熊本日日新聞 2014年08月31日
【カナダ・グラッシーナロウズ熊日=鎌倉尊信】水銀被害の調査研究のため、カナダ中部の先住民居留地に滞在中の熊本学園大水俣学研究センターと水俣病被害者互助会は29日(日本時間30日)、現地の住民グループと意見交換し、情報共有を目的とした国際的なネットワークづくりで合意した。2年に1回、相互訪問して、双方の現状や最新の研究成果などを報告する。
調査は1975年から続けており、今回は住民の健康状態の変化や補償をめぐる課題を探るのが目的。意見交換は被害者同士の対話を進めようと、同センターが企画した。
センター長の花田昌宣教授は、世界各地で発生している水銀被害の現実を踏まえ、被害者間の情報共有の重要性を指摘。「まずは日本とカナダでネットワークづくりをしてはどうか」と提案した。グラッシーナロウズの住民運動リーダーで、カナダの「水銀障害ボード」から認定を受けたジュディ・ダシルバさん(52)が賛同。具体化に向けて、資金や人材の確保に入るよう申し合わせた。
ダシルバさんは「早速、資金集めを始めたい。水銀中毒を研究する若手の育成も目標にしたい」と述べ、グラッシーナロウズと同じ水系にある被害地域のホワイトドッグとの連携も探る考えを示した。互助会の佐藤英樹会長(59)も「国際的な協力態勢ができれば心強い。水銀被害の根絶にもつながるのではないか」と歓迎した。
意見交換には双方から計約10人が参加。佐藤会長は、両親と祖母が公害健康被害補償法の認定患者でありながら、自らは認定申請を棄却されているとして「水俣病被害を認めさせるため裁判で闘っている」と語った。カナダ側は川や湖の水銀被害で、漁業による生計の道が奪われ、魚食の伝統文化も失われつつあると説明した。
http://kumanichi.com/news/local/main/20140831001.xhtml
【カナダ・グラッシーナロウズ熊日=鎌倉尊信】水銀被害の調査研究のため、カナダ中部の先住民居留地に滞在中の熊本学園大水俣学研究センターと水俣病被害者互助会は29日(日本時間30日)、現地の住民グループと意見交換し、情報共有を目的とした国際的なネットワークづくりで合意した。2年に1回、相互訪問して、双方の現状や最新の研究成果などを報告する。
調査は1975年から続けており、今回は住民の健康状態の変化や補償をめぐる課題を探るのが目的。意見交換は被害者同士の対話を進めようと、同センターが企画した。
センター長の花田昌宣教授は、世界各地で発生している水銀被害の現実を踏まえ、被害者間の情報共有の重要性を指摘。「まずは日本とカナダでネットワークづくりをしてはどうか」と提案した。グラッシーナロウズの住民運動リーダーで、カナダの「水銀障害ボード」から認定を受けたジュディ・ダシルバさん(52)が賛同。具体化に向けて、資金や人材の確保に入るよう申し合わせた。
ダシルバさんは「早速、資金集めを始めたい。水銀中毒を研究する若手の育成も目標にしたい」と述べ、グラッシーナロウズと同じ水系にある被害地域のホワイトドッグとの連携も探る考えを示した。互助会の佐藤英樹会長(59)も「国際的な協力態勢ができれば心強い。水銀被害の根絶にもつながるのではないか」と歓迎した。
意見交換には双方から計約10人が参加。佐藤会長は、両親と祖母が公害健康被害補償法の認定患者でありながら、自らは認定申請を棄却されているとして「水俣病被害を認めさせるため裁判で闘っている」と語った。カナダ側は川や湖の水銀被害で、漁業による生計の道が奪われ、魚食の伝統文化も失われつつあると説明した。
http://kumanichi.com/news/local/main/20140831001.xhtml