「誰か Somebody」宮部みゆき著 文春文庫⭐️⭐️⭐️⭐️
杉村三郎シリーズの第1作目。このシリーズは知らなかった。
巨大コンツェルンの会長の娘と結婚した杉村三郎は、グループの広報室で社内報の編集者をやっている。ある日、会長のお抱え運転手が自転車との接触事故に遭い死亡。運転手の娘姉妹に頼まれて、亡くなった父親の人生を振り返る本の出版を手伝うが、結果事故の犯人探し、父親の知られざる過去の解明に関わることになる…
宮部みゆきらしいミステリー性、人間模様が盛り込まれており、それなりに面白かった。ただ、僕の宮部みゆき像からすると、もっと個々の登場人物を深掘りし、意外性を含んだ感動が欲しかった。少し物足りなし。
でも、今後の杉村三郎にはいろいろ波瀾万丈な人生が待ち受けているようで、それは興味深く、しばらくはこのシリーズを読んでみようと思います。早速、第2弾の「名もなき毒」を買い求めました。(2019-04)