先週末から強い寒波に見舞われた日本列島、気温はぐんぐん下がって冷凍庫状態に。こうなると気になるのが、「難所ヶ滝」の大つらら。毎年1月から2月の寒気が強まるこの時期だけに見られる氷の芸術。暫く足が遠のいていたが、久し振りに出かけてみることにした。
このところ雨少が続いていたので、あまり期待もせずに登ってみると、幸運なことに氷は予想以上に成長していた。いつものことながら出発が遅いので、難所ヶ滝に到着したのは15日午後1時前、気温はマイナス2度。氷はポツポツ解け始めていたが、十分見応えはあった。実は、「難所ヶ滝」というのは通称で、正式には「河原谷の大つらら」という。ここは三郡山(936m)の8合目付近(724m)、宇美川源流域に位置し、河原谷と呼ばれるところで名称はそこからきている。難所ヶ滝といっても、いつも水が流れているわけではない。厳冬期、雨や雪解け水が岩肌を伝い、凍ることでつららができる。寒気が続くとそれらが成長して氷壁となる。難所ヶ滝のある宇美町は福岡市から程近く、手軽に氷壁が見れるとあって近年は多くの人が訪れるようになった。この日は、大分九重からの団体さんも見かけた。
しかし、昔と比べると氷壁もずいぶん小さくなったように感じる。氷はすぐに解けて観賞できる期間も短い。タイミングを逃すとシーズン中に見れないこともある。地球温暖化の影響も考えられるが、昨年12月に発表された福岡市環境局の報告書によると、福岡市の人口増加に伴い、都市部のヒートアイランド現象が進んでいるという。その要因(都市化の影響)は、意外にも夏場より冬場のほうが大きいといわれている。理由は、夜間のヒートアイランド現象の程度(強さ)の違いのためだとか。やはり、福岡市の環境悪化が氷の成長を妨げているのだろうか。冬本番、これから氷はどれだけ大きくなるだろう。
※一番下に最新情報を掲載しました。(2017年2月10日更新)
撮影日:2017.1.15
今冬初!河原谷の大つらら(通称、難所ヶ滝)
登山道入口 雪はほんのり
看板もきれいに
徐々に白く
40分くらいかな
宇美川源流(大つららまで500mのところ)
寒椿
サルノコシカケ発見
あと少し
その前に小つらら
見事な写真
仏頂山分岐 難所ヶ谷?
到着!(スマホで)
氷のオブジェ
ポツポツと
要注意
日を浴びて
これから
上部から 登山者も続々
【最新情報】 宇美町「河原谷の大つらら(難所ヶ滝)」情報より
1月23日午前10時30分ごろ (以下、写真は宇美町HPより)
22日からの寒波再到来で大きくなっている。今週末は気温が上がるので見頃は27日あたりまでか。(1.24記)
1月25日午前10時ごろ
徐々に解けはじめている。(1.26記)
1月29日午前11時ごろ
ほぼ消滅、やはり解けてしまった。(1.30記)
2月9日14時20分ごろ
今年、最強の寒波でふたたび氷壁が現れるか。(2.10記)
2月10日午前9時ごろ
どこまで成長するか。(2.10記)
《関連資料》
・福岡市環境局HP。平成28年版 ふくおかの環境(環境に関する年次報告書)