(朝日新聞 2009年09月04日)
■存在感発揮に腐心
総選挙で民主党と協力して8選を果たした新党大地の鈴木宗男代表が、民主党の幹部らと精力的に会談をこなしている。3日には小沢一郎代表代行と選挙結果について意見交換。自民党離党以来の与党入りを前に、存在感のアピールや公約の実現に懸命だ。あっせん収賄などの罪について最高裁で有罪が確定すれば収監されることになるが、鈴木氏は「大地の灯火(ともしび)は消えない」と強気だ。
(古賀大己)
鈴木氏は総選挙2日後の1日に上京。その日に国会内で民主党の鳩山代表と会談し、衆院で同党と統一会派を組む意思を伝えた。これまで国民新党と会派を組んでいたが、鳩山政権の与党の一員としての立場を鮮明にした形だ。
その後、鈴木氏は山岡賢次国会対策委員長ら民主党幹部らと次々接触。3日は小沢代表代行に会い、道内20議席のうち民主党が4分の3にあたる15議席を占めた総選挙について意見を交わした。小沢氏は「満足している」と語ったという。また、選挙の成果は鳩山氏との会談でも話題にのぼり、「協力がうまくいった象徴だ」と、ねぎらいの言葉をかけられたという。
鈴木氏が同党幹部と頻繁に接触していることには、わけがある。一つは、かつて政府・与党の中心にいた経歴を生かしたアドバイスのためだ。官房副長官や北海道・沖縄開発庁長官を歴任した鈴木氏は「首相官邸でしっかり仕事をした人は、民主党では小沢さんくらい。私の経験が役に立つなら協力したい」と話す。
また、選挙戦で掲げた公約の実現も理由だ。02年に自民党を離党して以来の与党入りによって「絵に描いた餅」ではなくなる可能性がある。
北方領土返還の道筋をつけることや、アイヌ民族の権利確立のための立法措置には特に力を入れている。北方領土問題では選挙期間中、鳩山氏に「政権発足から半年以内にめどをつけてほしい」と要請した。鈴木氏によると、鳩山氏は「私もそう考えています」と答えたという。
存在感発揮に腐心している鈴木氏だが、今後の焦点は刑事裁判の行方だ。あっせん収賄など四つの罪に問われて二審でも有罪判決を受けており、最高裁で有罪が確定すると収監される。同時に国会法の定めによって失職し、比例道ブロックの大地の名簿で2位だった元郵政相・八代英太代表代行が繰り上げ当選となるが、収監されれば党の存亡にかかわるとの見方も強い。
これについて鈴木氏は3日、朝日新聞の取材に、こう答えた。「私の代わりは八代さんらがいる。大地の灯火は消えることはない」
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000760909040001
■存在感発揮に腐心
総選挙で民主党と協力して8選を果たした新党大地の鈴木宗男代表が、民主党の幹部らと精力的に会談をこなしている。3日には小沢一郎代表代行と選挙結果について意見交換。自民党離党以来の与党入りを前に、存在感のアピールや公約の実現に懸命だ。あっせん収賄などの罪について最高裁で有罪が確定すれば収監されることになるが、鈴木氏は「大地の灯火(ともしび)は消えない」と強気だ。
(古賀大己)
鈴木氏は総選挙2日後の1日に上京。その日に国会内で民主党の鳩山代表と会談し、衆院で同党と統一会派を組む意思を伝えた。これまで国民新党と会派を組んでいたが、鳩山政権の与党の一員としての立場を鮮明にした形だ。
その後、鈴木氏は山岡賢次国会対策委員長ら民主党幹部らと次々接触。3日は小沢代表代行に会い、道内20議席のうち民主党が4分の3にあたる15議席を占めた総選挙について意見を交わした。小沢氏は「満足している」と語ったという。また、選挙の成果は鳩山氏との会談でも話題にのぼり、「協力がうまくいった象徴だ」と、ねぎらいの言葉をかけられたという。
鈴木氏が同党幹部と頻繁に接触していることには、わけがある。一つは、かつて政府・与党の中心にいた経歴を生かしたアドバイスのためだ。官房副長官や北海道・沖縄開発庁長官を歴任した鈴木氏は「首相官邸でしっかり仕事をした人は、民主党では小沢さんくらい。私の経験が役に立つなら協力したい」と話す。
また、選挙戦で掲げた公約の実現も理由だ。02年に自民党を離党して以来の与党入りによって「絵に描いた餅」ではなくなる可能性がある。
北方領土返還の道筋をつけることや、アイヌ民族の権利確立のための立法措置には特に力を入れている。北方領土問題では選挙期間中、鳩山氏に「政権発足から半年以内にめどをつけてほしい」と要請した。鈴木氏によると、鳩山氏は「私もそう考えています」と答えたという。
存在感発揮に腐心している鈴木氏だが、今後の焦点は刑事裁判の行方だ。あっせん収賄など四つの罪に問われて二審でも有罪判決を受けており、最高裁で有罪が確定すると収監される。同時に国会法の定めによって失職し、比例道ブロックの大地の名簿で2位だった元郵政相・八代英太代表代行が繰り上げ当選となるが、収監されれば党の存亡にかかわるとの見方も強い。
これについて鈴木氏は3日、朝日新聞の取材に、こう答えた。「私の代わりは八代さんらがいる。大地の灯火は消えることはない」
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000760909040001