カルテ番号 ろ・1(19)
蠟山辰雄は自分より年下だと思える院長がわからなくなった。
年下どころか、何十年も年上かもしれない。
力まず、道を語るなど老練でなければ無理だろう。
死を知らなければ、生の向き合い方は語れないだろう。
世の中には通常の人間でないものがいる・・・
どこかで読んだ、そんなフレーズを思い出した。
「わかりました。
今までとは違う道というのは、そういう意味ですね。
目指すものが違う道だと思い込んでいました。
性質というか、道そのものが違うのですね。
目指すものは、それほど気にしなくてもいいのですね。
今はわからなくても、いいのですね」
院長はにっこりと笑った。
「そういうことです。
変わる、というのは、そういう事なのです。
先など見えても、見えなくてもいいのです。
行く先が変わってもかまわないのですよ。
道、そのものが世界です」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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