明治・幕末の写真をみていたら
日本人の重心はやはり皆ひくいが
同じ時代の西洋人、のみならず大陸のアジア人も
日本人とくらべて重心の高い人が多い。
なぜ日本人の重心が低いのか。
その理由として掃除による足腰の強さもあげられる。
日本は水が豊富で、濡れぞうきんによる
床のふき掃除を子どものころから
毎日のようにこなしてきた。
それで足腰が鍛えられた結果
下半身の筋量もふえて
血も集まりやすくなっている。
朝鮮半島は日本よりも水が貴重で
乾燥している。
だから、もともとは
こまめに手を洗う習慣はなく
床暖房(オンドル)も乾燥ゆえに
設計可能である。日本ではかびが生える。
また、日本人は座の文化だが
中国はイスである。
肉食も一般的であったため
上半身の筋肉が発達し
西洋に近いところがある。
日本人も魚を食べていたが
少量である。
穀物で自給できたから、
イワシも肥料扱いだった。
肉は、農耕や交通の牛馬が死んだときに
食べていたくらいである。
そのように、水に恵まれた日本の風土による
食生活や住環境も重心の低さにつながるだろう。
近代までの日本人の重心のひくさは
掃除による足腰の鍛錬にくわえて
きものによる下半身の重ね着も影響している。
現代は、上半身は下着+シャツ+トレーナー+コート+マフラー(合計5枚)のように
暖めても下半身は下着とスカート(合計2枚)、という着方もよくあるが
きものでは、上半身は肌じゅばん+長じゅばん+着物+羽織(合計4枚)
逆に下半身は、腰巻き+すそよけ(お腹側は2重)+長じゅばん(2重)
+きもの(2重)+帯を巻く(合計9枚以上)のようにまるで比重が違う。
現代にきもの生活をとり入れるのもよいが
股引をはいたり、靴下を重ねたり、ズボンの上から
ベルトの代わりにちょっとした帯をしめて
下半身を意識しやすくして頭寒足熱を心がけるのもあり。
でも、衣服だけでなく日常足腰をつかうことが大切である。
無理に過酷な運動をする必要はなく
散歩(下駄もおすすめ)、
掃除(ほうきで掃く、雑巾がけ)
階段、荷物を背負う などを
日常に取り入れるのもよいでしょう。
土台たる重心は、低いほど心身の安定した存在となります。
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