CINEMA TOPICS ONLINE-(2016/04/26 00:56)
『神聖なる一族 24 人の娘たち』(配給:ノーム)が、シアター・イメージフォーラム他にて9月下旬よりロードショー公開されることが決定いたしました
ロシア西部のヴォルガ川流域に広がる魔法の国のような世界。そこはマリ・エル共和国。
自然崇拝と大らかな性で人生を謳歌する人々の摩訶不思議な物語がベールをぬぐ―。
500 年もの間、ヴォルガ河畔で独自の言語と文化を保ってきた Mari(マリ)人たち。ロシア連邦の中で際立って特異な民族で、どこにもない宗教や世界観を持ち、今も様々な伝承が息づいている。本作は、マリの女性たちにまつわる説話を映画化。ロシア版「遠野物語」や「アイヌ民話」のような、優しくて哀しい不思議な世界が広がる。
理想的な夫を選ぶ目を養うためにバケツいっぱいのキノコの形を丹念に調べるオシュチレーチェ。小枝のようにか細い体を豊満な体にするため、裸の体を布で拭くまじないを施されるオシャニク。友だちにそそのかされ、夫の股間の匂いを嗅ぐことで浮気の確証を得ようとするオーニャ。夫に想いを寄せる醜い森の精霊に呪いをかけられてしまうオロプチーなど、名前が「O」から始まる24 人の娘たちの”生“と”性“についての物語が幕をあける。嘘か誠か、真実は風の中。
A.タルコフスキー、A.ソクーロフ、A.ゲルマンに続く、ロシアの新たな鬼才アレクセイ・フェドルチェンコ監督作、遂に日本公開。
長編デビュー作「ファースト・オン・ザ・ムーン」(05)で、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・ドキュメンタリー賞を受賞、「サイレント・ソウルズ」(10)で、同映画祭の撮影賞と国際批評家連盟賞を受賞するなど、ロシア映画の第三世代として高い評価を得ているフェドルチェンコ。ドキュメンタリーやフィクションなど作品ごとに手法を変え、独特の世界観で各国の映画人を魅了し続けている。
本作は、マリ出身の脚本家であり作家のデニス・オソーキンと組み、消えゆくマリ文化の中の女性たちに光をあてた。四季を通して撮影された本作は、大自然の豊かな色彩の広がりと、透き通る肌の女性たち(プロとアマチュアを起用)の瑞々しさに溢れている。そして世俗的な現代社会に染まらない、活き活きとした人々の暮しを、時にグロテスクに、時に印象派の絵画のように美しく映し出す。
□作品詳細『神聖なる一族24人の娘たち』https://www.youtube.com/watch?v=tT5J120JYIM
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=30238