オリンピックのトライアスロン会場にも使用される、東京湾のお台場海浜公園は、
その水質が物議をかもしつづけてきた。
汚染の原因は、たとえば
・合流式下水道による、雨天時のオーバーフロー(大雨のときに下水が海へ放出される)。
・分流式下水道の雨水に含まれる大氣汚染物質や洗車の洗剤等。
・岸辺のヨシ、干潟の微生物、海中のアマモ等
生物による浄化の不足。
・湾岸の工場からの廃液(例:豊洲の地下水問題)
・消毒用の塩素。常在微生物の減少や有機物との化合による汚染(トリハロメタン等)。
・川から流れてくる、肥料や農薬(窒素過多)。
これらの原因を改善させる他、
他にも具体的な解決方法があるだろう。
戦前に広く用いられていた、緩速濾過という
微生物による生物浄化方式は、
シンプルながら低コストで結果を出せる
ことが期待される。
簡単にいうと、砂利に水を流すだけ。
砂利が濾過するというよりも、
水が通過しつづける砂利に
微生物が棲み着き、有機物を餌として分解する。
ただ、それを沿岸で施設として造るには、
水を汲み上げるポンプの電力が必要となる。
電力については、近い将来、安全なかたちでの
グリーン水素によって解決されるだろう。
他のやり方としては、砂利の入ったカゴを
海面に浮き島のように浮かせ、波や海流に
より砂利の隙間を水が通過するようにする。
島を浮かせるには、間伐材を生かした
木の枠組みを用いて、砂利自体も軽い
珊瑚や麦飯石、または専用の多孔質
セラミックスを使う。砕いた貝殻でもよいが、
石井式合併浄化槽がヤクルト容器を使用
するように、何か効率のよいセラミックスの
形状もあるかもしれない。
浮き島にはヨシを植えて浄化を加速させ、
下に出てくる根っ子は、魚の棲み家や
産卵場所にもなる。
1つの島は1メートル四方程度だが、
連結もでき、ロープをつなげば船で引いて
簡単に移動や回収ができるようにする。
お台場海浜公園のシルトフェンス内に
この緩速ヨシいかだを1000枚ほど浮かせれば、
面積の10分の1を超え、何かしら改善が
期待できる。
間伐材、鉄のカゴ(鉄分も供給)、
砕いた貝殻、ヨシを、希望する
ボランティアの方々も募って組み立てれば、
かなりの低予算でできるでしょう。