『朝日新聞の正義』を読みました。この本1998年1月1日初版。
本書40頁で元日本兵吉田清治の強制連行証言は、朝日新聞が報道して大騒ぎになったものの韓国済州島の地元メディア「済州新聞」は「島民はこの話はデタラメだと言っている」。千葉大学の秦郁彦教授も現地調査でこの事実を確認した。この段階で「吉田清治氏の件は間違いでした」と言わなければならない・・。
また109頁では「このままだと、たとえば小林さんがお亡くなりになったとして何年かたってから「実はあの時、慰安婦問題についての確たる証拠はなかった」とか、そんな書き方をすると思います。でも小林さんには決して謝らない。そういう形で我が社は訂正してますってポーズですね」
世界に向けて誤報報道の再発信を
まったく17年経った今、本書で予測されているような展開になっているのに驚きです。朝日新聞は、今回の誤報長文記事中「反省」の文字は、文中にわずかに一箇所ありますが小さくて弱い。読者の印象に残らない。最低、小見出しを使って目立たせないとその気持ちは伝わってこない。週刊誌に反省してないと言われてもしかたがない。
朝日新聞はこれで幕引きをしないでほしい。しっかり反省の態度を示し世界各国から誤解を招いているだけに英語、ハングルなど各国言語で国際版を作って、今回の誤報報道を国連人権委員会を始め国連に加盟するすべての国に向けて示すことです。
朝日は先日、関西電力が18年間も歴代首相7人に盆暮れ1千万円の政治献金を渡していたことを明かす元副社長の証言記事を載せている。これなどはしっかりした調査記事で取材力を十分評価できるもの。
「過ちては改むるには、はばかることなかれ」(論語)です。朝日新聞の明確な反省と出直し表明を望みます。
朝日新聞の正義―対論 戦後日本を惑わしたメディアの責任 | |
井沢元彦(元TBS記者・作家) 小林よしのり(漫画家) |
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小学館 |