街ゆけば、時たま
「ふろしきの男(ひと)」
と聞こえてくることがあるので、
隠密としては、目だたぬように
今後はロングのカツラを被ってみようかと
カタログをいただいてきた。
半分冗談ともとれますが、
自らの肩書きによって息苦しくかたまっているような人は、
たまに服装や髪型を思いきりで変えることで、
おなじ瞳に映る世界さえまるで異なってみえるかもしれない。
少なくとも、もし私がロングのかつらをかぶったら
電車の椅子に座る姿勢から変わるでしょう。
自分の思う「すてきな女性」を、しぜんと氣どろうとする。
まあ、カツラをつけても服装はいつものままで、
紅だけほのけく入れる。
さいわい僕は、肩書きらしいものは無いのですが、
それでも「男」「夫」「父」「アラフォー」のような
縛りに、ぼんわりと覆われて生きています。
どうしても、あの人はこんな人だ、と
いくらかの言葉ごときで決めつけてしまいがちだ。
でも本当は、
じぶんも相手もぜんぶ、
永遠に謎のままなのです。
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