明日2月8日は初午。お稲荷さんの総元締である京都の伏見稲荷大社をはじめ、全国の稲荷社では「稲荷祭」が執り行われます。
お稲荷さんといっても、伏見を代表する神道系と豊川稲荷を代表する仏教系がありますね。
お稲荷さまのご眷属である狐にまつわる人形や玩具、東京の稲荷祭につきものの「地口行灯」(じぐちあんどん)、小絵馬のことなど興味深いことはたくさんあるのですが、昔の東京の東京の下町でのお稲荷さんの初午で子供に唄われた唄について記してみたいと思います。
昔、初午には稲荷講の子供たちが小振りな太鼓を棒に括りつけて2人で担ぎ、太鼓を叩きながら町内の家々をまわり、駄賃やお菓子などを貰って歩いたという話を聞きますし、絵に描かれているのも目にします。
そのとき子供たちが唄ったという唄を今から20年くらい前に、台東区谷中で質屋さんを営んでいらっしゃった当時80過ぎのお爺さんから教えてもらいました。不思議な文句なのでそれを記してみたいと思いますが、下品だとか卑猥だとかお感じになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのまま記したいと思います。
「 お稲荷講 万年講
棚からぼた餅おっこちて 赤いちんちん擦りむいた
痛いよう 痒いよう 膏薬代おくれ 」
この文句は、「東京風俗誌」という本にも同じように記録されており、下町のほうぼうで唄われていたようです。内容が不思議ですよね。「棚からぼたもち」と「赤い~」との因果関係に何かが隠されているのでしょうか?
赤はお稲荷さんの祠や鳥居、幟の色に使われる色ですね。赤い鳥居は伏見の稲荷山の千本鳥居など圧巻ですが、東京の下町の祠や鳥居は赤です。
またお稲荷さんのご眷属である狐の尻尾の先は宝珠のようにも見えますが、陽物の象徴で豊饒の象徴でもあるとか書いてあるものも読んだことがあります。
昔のわらべ唄の類には「かごめ かごめ」をはじめとして、呪術的な意味があるとも言われているようですが、この初午の唄にも何か意味があるのでしょうか?
ご存じの方いらっしゃいましたらご教示いただきたいと思います。