今戸焼の定番ですね。錦絵にもよく描かれているもの。「今戸焼(21)河童の火入れ」同様に、中に灰を敷き、火種を入れて、煙草の吸いつけとして使うと同時に手あぶりにもなる器物です。
作りとしては河童の火入れ同様、素焼きに胡粉の下地を塗り、その上から泥絵具で彩色したものです。余りにも有名なものなので、ひと目見るだけでいかにも今戸という感じですね。
今戸焼の土人形の作者といわれた尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)も作っていたそうですが、もっと手の込んだ仕上げだったようで、この火入れの作者はわかりません。最近の出来のものに比べて幾分すらっとしています。今戸の「おかめの火入れ」としてイメージが焼きついているのですが、フォルムは何を意味しているのか、というと不思議な感じがします。浅学のため、この言われについてよく知りません。
古い書物のどこかに書いてあるのでしょうか?
わからないので、自分なりの推理ですが、まず、おかめといえば、お酉さまの熊手につきものです。手ぬぐいで頬かむりしているのは何故か?また、お面の下のひだ状の彫りのあるところは、単に達摩さんの座禅姿を真似たものなのか?地方の郷土玩具で張り子のおかめだるまというものも結構あるのですが、、。しかし張り子のおかめだるまだと全体を赤く塗ってあるのが多いです。どうして頬かむりした手ぬぐいとひだ部分を塗り分けてあるのか?
おかめは江戸の里神楽にも必ず登場するし、お酉さまの熊手にもついている。お酉さまの裏手は吉原の遊郭があり、そこでは「にわか」という芸能が名物になっていた。歌舞伎などの芝居をパロディーにした「にわか」などもあって、その趣向というものが通な人たちのこだわりのひとつだったのでしょう。その趣向に「見立て」というものがありますね。いくつかのものを組み合わせて、別のイメージを作る(見立てる)。 吉原の「にわか」の時に限ったものではないかもしれませんが、見立ての飾りというのがあったのではないかと思うのです。
おかめのお面とかぼちゃ(唐茄子)と手ぬぐいを使って、おかめが頬かむりしているような見立ての飾りを作った。その意匠を写したものではないかと思うのです。だから、茶色く塗ってあるところはかぼちゃなのではないかと思うのです。(ご存じの方のご教示お待ちしています。)
「おかめかぼちゃ」という言葉を聞いたことはあるのですが、どういう語源なのかわかりません。
この火入れの茶色の部分には「きら」(雲母粉)を混ぜて塗ってあります。面描きも何か素っ頓狂な表情で笑ってしまいます。
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