♪「永代橋崩落」杉本苑子著 中央公論文庫
先日門前仲町で呑んだ時、小説の話になった。
このあたり(門仲、深川、木場など)を題材とした時代小説は面白いという話。
この前書いたように、富岡八幡宮や深川不動尊、その仲見世あたりは秋山小兵衛や長谷川平蔵あたりがいかにも闊歩していそうな雰囲気がある。
池波正太郎も面白いし、平岩弓枝、山本一力なども江戸下町情緒溢れる人情話がなんとも良い。
そんな話をしていたら、団長が「杉本苑子の『永代橋崩落』読みましたか?なかなか良いですよ」と仰る。
そうしたらTマネージャー(団長の奥さん)が「今日、持っているから貸そうか?」
元々江戸時代劇好きの僕は「ハイ、読みます!」
文化4年(西暦1807年)旧暦8月に起こった永代橋の崩落事故。
その日は30数年ぶりに富岡八幡宮の祭礼が復活し執り行われた。
江戸日本橋側から深川八幡宮に大川(現隅田川)を渡るのに一番近道の永代橋。
架橋100年来、最低限の普請を重ねて来た永代橋は、殺到する群衆の重みに耐えられなかった。
崩れ折れた橋から後ろから押されて次々に大川に転落する通行人。
2千名以上が溺死または行方不明となる大惨事となった・・・。
その未曾有の惨事に直接に間接に巻き込まれた下級武士、商人、市井の人々の悲喜こもごもを8つの話にまとめた短編集だ。
どの話も胸がぐっと詰まる。
こんなはずではなかったのに、なんでこんなことに、亡くなった方々には申し訳ないがお陰さまで・・・。
藤沢周平の地方下級武士の話もすごく良いが、やっぱり江戸庶民の人情味溢れる話はぐっと心に迫ってくる。
う~~ん、やっぱり小説っていいですね。
合唱練習のための音取りiPodも大切だが、やっぱり本を読もうっと!
PS)
Tマネージャーから文庫本を借りたんだけど、中に挟まってたのが富岡八幡宮のお札入れの和紙の袋?
門前仲町で呑む前に寄ったのでしょうか。
「永代橋崩落」のしおりが富岡八幡宮のお札入れ?
マネージャー、なかなか粋じゃぁありませんかぃ!