GOIN[ゴーイン]-2016年08月29日更新
音威子府(おといねっぷ)は北海道北部の中川郡にある小さな村。旭川や名寄から稚内へ向かう際の経路である国道40号と国道275号の分岐点に位置しているのが道の駅「おといねっぷ」。人口800人の村の素朴で味わい深いおもてなしを体験できます。おいしい蕎麦があり、工芸品製作の体験もあります。ここでしかできない特別なおもてなしを体験してください。
音威子府の独特の気候と歴史
北海道の内陸部に位置する音威子府(おといねっぷ)は、気温が夏は約30度にまで上がり、冬は約マイナス30度まで下がります。また、道内でも指折りの豪雪であることでもよく知られています。昼と夜の気温の差もとても激しく、厳しい気候が続きます。ここは、蕎麦生産の北限地で、「音威子府そば」はこの村の名産品となっています。その厳しい気候のおかげでここの蕎麦は甘みが詰まって、とても香りが良いと評判です。
音威子府は「北海道」の名称と深く繋がっている歴史があります。1857年(安政4年)に、北海道がまだ蝦夷地と称されているころ、探検家・松浦武四郎がこの地を訪れました。そのときに、アイヌの人々が蝦夷地を「カイナー」と呼んでいることを知りました。後に役人としてこの土地の名称を決めることになった松浦武四郎は、「アイヌの国」を意味する「カイ」を取り入れ「北加伊道」を提案し、これがのちに「北海道」となりました。
村の中心にある道の駅
800人ほどの人口のこの村の中心地はコンパクトにまとまっています。JRの駅の前に役場があり、道の駅はその隣にあります。それで、この道の駅は「道」からだけでなく鉄道からもアクセスできるようになっています。音威子府村のキャッチフレーズは「森と匠(たくみ)の村」。道の駅も、そのイメージにピッタリの木のぬくもり漂う建物です。中には、落ち着いた雰囲気の老舗レストランや特産品を販売する売店があります。2階には音威子府村の情報展示スペースもあり、じっくり楽しめます。隣接する施設で木工体験ができ、ガイドと共に匠の技を手軽に体感することも楽しみのひとつです。
住所:北海道中川郡音威子府村字音威子府155番地
定休日:木曜日
営業時間:10:00-18:00(4月-10月)、11:00-17:00(11月-3月)
アクセス:国道40号経由で、旭川から約2時間30分。稚内から約2時間。札幌から約4時間。
蕎麦の名産地のオススメグルメはやっぱり…
音威子府そば
道の駅の唯一のグルメスポット「麺屋一ふじ(いちふじ)」。こちらの名物は、ズバリ「音威子府そば」。特徴はお蕎麦の色。この地域の蕎麦は真っ黒なんです。その秘密は、蕎麦を作る工程で蕎麦の殻も一緒に挽いて使用するため、真っ黒い色の蕎麦ができるのです。お蕎麦の香りを強く感じることができるので、この蕎麦のためにこの道の駅にくるファンもいます。鉄道の駅からもたくさん来られるようで、30円で車内持ち込み容器に入れてテイクアウトすることも可能です。ほかにもこちらのお蕎麦は全部で19種類ものバリエーションから選べるので、何度でも来て楽しめるドライブコースになるはずです。
種類が豊富なラーメン
ほかにも、ここ「麺屋一ふじ」にはラーメンがあります。醤油、塩、味噌のラーメンが全部で14種類も。
さらに、ソフトクリームもあるので、食後の楽しみもバッチリです。ご飯類のメニューはないようですので、音威子府に来たときは、麺類で楽しみましょう。
小さな村の素朴な名物
道の駅のお買い物スポットは、「原菓子舗」。ここではこのお店の看板にも大々的に登場している、「鮭のみそパン」がオススメ。テレビでもたびたび紹介されている有名な特産品です。味噌で味付けされた鮭が入った、和風テイストのパンを想像してしまうネーミングですが、鮭が入っているわけではありません。鮭の形をした大きなパンで、長さは35センチほどあります。袋には「鮭の照り焼き」と書いてあります。お味は、昔ながらの素朴な懐かしい味噌味のパンです。なかなかのインパクトなので、おみやげに買って行くと、旅のお話も盛り上がることでしょう。
匠の村の芸術ガイドと作る特別な体験
木工体験
音威子府は、芸術の村。道内唯一の工芸科がこの村にあります。全国各地から未来の芸術家たちが集まる有名な学校です。そんなわけで、道の駅でも「木遊館」で木工体験ができます。豊かな自然の中で木のぬくもりに触れながら芸術を体験できるのも、音威子府ならではのおもてなし。木工初心者にオススメなのは、「鍋敷き」作り。2時間ほどで完成することができます(500円)。「フォトフレーム」作りもいい思い出になりそう。こちらも2時間ほどで作れます(1,200円)。ちょっと難しいけど挑戦してみたいのは、「木のうつわ」作り。トンカチとノミを使って、うつわを削り出していきます。ガイドさんが詳しく指導してくれますので、手作りが得意でない方も、その才能を開花させるきっかけになるかも。その他にも時計、椅子、テーブルなど、時間があれば何でも体験させてもらえます。
まとめ
厳しい気候を耐え抜いて栄えてきた音威子府の文化は、独特の味わいを醸し出しています。ドライブの旅ではいつも本当に楽しい出会いがあるものですね。北海道のこの小さな村でも、ここならではの特別なおもてなしを体験できます。北海道にドライブ旅行の計画があれば、道北の道の駅「おといねっぷ」を、旅先リストに加えてみてはいかがでしょうか。
https://goin.jp/13207