからヘーゲル米国防長官がやめるのだろうし、次もすぐには決まらない。純粋アメリカの理想とはなにか、それを考えているのだろう。だがそれは人種問題とは関係がない。
2重だろうか3重だろうか、そう言った構造を持っているのが今回の暴動だろう。
そして日本のヘイトスピーチ問題が、いかに悪質なのか。簡単に言えば単瞬にアメリカの構造をやっているだけに過ぎないということだ。冷泉氏の1~3まできっちりと当てはまっている。だがお手本のアメリカは、もっと複雑な事から出来ていると言う事だ。
(CNN) 米オハイオ州クリーブランドで22日、エアガンを持った12歳の少年に警官が発砲した事件で、少年が撃たれたのはパトカーが到着してから約2秒後だったことが、26日に公開された監視カメラの映像で明らかになった。
またまたマルっと引用したが、是非リンクした記事を読んで欲しい。
通報者は黒人男性が「ピストル」を人々に向けていると述べるとともに、男性は「たぶん少年」だと語った。銃が本物ではない可能性についても2度、言及している。
ということで、立て続けに事件が起きてしまった。ただ今回は見つけて瞬殺だったと言う事だ。ここがが問題になるだろう。とはいえ警察が自分自身を守るために、正確に言えばその警察官を守るために殺す事を許可している(正確には許可していない)と思われるほどに、治安が悪いのだろうか。
アメリカでは銃乱射事件がかなり多い。アバウトだが一週間に一回はある。その頻度で起きる物だったら、警察官も危機感を持つのだろう。だからこうなったのだろう。そうとでも思わないとかなり悲しい。
ただなんというか、アメリカの小学校で子供がモデルガンを持ち込んで大騒動と言う報道もある訳です。銃規制のほうがよりいっそう効果的な治安対策だと思うのですが、そうはならなくて、今回の大審院の評決前にアメリカで銃が売れた様です。
暴動が起きるから(解っているなら対処しろ!)銃を買う。発想は解るがその結果、発砲確認無しに子供が死んだんだよ。
一番解らないのは、アメリカが未だかつて建国の理念を実現していないと言う事だ。そこに宗教や人種差別の問題があるのは古くから解っている事だ。そして貧困も解決していない。
黒人だったから殺されたのか。そう言った問題はある。だがそれ以上に、銃を怖がるあまり人を殺してしまう現実の方がよほど怖い。
アメリカの感謝祭は、業にまみれたスタートになった。
そして韓国人の大般若経盗難未遂事件は、まだ怒っている。