ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

新刊「日本がウクライナに・・」

2022年06月11日 | 研究・書籍
『日本がウクライナになる日』(河東哲夫著 CCCメディアハウス2022年4月発行)を読んでみました。

文明国同士では、ありえないと思っていた戦争が起きた。自由と平和を守るために知っておきたいこと。著者はソ連・ロシアには4度12年滞在の駐在歴があるベテラン外交官OB。

「日本がウクライナになる日」とはいかにも予言めいたタイトルで、どのような内容かと思いましたが題名ほどの扇情的なものではなく、ごく常識的は本でした。むしろ最終章の「日本をウクライナにしないために」これからの安全保障体制、が題名副題にふさわしい。

ロシア軍の弱点は何か?

「素人は戦略を語る、プロは兵站を語る」と言う。著者も「戦争は補給で決まる」とロジステックの重要性を指摘している。
私も感じていたことですが、なぜかロシアの空軍の出動が少ない、姿を見せないのには何か謎めたものを感じる。

今回の宇露戦争の落としどころは?

著者はオーストリアの例をモデルに紹介している。もし宇露両国が互角のまま停戦になった場合、ウクライナの中立化、諸外国による保証を取り付け、先の大戦でドイツに併合され、戦後中立国として再出発したオーストリアが好例になるのではないかという。ぜひ、そういう方向に一刻も早く進んで終結してほしいですね。

日本はウクライナにならないためにどう対処したら良いものか?

戦後の呑気な時代は終わりタブーを振り払って防衛論議を行おう、と著者は問題を提起。
日米同盟とNATO。核兵器をどうとらえるか。「防衛のイロハの学習を」と私たち国民の自覚を促す。

国連改革については、旧敵国条項の削除をさせることを指摘している。ここはもっと突っ込んで解説が聞きたいところでした。

ただ日頃、国防についてのリアルな知識からは縁遠いだけに、進行中の宇露戦争の概略、日本の立ち位置を確認し自覚するうえではとても刺激的な新刊書でした。





【木工さんの写真】制作 矢嶋秀一 / フォト 田口大輔


 
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