ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

小沢一郎「日本改造計画」

2010年09月05日 | 研究・書籍
手持ちの小沢一郎著『日本改造計画』を再読してみました。

1993年5月第1刷発行とありますから、小沢氏が自民党幹事長から転じて新生党を結成した頃の代表作です。
その中で、「高齢者の職場参加」について書かれているところが目に留まりました。

「2000年には労働力全体が減少すると予想されている・・高齢者を活用する道筋を・・」
「高齢者の職場参加を阻んでいるものは、高齢者の側からいえば低賃金などの労働条件の悪さ、企業の側からいうと高齢者の能力は使いにくいということだろう。労使双方にとって働き方、雇い方の柔軟性が少ない」

その解決策としては、年齢でなく貢献での同一賃金の支払いを、また高齢者自身は専門的なプロフェッショナルな能力を持つことが重要、と指摘。企業に対しては65歳までの雇用を義務づける、とする。「高齢者の能力が埋もれないよう官民ともに環境を整備していくべきだ」とも。

当時、自分が若かったせいか、この部分はまったく読み飛ばしていて印象に残っていませんでした(笑)。

改めて随所で“発想の転換”を促す言葉を発する著者小沢一郎。その後の政治遍歴を今では知っているだけに、氏の摩訶不思議な生き方(思想)にはちょっと理解が及ばないものを感じます。

今回の民主党代表選では、樽床氏が当て馬で立候補した前回よりも、本命両氏が出そろい雌雄を決することで、これまでになく同党の真剣さが伝わってきています。小沢氏が代表選に名乗りを上げたこと自体にも批判はありますが、国の重要施策に対する国民の認識をより深めるという点では、その意義は十分認めて良いのではないでしょうか。

本書「改造論」では小沢一郎の政治信条を、一方、菅伸子氏の新書(当ブログ既述)では庶民派宰相としての菅直人の人物像を、それぞれ知ることができました。


日本改造計画
小沢 一郎
講談社

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