――オーストラリアの先住民族政策を事例に - 塩原良和
BLOGOS-2014/01/19
効率性重視の風潮とエスニック・マイノリティ向け社会政策
福祉国家的な社会政策には、十全なシティズンシップ(市民権)をもった「国民」として生きる人々に対して、労働市場に依らずとも一定水準の生活が送れる状態、つまり労働力の脱商品化を通じた時間的自律性の感覚を保障することを目指した側面がある。
その象徴が「ゆとり」という言葉であった。福祉国家は人々のゆとりある生活を社会保障によって実現しようとし、そのような社会保障がデモクラシーを発展させるとも言われた(田村2012)。
しかし今日、こうした理想はネオリベラリズムやグローバリズムの興隆とともに旗色が悪くなっている。富の再分配によって弱者の社会的包摂を進めようとすることは経済政策の「スピード感」を鈍らせ、「自己責任」によって弱者に転落した人々を甘やかすものだとみなされつつある。それとともに、経済グローバリゼーションの進行が「時間短縮」の論理の社会的影響力を増大させている。競争相手に先んじて「素早く」成果を得なければならないという脅迫観念が広がり、より「効率的」でスピード感のある行動が政府や組織、そして個人に要求される傾向が高まっている。
効率性と時間短縮を重視する風潮は、移民、難民、外国人住民、少数・先住民族といったエスニック・マイノリティと国家政策との関係も変化させる。こうした人々は、国民国家形成過程のなかで自己決定の権利を奪われるか十分に保障されてこなかったがゆえに、長らく社会経済的に不利な立場に置かれてきた。しかし20世紀後半以降、多くの先進諸国がエスニック・マイノリティからの自律や社会的包摂の要求に直面し、福祉国家的な社会政策をそうした人々に対して拡充していった。
こうして確立してきたエスニック・マイノリティ向け社会政策は、経済グローバリゼーションとネオリベラリズムによって増長していく、効率化と時間短縮を重視する風潮にどのような影響を受けるのか。本稿では2007年から12年にかけてのオーストラリアにおける先住民族政策のなかで、効率化と時間短縮の論理によってネオリベラルな改革が正当化され、「成果重視」という目標が徹底されていった過程を分析する。そして、時間短縮の重視が先住民族の日常に対する空間的な管理の強化を助長するという、時間的管理と空間的管理の連動化というべき状況がそこに生じていたことを示す[*1]。
[*1]なお本稿は塩原2013a, 2013bの内容を短くまとめたものであり、詳細はそちらを参照されたい。
「成果重視」と「緊急対応」
オーストラリアの先住民族は英国人の入植とともに植民地化され、国民国家の地理的・制度的枠組みのなかで自己決定の権利を奪われてきた(Maddison 2009: 4-7)。それゆえ1970年代から90年代まで、連邦政府の政策は先住民族の自己決定権の保障を重視していた(鎌田2001: 51-52,2002: 136-144; 細川1997: 178-185; 上村1992: 132-178)。この「自己決定政策」は、先住民族に対する植民地化の負の遺産としての不公正な社会構造を、国際人権規範に基づいた福祉国家的な社会政策によって是正しようとしたものであった(Kowal 2008: 339)。
しかし1990年代以降、自己決定政策は先住民族の生活を向上させるという「成果」をもたらしておらず、多くの先住民族は依然として貧困や構造的な不平等に直面していると見なされるようになる。こうした見方の変化は、オーストラリア政治におけるネオリベラリズムの影響力の増大とも無縁ではなかった(Kowal 2012: 43-56)。
1996年に発足したハワード保守連合政権では、先住民族政策は先住民族の自己決定権や土地権の保障ではなく、貧困の改善などの「プラクティカルな」成果を重視すべきだという名目のもとに、先住民族の自己決定や権利の保障に向けた取り組みは後退していった(Dodson 2007: 26; 飯笹2007: 115; 鎌田2001: 53-54; ハージ2008: 119-121)。先住民族指導者のなかにも、自己決定政策が成果を挙げていないと不満をもち、先住民族共同体が陥っている「受動的福祉依存」の規範を改めるための改革を主張する者もあらわれた(Pearson 2003: 2-8)。
こうした「成果重視」の発想は、効率化や時間短縮の強調をしばしばともなう。何らかの評価基準によって客観的に測定可能な「成果」を一定期間内に示すために、効率化と時間短縮が求められるからである。とりわけ経済危機や大規模災害など「非常」と認識された事態においては、そうした事態から一刻も早く脱却するという「成果」が強く求められる。その結果、効率化と時間短縮を前提とした「緊急対応」という正当化の論理が台頭し、平常時ならば許されることのない、有権者や当事者の意思や権利を軽視した決定や措置も黙認されがちになる(クライン2011)。
2006年、メディアの報道をきっかけに、オーストラリアの北部準州[*2]の先住民族共同体での児童への性的虐待の深刻さが注目された。それを受け北部準州政府の調査委員会は、2007 年4月に報告書を公表し、行政による早急な対応を求めた(BIPACSA 2007: 57-73)。するとハワード連邦政権は同年6月、この報告書を根拠に、北部準州の労働党政権には先住民族の幼児虐待問題に対処する能力がないと非難して連邦政府の介入を発表する。そして「北部準州緊急対応(Northern Territory Emergency Response: NTER)タスクフォース」を北部準州に投入し、北部準州緊急対応(NTER)政策を開始した(SCLCA 2007: 1-2; NTERTF 2008)。ハワード政権は「先住民族の子どもの安全が脅かされている」という「非常事態」を宣言し、NTER政策の開始を文字通り「緊急対応」として正当化したのである。
NTER政策は当初、先住民族当事者の権利に対する配慮が大幅に免除されていた。すなわちNTER政策は、人民をその人種やエスニシティに関わらず法の下で平等に扱うことを定めた1975年人種差別禁止法の適応対象外とされたのである(Commonwealth of Australia 2009a: 7-8)。また先述の北部準州政府への報告書では、政府が対策を講じる前に先住民族共同体からの意見聴取を実施するように提言されていたにもかかわらず、連邦政府はそれを無視した。
NTER政策においてとりわけ人権NGOなどから大きく批判されたのは、北部準州内の73の地域や居留地に導入された収入管理(income management)制度であった。収入管理制度とは、福祉受給者に対して政府から給付される生活保護等の大半が、ベーシックスカードと呼ばれるプリペイドカードで被受給者に渡される仕組みである。ベーシックスカードは、日用品や生活必需品など政府が許可した物品を購入するときのみ特定の店舗で使用できる。
この収入管理制度については、その人が自分自身で金銭を管理したり家事・育児をする能力があるかないかに関わらず、該当地域に居住する先住民族の人々全員に、強制的に適用される点が問題視された(Commonwealth of Australia 2009a: 10-12)。1975年人種差別禁止法がNTER政策に適用されなかった大きな要因は、この収入管理制度であった。
そのほかの側面でも先住民族の権利を侵害するものとして批判されたNTER政策だが、開始当初、オーストラリアの世論で大きく支持された。その背景にはマスメディアのキャンペーンによって、それまでの自己決定政策が遠隔地の先住民族の生活を改善する「成果」を挙げていないという見方が浸透していたことがある(Sanders 2010: 310)。こうした世論を背景に、ハワード政権は北部準州の先住民族共同体に対する介入を行ったのである。
[*2]連邦国家であるオーストラリアにおいて、「準州(territory)」は「州(state)」とは異なり連邦憲法によっては立法権や自治権が保障されておらず、連邦政府からの政治介入を受ける余地を比較的多く残している。
「格差是正」のジレンマ
ハワード政権下の連邦議会で野党であった労働党も、NTER政策を支持した。しかし2007年11月の連邦総選挙で政権交代が実現すると、労働党政権はハワード政権の先住民族に対する強硬姿勢の転換を目指した。
NTER政策についてもいくつかの変更がなされ、収入管理制度については、特定の地区に住む人々すべてに一律に適用することが不満や怒りを招いているとして任意適用に改める方針が示された。また、政策決定にあたり先住民族共同体の意見を傾聴する姿勢も強調された(NTERTF 2008: 18-21; Commonwealth of Australia 2008: 9-47)。
こうしてハワードの権威主義的姿勢の象徴とされたNTER政策を転換することで、改革イメージを強調しようとした労働党政権だが、NTER政策自体はむしろ予算が増やされ、継続することになった。その結果、それを正当化する論理は「子どもの安全を守る」ための「緊急対応」から、先住民族が置かれた社会経済的不利の改善へと強調点が変化していった。こうして連邦政府がさかんに言及するようになったのが、先住民族と非先住民族間の経済社会的な「格差是正(Closing the Gap)」という目標であった(FaHCSIA 2012: 1-2)。
「緊急対応」と同様に「格差是正」も、先住民族の置かれた社会経済的不利の改善に失敗したとされた自己決定政策との差異化を図るために、「成果」をあげることを強調するスローガンである。しかし、こうした「成果重視」の姿勢は、歴史的に形成された社会構造に起因するエスニック・マイノリティに対する社会的不公正の是正に取り組む際には逆に足かせになりうる。
先住民族と非先住民族の格差の是正のためには、歴史的に構造化されたマイノリティ‐マジョリティ関係の変革のための長期的な関与が不可欠である。多様な分野における施策を連関させなければならず、その「成果」を数量的に測定するのも容易ではないからである(Woodliff 2012: 66-80)。つまり、そうした政策が成果を挙げるのには時間がかかるのだ。そのことは労働党政権も認識しており、NTER政策によって先住民族共同体の「持続可能な発展」を目指すと表明された(Commonwealth of Australia 2009a: 6)。
しかしこうした一見長期的なビジョンと裏腹に、連邦政府はNTER政策に対する根強い批判をかわすために、この政策の成果を短期的な数値の変化として示す必要があった。つまり連邦政府は歴史的に形成されてきた社会構造の変革という長期的な目標についての、短期的に目に見える成果を示し続けなければならないというジレンマに陥ったのである。
「地域限定」の社会政策
このジレンマを解決するには、その社会政策が対象とする範囲を狭めてしまうというやり方がある。あらかじめ狭い範囲に限定すれば、「目に見える」変化は比較的得られやすくなるからだ。
NTER政策はもともと北部準州という「地域限定」の政策ではあったが、以下で論じるように労働党政権ではさらに特定の「場所」を対象として住民の生活を徹底的に管理することで「格差是正」という政策的成果を短期間で演出する傾向が強まった。こうして「効率的」な成果の達成という「時間短縮」の論理は、政策の対象とされた人々の住む「場所」の管理の強化という帰結をもたらすことになった。そしてそれは、先住民族に限らずその他の人々にも及ぶことになる。
前述の通りNTER政策における収入管理制度には、先住民族のみを対象としていることが差別的であるという批判があった。そしてNTER政策全体が1975年人種差別禁止法の例外とされた大きな要因のひとつが収入管理制度であった。そこでこの状況を是正するために、連邦政府は全国の「不利な立場に置かれた地域」に対して、収入管理制度を「人種の区別なしに」適用していく方針を明らかにした(Commonwealth of Australia 2009b)。
収入管理制度は世代を越えて受け継がれる受動的福祉の連鎖を断ち切る切り札とされ、まずは「不利な立場に置かれている共同体」が集中しているとされた北部準州全域の福祉受給者等のうち、人種の区別に関わらず一定の条件に該当しケースワーカーに指定された者に適用されることになった。そして収入管理制度は先住民族だけに限定されない「非差別的」な施策になったため、もはやNTER政策には含まれないとされ、 1975年人種差別禁止法がNTER政策に適用されることになった。
収入管理制度は、北部準州を対象としたNTER政策が開始されたのと同時期に、北部準州以外のいくつかの地域でも試行されていたのだが(CYIPL 2007: 23-24; WACOSS 2011)、NTER政策におけるこうした制度変更を契機として北部準州以外の地域への適用が拡大していく。
新たに収入管理制度の適用対象となったのは全豪各地の「住民の多くが非常に不利な立場に置かれている」とみなされた地域であった。収入管理制度の適用は強制ではないことが強調されたが、行政やケースワーカーに児童虐待だとされたり、経済的事情や心身の病気などで子どもを養う能力がないとされた親に適用されることになった。
収入管理制度の対象範囲の拡大は、従来の全国一律の社会福祉政策を改め、問題が集積する地域に対して特別な施策を講じ、人々を「福祉依存」から脱却させ、就労へのインセンティブを高めるための社会福祉改革の一環として正当化された(FaHCSIA 2011a)。
こうして先住民族という「人」を選別して対象とするNTER政策の一部であった収入管理制度は、特定の「場所」を対象とする「場所ベース」の社会政策へと変容していった(DEEWR 2011)。ただし実際には、新たに収入管理制度が適用されることになったのは先住民族や非英語系移民の人口が比較的多い地域であり、こうしたエスニック・マイノリティは収入管理制度の主要な対象であり続けている(塩原2013a)。
このように「場所ベース」の社会政策は、人種差別だという批判を回避しつつエスニック・マイノリティの日常に行政がより重点的に介入することを可能にした。
先住民族の権利を「規制緩和」する
しかし、自分たちの暮らしに行政が介入して無理やり変えてしまうことへの抵抗感をもつ人々は多いし、それが自分たちの伝統や祖先伝来の土地との関わり方を変えてしまうのであればなおさらである。それゆえ、「場所ベース」の社会政策はその場所に根付いて自分たちの権利を主張する人々としばしば衝突する。また場所に根付いている人々は、行政の介入に抵抗するために人々を動員するシンボルや社会関係資本をその場所から調達しやすい。つまり「場所ベース」の社会政策を遂行しようとする行政側からすれば、その場所に根付いて権利を主張する人々は実は潜在的には障害にもなりうる。それならば、そうした人々の権利を取り上げてしまったほうが「効率がよい」ということになる。
NTER政策が導入された直後、ハワード政権は「入域許可制度」の廃止を宣言した。入域許可制度は1976年アボリジニ土地権法(北部準州)によって確立された、外部の者がアボリジニのホームランド(祖先の土地)に許可なく立ち入るのをアボリジニ自身が拒否できる仕組みである。
先住民族の自己決定権・土地権の象徴としての意味をもつこの制度の廃止を、NTER政策に従事する非先住民族の職員や労働者の「作業効率の向上」という時間短縮の論理によって連邦政府は正当化しようとしたのだ(FaHCSIA 2011b: 37)。しかし、それは先住民族共同体の大きな反発を招き、 労働党は政権交代後に入域許可制度の廃止を撤廃した(Commonwealth of Australia 2009c)。
また同じくNTER政策の一環として、政府が先住民族の土地を5年間、行政サービスの提供やインフラ整備を名目に強制的に借り上げることを可能にする措置も導入された。ここでも、政府職員や委託業者の業務遂行の効率性の向上という理由が強調された。しかしこの施策への反発も大きく、結局、先住民族が土地を自発的に長期間貸し出すように促すことになった(FaHCSIA 2011b: 36; Commonwealth of Australia 2008: 39-40)。
こうした経緯を経て、2008年以降、長期に渡る土地借り上げによる先住民族向け住宅の整備が北部準州政府と連邦政府の共同の公共事業として進められていった。この事業では、政府からの契約を受注した民間業者が住宅の改築や新築を行うことになった(ANAO 2011)。
このような公共事業が開始された背後には、NTER政策が開始された直後に連邦政府と北部準州政府との間で交わされた覚書があった。その内容は、北部準州の先住民族のための公営住宅の建設や土地・借地管理を行うために、連邦政府が多額の資金を提供するというものであった(ANAO 2011: 15-23)。それゆえ、この覚書が交わされたのと同じ時期に上述のような入域許可制度の廃止や強制的土地借り上げなどが試みられたのには、先住民族のホームランドに非先住民族の建設会社が進出し、住宅建設・インフラ整備を「効率的に」進めるための準備という意味があったと考えることができる。それは、先住民族の自己決定権や土地権がこうした事業にとって「非効率的」な、いわば「緩和」されるべき「規制」だとみなされたということでもある。
時間管理と場所管理の連動化
こうして「場所ベース」の先住民族政策は、効率的な政策遂行(「時間短縮」)に向けた先住民族の生活の場所のあり方への管理を強めていく。この「時間管理と場所管理の連動化」がさらに進んだとき、いっそのこと人々をその根付いた場所から物理的に引き離し、どこか他のところに住まわせたほうが好都合だという発想も生じうる。
実際に、2009年5月から北部準州政府が開始した「働く未来(Working Future)」政策では、「テリトリー発展タウン(Territory Growth Town: TGT)」構想が提唱された。これは北部準州周辺の比較的大きな20の集落をTGTに指定し、政府が住宅や公共サービス、インフラを集中的に整備し、商業施設も積極的に誘致するというものであった(Northern Territory Government 2009)。しかしTGTから比較的近い先住民族のホームランドについては、行政サービスが不十分にしか提供されない恐れがあることが反対者からは問題視された。こうした措置はホームランドの住民をTGTの周辺に移住させるように促すものであり、先住民族の土地権の侵害にあたるとも批判された。
それに対し政府は、雇用機会がない奥地で福祉給付に頼って暮らす先住民族を少なくし、また比較的大きな町に先住民族が集住することで行政サービスやインフラ整備を効率化できると主張し、この政策を進めていった。もちろんこの場合、先住民族は行政によって強制的にホームランドから退去させられるわけではない。しかし行政がTGTへの公共インフラやサービスの集中化を進めることで、先住民族が「自発的に」自らの土地から離れる選択をすることが期待されている(塩原2013b)。先住民族政策の効率化は、辺境に住む先住民族が自らの土地とのつながりを維持していくことを困難にしているのである。
以上の考察からは、2007年から12年にかけてのオーストラリアにおける先住民族政策が時間短縮への要求をともなった「成果重視」の論理によって強く動機づけられており、そのことがより効率的な政策遂行に向けた人々の「場所の管理」の強化に帰結したことが示される。
本稿はあくまでひとつの事例研究に過ぎず、そこで得られた知見を過度に一般化することには慎重でなければならない。とはいえ日本を含めた他の先進諸国にもエスニック・マイノリティ向け社会政策に対するネオリベラルな改革圧力は遍在しており、「成果重視」「緊急対応」「地域限定」「規制緩和」「格差是正」といったレトリックも大きな影響力をもっている。それゆえ、時間短縮の論理と「場所ベース」という手法が連動してエスニック・マイノリティへの管理が厳格化され、それが他の人々にも波及していく可能性を示した本稿における知見を、他国におけるエスニック・マイノリティ政策の事例と比較して検証していく意義はあるだろう。
引用文献
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サムネイル「Uluru-Kata Tjuta National Park」fa.b
http://www.flickr.com/photos/fa_b/8068600599
変革する多文化主義へ―オーストラリアからの展望 (サピエンティア)
著者/訳者:塩原 良和
出版社:法政大学出版局( 2010-07 )
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単行本 ( 230 ページ )
ISBN-10 : 4588603124
ISBN-13 : 9784588603129
塩原良和(しおばら・よしかず) 社会学
1973年埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。主な著作に『共に生きる-多民族・多文化社会における対話』(弘文堂)、『変革する多文化主義へ-オーストラリアからの展望』(法政大学出版局)、『ネオ・リベラリズムの時代の多文化主義-オーストラリアン・マルチカルチュラリズムの変容』(三元社)など。
http://blogos.com/article/78307/