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アイヌ新法の何が画期的なのか?~「アイヌ否定」歴史修正主義の終えん。平成の最後にアイヌ復権への第一歩

2019-04-30 | アイヌ民族関連
ヤフーニュース 4/29(月) 23:58 古谷経衡 | 文筆家/著述家

さっぽろ雪まつりでアイヌ装束を着るアイヌの人々(写真:つのだよしお/アフロ)
1】法律に初めてアイヌの先住性を明記
 4月19日、「アイヌ新法」が参議院で可決、成立した。この新法のもっとも画期的な部分は、我が国の法律史上、はじめてアイヌを「先住民族」と規定したことにある。ではこれまでの国のアイヌ民族の先住性に対する考え方はどのようなものであったのか。
 1997年(平成9年)、「北海道旧土人保護法」が廃止され、代わりに同年施行された「アイヌ文化の振興並びにアイヌ民族の伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」(旧アイヌ法)では、アイヌを初めて「民族」と認めたことが画期的であったが、アイヌの先住性までは言及されなかった。
 これに先立つこと1995年、村山富市内閣は内閣官房長官の私的諮問機関として「ウタリ(アイヌ語で”同胞”の意)対策のあり方に関する有識者懇談会」を設置し、1996年には同懇親会から「中世末期以降の歴史の中で見ると、アイヌの人びとは当時の”和人”との関係において北海道に先住していたことは否定できない」等の報告書が提出された。
 また旧アイヌ法の制定を受け、衆議院と参議院内閣委員会では、「アイヌの人びとの『先住性』は、歴史的事実であり、この事実も含め、アイヌの伝統等に関する知識の普及並びに啓発の推進につとめること」とする付帯決議が盛り込まれている。また2008年には衆参両院本会議は、アイヌ民族を先住民族と認定することを求める決議を全会一致で採択した。
 しかしながら、このような国のアイヌ文化振興への取り組みのなかでも、アイヌ民族の先住性が法律に書き込まれたことは一度もなかった。
 日本は単一民族国家ではなく、アイヌがかつて現在の東北からサハリン、千島などにかけて広範に先住していたことは自明であったが、法律に「先住民族」を明記したことは、上記のような経緯からアイヌにとっても悲願であり、また先住民族の権利擁護や文化復権を求める国際的な潮流にようやく日本が追いついたことの証左であり、重ねて画期的といえる。
2】歴史修正主義者たちから沸き上がったアイヌ否定論
 しかし、このようなアイヌに対する「先住性」「民族性」を真っ向から否定する歴史修正主義の動きが、2008年ごろから沸き起こる。これがいわゆる「アイヌ否定論」であり、この論の骨子は、1)「アイヌ民族は存在しない」、2)「アイヌ民族は先住民族ではない」という何ら歴史学的根拠に基づかないトンデモな主張であった。
 この「アイヌ否定論」の最前衛に立ったのは、漫画家の小林よしのり氏である。小林氏は漫画という媒体を用いて、「アイヌ否定論」をぶちあげた。小林氏は取材の中でアイヌ文化研究家の河野本道氏なる人物と知己となり、河野氏の「アイヌ否定」説に全面的に依拠して、「アイヌなどいない」「アイヌは先住民族ではない」という、歴史学会では歯牙にもかけられていない「珍説」を紙面上で訴え続けた。
 この小林氏の珍説に明らかに影響されたとみられるのが、北海道札幌市議会議員(当時)であった金子快之(やすゆき)氏である。金子氏は2014年8月11日、自身のツイッター上で「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいがアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不条理。納税者に説明できません」とつぶやき、一斉に非難を浴びた。
 金子氏は2014年9月、このツイッター上での差別発言を理由に、所属していた自民党札幌支部連合会を除名され、市議会が辞職勧告決議を出したが辞職しないまま、2015年4月12日投開票の札幌市議会議員選挙(15年統一地方選挙)で落選した。
 ところが金子氏は、つい先般行われた2019年4月24日投開票の渋谷区議会議員選挙(19年統一地方選挙)で政治団体「NHKから国民を守る党」から出馬し、当選して議員に返り咲いている。
3】アイヌ否定から沖縄ヘイトへ
 もう一例は北海道議会議員(当時)であった小野寺秀(まさる)氏である。小野寺氏は、アイヌの先住性に疑問を投げかける見解を2014年に道議会で提起した。当時の紙面から抜粋する。
北海道議会の最大会派「自民党・道民会議」の小野寺秀(まさる)議員(51)=帯広市選出=が11日の道議会決算特別委員会で、「アイヌが先住民族かどうかには非常に疑念がある。グレーのまま政策が進んでいることに危機感を持っている」と発言した。(中略)毎日新聞の取材に小野寺氏は「アイヌ民族の存在は否定しないが、北海道と本州の間は昔から多くの人が往来している。北海道がアイヌだけの島だったことは誰も証明できない」と主張。決算委では「我々の祖先は無謀なことをアイヌの人たちにやってきてはいない。そういう自虐的な歴史を北海道で植え付けるのはいかがなものか」とも述べた。
出典:毎日新聞(2014.11.12)、強調筆者
 小野寺氏は、自民党の議員でありながら、すでに述べた通り、2008年に衆参両院本会議で、アイヌ民族を先住民族と認定することを求める決議を全会一致で採択したことを無視する意見を公に表明したことで大きな問題とされた。この小野寺氏は2015年の北海道議会選挙において改選を迎えたが出馬せず、政界を引退した。現在では主に右派系ネット番組等に精力的に出演を続けている。
 この両氏は、前後の文脈から総合的に考察しても、明らかに歴史学の「いろは」にすら接触しておらず、体系的な日本史知識というものが全く欠落していると推量される。両氏の主張は既出の小林よしのり氏による「アイヌ否定」というトンデモ論のコピーであることは自明で、この他にも北海道在住の自称アイヌ研究家などが小林氏の影響を受けて盛んな「アイヌ否定論」「アイヌ利権の危険性」等を繰り返した。
 しかし、にわかに2014年~15年にかけて最盛を迎えるかにみえた「アイヌ否定論」は、その後、ネット右翼や中央の保守論壇の間では爆発的には浸透せず、代わりに彼らのデマ・トンデモ・憎悪の矛先は南方に転じて、沖縄における反基地活動家・普天間基地辺野古移設反対派への呪詛、翁長雄志前沖縄県知事らへの周到で執拗なデマ攻撃へと転換していった。
 ではなぜ「アイヌ否定論」は、ネット右翼や中央の保守論壇に於いて決定的な盛り上がりに欠けたのだろうか。
4】歴史修正主義「アイヌ否定論」の終わり
 その理由は、簡単に述べると以下のようになる。
1)アイヌの存在と先住性があまりにも明白で揺るぎようのない事実であること
2)ネット右翼や中央の保守論壇の中で、北海道(北方問題)への興味・関心が薄いこと
3)小林よしのり氏らが最前衛となった「アイヌ否定論」が、歴史学的な検証に耐えられるものではないトンデモ論であったために、南京大虐殺否定や従軍慰安婦への日本軍関与の否定など、同様の歴史的問題(…こぞって保守系言論人がそれを追検証するような事態)と違って「アイヌ否定論」に追従する中央の保守系言論人や研究者がいなかったこと
4)「アイヌ否定論」と対にして語られた「アイヌ利権」なるものが、まったく確認されていないこと
5)そもそも日本政府が「アイヌ民族」の存在を認めていること
 などである。そして最大の理由は、
6)「アイヌ否定論」の最前衛となった小林よしのり氏が、従前から「反米保守」「アンチ・ネット右翼」の立場を採っていたことで、ネット右翼や中央の保守論壇に対する影響力をこの段階(2014年~15年時点)で著しく喪失していたこと。またそれと同様に、小林よしのり氏の漫画の商業的停滞が続いていたため、全般的な影響力が限局したものにとどまったこと
 である。
 こうして一時期盛り上がった「アイヌ否定論」はすぐに鳴りを潜めたが、漠然とした「アイヌ否定」「アイヌ利権」という、ネガティブなイメージがネット空間に広がったことは確かだった。しかし今回の「アイヌ新法」の成立によって、国が初めてアイヌを「先住民族」と認めたことで、こういった歴史修正主義者たちのトンデモ論は最終的かつ不可逆に葬り去られたことになった。
 だが、小林よしのり氏が盛んに唱えた「アイヌ否定論」が、北海道の地方議員やその支持者たちに広がり、「なんとなくアイヌってその存在自体が怪しいし、弱者利権のにおいがする」というイメージを植え付け続けたという時点で、小林氏の責任は重いものと言わざるを得ない。「アイヌ新法」の成立によって、ネット空間に漠然と伝播されたアイヌに対するネガティブイメージが、徐々にであっても希薄化していくことを願うものである。
5】アイヌ民族史概説~中世から幕末まで~
 さて本稿後半では、駆け足ではあるが「アイヌ民族はいない」「アイヌは先住民族ではない」という「アイヌ否定論」がいかにトンデモであるかを歴史的に振り返りたい。
 アイヌ民族が日本(和人)の記録に初めて登場したのは14世紀の室町時代である。『アイヌ民族の軌跡』(浪川健治、山川出版社)によると、
 アイヌ民族を記した本州の最初の資料は室町初期の1356(延文元)年に、諏訪(小坂)円忠を発願者として成立した「諏訪大明神絵詞(すわだいみょうじんえことば)」である。(中略)東北の大海の中央に「蝦夷カ千島」があり「日ノ本(ひのもと)」「唐子(からこ)」「渡党(わたりとう)」の三類の蝦夷が群居する。「日ノ本」と「唐子」は外国に連なり、風貌は夜叉(やしゃ)のようであり、禽獣(きんじゅう)・魚肉を食として農耕を行わない。そして、言葉はまったく通じない。
 一方「渡党」は和国の人に似て、言葉も大半は通じるが、髭面多毛な人という。また霧を起こす術を心得ていたり、山野を獣のように走ることができ、毒矢を用いて武器にしたり、木を削って幣帛(へいはく=神に奉献する供物)のようなものをつくる。「宇曽利鶴子洲」(現在の函館、または下北半島)、「万当宇満伊犬」(現在の松前)という小島があり、「渡党」は多く「津軽外が浜」に往来し交易していると記されている。
出典:『アイヌ民族の軌跡』P26-27、浪川健治、山川出版社、強調筆者
 という。この事から、室町時代の日本人には、蝦夷=アイヌが少なくとも三分類あり、また地理的な事実誤認はあるものの下北半島より北(要するに北海道やサハリン、千島)に居住する「異国人」として認識されていたことがわかる。
 応仁の乱に端を発した戦国期になると、北海道南部にも和人が進出し、紆余曲折の末、松前氏(蠣崎氏から改名)が現在の函館を中心とした渡島半島南部に和人のコロニーを建設する。戦国期が終わり、徳川幕藩体制が確立されると、松前藩が成立して18世紀に大名(石高のない1万石扱い。参勤交代は遠隔地特例で6年に1回)となり、アイヌとの交易で富を蓄えた。
 しかし、松前藩とアイヌとの間には交易をめぐるトラブルが多発した。その多くの原因が松前(和人)側の強権的な交易比率の改悪等であった。これが原因で17世紀中葉には最大の反和人蜂起といわれる「シャクシャインの戦い」(寛文蝦夷蜂起)、18世紀後半には「クナシリ・メナシの戦い」が現在の道東・国後島を中心として起こった。
 基本的に江戸幕府は、海禁政策(鎖国)を維持しつつも、外国との接触点、つまり国境をあいまいな形にしておき、交易や通信を直接行うのではなく、特定の大名に一任し、日本周辺の異民族を服属させているという図式をとることによって、間接的に幕府の「御武威・御威光」を内外に誇示した。幕府は特定の大名に交易を独占させる特権を与える一方、そこから得られた外国情報を江戸に集約させ対外情勢の分析にあたった。
 この体制を「日本型華夷秩序(にほんがたかいちつじょ)」と呼ぶ。この「日本型華夷秩序」の中で、事実上ロシアと国境を接する蝦夷=アイヌとの交易・通信を任されたのが松前藩であった。
 しかし19世紀初頭になると外国船の来航が頻繁となり、幕藩体制は動揺する。特にロシア船が根室に来航し通商を要求。これを幕府側が拒否した報復として樺太や国後島等がロシア軍船の砲撃を受ける文化露寇(1806年、1807年)が起こると、応戦した松前藩、津軽藩、南部藩らの諸兵がロシア軍の圧倒的な火力の前に敗北を喫した。
 このような情勢の中、幕府は1799年、蝦夷地を直轄地として蝦夷地奉行を置き(のち箱館奉行と改名)、ロシアの南下に対抗するべく軍備拡充とアイヌの同化政策を強化する。具体的にはアイヌに対し農業耕作を推奨し、日本語使用を推奨、日本服着用の許可、儒教徳目による教化、日本風の名前への改名などであった。
 結局、江戸幕府の蝦夷地直轄は、一時期の松前藩への返還(1821年~1854年)を挟んで幕末まで続いた。しかしこういったアイヌへの同化政策は、幕府が滅び明治へと世が変わる時代と比べれば、まだしも穏やかな部類であった。
5】アイヌ民族史概説~アイヌへの完全な日本同化政策~
筆者作成
 明治政府は、1869年(明治2年)、開拓使を設置し「蝦夷」の呼称を「北海道」に改名した。北海道の誕生である。また四民平等の原則に基づき、1871年(明治4年)、アイヌは「平民」に編入することが布告された。
 しかし日本人平民と区別するために1878年(明治11年)、アイヌは「旧土人」と呼称することが正式に決定され、公の呼称ではアイヌは「旧土人」と位置付けられ、なんとこの露骨な差別的呼称が、本稿冒頭における1997年(平成9年)の「北海道旧土人保護法」の廃止まで使用され続けたのである。
 明治政府によるアイヌへの日本同化政策は、それ以前の幕府時代と比べて極めて苛烈で、そして近代的国民国家の形成に即した急激なものであった。明治政府が実行したアイヌへの苛烈な同化政策は以下の通り。
(明治)維新政府は、アイヌの人びとを「開明の民」とするためにアイヌ民族古来の風俗や風習を一方的に禁止する。(中略)女子の入墨、男子の耳輪を禁止し、違反者は「厳重ノ処分」を行うとした。(中略)さらに、経済的基盤としての生業についても、1871(明治4)年には根室地方の鮭の種川とされていた西別川での流し網を禁止し、1874(明治7)年には豊平川とその支流での引き網・ウライ猟(アイヌの伝統的な漁業方法)を制限した。
 1876年以降になると、西別川では一漁場、猟一統に制限し、乱獲防止を名目に禁漁に等しい厳しい制限を強いた。また同年、アイヌの伝統的狩猟法の一つである仕掛弓や毒矢の使用を「獣類生息ノ妨害」を理由として禁止し、「新業(主に農業)ニ移シ、又ハ猟銃ヲ貸与」することをはかっただけでなく、「免許鑑札」を受けた者以外の鹿猟を禁止するにいたる。近代国家によって、アイヌ文化とその継承はすべての面において否定され、「臣民」化が生活の窮迫とあいまって進行した。
出典:『アイヌ民族の軌跡』P.87~88、浪川健治、山川出版社、カッコ内一部筆者、一部言いかえをした箇所あり、強調筆者
 このように明治政府が推進したアイヌへの日本同化政策は、蝦夷を北海道と改名し、開拓使を設置しただけではなかった。アイヌ民族の精神的アイデンティティを奪いつくし、経済的にも圧迫(慣れない農業への強制転換など)し、アイヌを完全に日本帝国の内側に取り込もうとした究極の同化政策を行ったのである。
 前述した小野寺道議の「我々の祖先は無謀なことをアイヌの人たちにやってきてはいない」という発言は、このような歴史的経緯に照らし合わせてみても、まったくのデタラメであり歴史修正主義であることが分かる。
 そしてこの同化政策は、あろうことか平成の時代まで「北海道旧土人保護法」という名の下で事実上、続いていたのである。
 平成が終わり令和の時代が到来するいま、「アイヌは我が国における先住民族である」と法律で明記されたことは、明治以来進められた近代国家の負の遺産の清算、およびアイヌ民族の誇りを取り戻す積極的動きが、ようやく平成の最後にその第一歩を記したという意味においても画期的なものなのだ。(了)
*参考図書:『アイヌ民族の軌跡』(浪川健治、山川出版社)、『アイヌ民族否定論に抗する』(岡和田晃、マーク・ウィンチェスター 編、河出書房新社)
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20190429-00124238/

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遺骨返還で対立、会員2人が退会 新ひだかアイヌ協会

2019-04-29 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/29 05:00
 【新ひだか】新ひだかアイヌ協会の定期総会が28日、日高管内新ひだか町で開かれ、アイヌ民族の遺骨返還に取り組む団体「コタンの会」の副代表を務める会員の葛野(くずの)次雄さん(65)が退会した。除名処分案が提出されたことから、自ら退会を表明、最終的に処分案は取り下げられた。
 コタンの会は北大と同町を相手取り、同町などから発掘されて北大が研究目的で保管しているアイヌ民族の遺骨返還を求めて提訴したが、その後取り下げている。これに対し、協会は胆振管内白老町に来年開設される民族共生象徴空間(ウポポイ)の慰霊施設に遺骨を集約する決議をしている。
 葛野さんの除名処分案提出は16日の役員会で決まった。理由は訴訟などを念頭に「協会の目的に反する行為があった」としている。
 葛野さんは28日の定期総会後、今後について「別の会をつくるなどして活動したい」と述べた。葛野氏に同調した別の会員(67)1人も退会した。(升田一憲)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/301035

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アイヌ新法成立、交付金の活用に工夫を(風紋) コラム(社会)

2019-04-29 | アイヌ民族関連
日本経済新聞2019/4/29 1:30
気になるデータがある。
北海道が数年ごとに実施する「アイヌ生活実態調査」で、各市町村が把握するアイヌ民族の数が10年余りで4割以上減った。
2006年まで2万4000人前後で推移していたが、17年は約1万3000人に。個人情報保護の意識が高まり、収入や差別された経験の有無を尋ねる調査に協力する人が、若い世代を中心に減ったことが原因の一つ、との分析もある。
だが、本当の理由は分からない。アイヌ民族…
この記事は会員限定です。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44276730W9A420C1SHB000/

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アイヌ文化支えた民具 旭川市博物館 27日から企画展

2019-04-29 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/27 05:00

アイヌ民族の衣食住を支えた道具などを紹介する企画展(宮永春希撮影)
 アイヌ民族の衣食住をテーマにした企画展「アイヌ文化~暮らしの道具」が27日から、旭川市博物館(神楽3の7)で開かれる。アイヌの人々の生活を支えた伝統的な食材や衣装など、普段は収蔵庫に収められている計67点を紹介する。
 同館の主催。でんぷんを取り出して貴重な保存食にしたオオウバユリ(トゥレプ)の鱗茎(りんけい)や、鍋料理の具材にしていたギョウジャニンニク(キト)のレプリカのほか、オヒョウの樹皮で作った着物や、サケ漁に使う木製の弓などの狩猟道具も展示している。
 飯岡郁穂学芸員(31)は「アイヌ民族の少女らが活躍する漫画『ゴールデンカムイ』を好きな人にも、道具を見て関心を持ってほしい」と話している。
 会場では、胆振管内白老町に来年4月に開館する「国立アイヌ民族博物館」のPR展(文化庁国立アイヌ民族博物館設立準備室主催)も同時開催。5月19日午後1時半からは、同準備室の中井貴規研究員が、アイヌ民族の衣食住について講演する。定員30名。事前の電話申し込みが必要。
 企画展は5月19日まで(同13日は休館)。午前9時~午後5時。問い合わせは旭川市博物館(電)0166・69・2004へ。(佐藤愛未)
◆トゥレプのプは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/300525

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<北海道>大学に眠るアイヌ民族の遺骨 国が返還手続きを開始

2019-04-28 | アイヌ民族関連
HTB4/27(土) 17:59配信
 全国12の大学に残されたままとなっているアイヌ民族の遺骨のうち、掘り出された地域が明らかなものについて、国は26日から返還手続きを始めました。
 アイヌ民族の遺骨はかつて研究目的で墓地などから集められ、いまも全国12の大学におよそ1600体が残されたままとなっています。このうち、誰の遺骨かわからなくても、持ち出された地域がわかっている遺骨について、文部科学省がホームページで公開し、返還の受付けを始めました。慰霊が確実にできるかなど国が審査したうえで、アイヌ民族が所属する団体などに返還されます。受付けは10月25日までで、申請のない遺骨については、それぞれの大学から白老町に建設中の慰霊施設に集められることになっています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000004-htbv-hok

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アイヌ民族の遺骨 身元不明でも掘り出した地域に返還へ

2019-04-28 | アイヌ民族関連
NHK 2019年4月27日 6時16分

国は大学などに保管されたままになっている、アイヌ民族の遺骨のうち、身元が分かったものに加え、身元が判明していなくても掘り出された地域がわかる遺骨についても返還する手続きを開始しました。
アイヌ民族の遺骨は、明治から昭和にかけて、研究のためなどとして北海道内各地の墓地から掘り出され、今も多くが全国の大学などで保管されています。
これについて、アイヌ民族などからは、長年返還を求める要望が出されていました。
このため国はすでに返還を進めてきた身元がわかった遺骨に加え、身元が判明していなくても、掘り出された地域が分かるものについては、地元のアイヌの人々のグループなどに返還するガイドラインを去年12月に作りました。
このガイドラインに従い、文部科学省は札幌市内に設置した窓口で返還の申請を受け付ける手続きを26日から開始しています。
申請があった場合、国は遺骨についての情報を確認したうえで、申請者や保管方法などに問題がないかチェックし、返還の可否を判断するということです。
文部科学省が、去年、大学を対象に行った調査では、少なくとも1574人の遺骨が保管されたままになっているということで、その多くが掘り出された地域が分かっていて、返還の対象になるということです。
申請の受付期間はことし10月25日までで、文部科学省は、遺骨が掘り出された場所や時期、性別や年齢などの情報を載せたリストをホームページで公開しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190427/k10011898741000.html

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元欅坂46今泉佑唯「本当に私の素顔が見られる」初冠番組の見どころ紹介

2019-04-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/27 18:20

『今泉佑唯の出逢い旅~20歳の再出発 アイドルから女優へ~』について語った今泉佑唯(C)今泉佑唯の出逢い旅 製作委員会
 昨年11月にアイドルグループ・欅坂46を卒業し、女優活動を始めた今泉佑唯(20)が27日、札幌・北海きたえーるで開催された『SAPPORO COLLECTION2019』にモデルとして登場。その後、DVD/Blu-ray『今泉佑唯の出逢い旅~20歳の再出発 アイドルから女優へ~』発売に向けて意気込みを語った。
 今泉にとって初の地上波冠番組で、5月26日深夜にUHB北海道文化放送で放送後、パッケージ化され6月5日に全国で発売。番組について「今まではあんまり自分の思ってることとか誰かに話したりとはしなかったんですけど、今回の番組では自分の思っていることだったりとか、今までのことだったり、全部語らせていただいたので本当に私の素顔やいろんな私が見られると思います」と見どころを紹介。
 番組では同世代の女性から話を聞く機会があり「すごくみなさん自分の意志を持っていてすごい力強いというか、私はこう思ったらこういくっていう自分の道がすごくはっきりしていたので、そこにすごく刺激を受けました」と振り返った。
 印象に残った食事として「アイヌの方を取材させて頂いたときにはじめて鹿のお肉をたべたんですけど、アイヌの方がさばいてくださり、そのお肉がすごい美味しくて忘れられない味です。今まで食べたことない、すごい柔らかくてすごい美味しかったです」と挙げた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/300747

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『ゴールデンカムイ』5月5・6日に第一期・第二期一挙放送決定! 小林親弘さん・白石晴香さんら声優陣が出演したニコ生特番の再放送も実施

2019-04-28 | アイヌ民族関連
アニメイトタイムス 2019-04-27 20:45
来る5月5日(日)・5月6日(月・祝)、ニコニコ生放送にて、TVアニメ『ゴールデンカムイ』第一期・第二期の一挙放送が決定しました!
さらに一挙放送と合わせて、小林親弘さん・白石晴香さんらメインキャストが出演した生特番の再放送も実施となります。この機会に是非ご覧ください♪

第一期・第二期一挙放送&キャスト出演生特番(再放送)情報
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』Blu-ray&DVD第一巻発売記念 生特番&第一話生コメンタリー付き上映会 再放送
出演:小林親弘、白石晴香、津田健次郎
配信日時:5月5日(日)17:00~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv319694080
■第一話~第十二話(第一期)一挙放送
配信日時:5月5日(日)19:00~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv319564141
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』第二期Blu-ray&DVD発売記念SP特番 再放送
出演:小林親弘、白石晴香、津田健次郎、竹本英史
配信日時:5月6日(月・祝)17:00~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv319694238
■第十三話~第二十四話(第二期)一挙放送
配信日時:5月6日(月・祝)19:00~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv319564191
作品情報
TVアニメ『ゴールデンカムイ』
原作コミックスシリーズ累計970万部突破! マンガ大賞2016/第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞! 冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・GAG&LOVE 和風闇鍋ウエスタン! 話題の極上エンターテイメントコミック、ついに! まさかの! TVアニメ化! Blu-ray&DVD 第一~六巻発売中ッ!!
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』第二期放送・配信情報
南海放送:毎週木曜26:04~
FOD(見放題独占):全話配信中
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』第一期(第一話~第十二話)放送・配信情報
FOD(見放題独占):全話配信中 ※第一話は常時無料配信中
イントロダクション
北の大地・北海道に渦巻く野心!!
アイヌから奪われた金塊を巡る生存競争サバイバル、新章突入ッッ!!!
アイヌの埋蔵金を求めて旅を続ける、「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一とアイヌの少女・アシ(リ)パ。だが、埋蔵金の在り処を示した刺青を持つ24人の脱獄囚を追う中で、新たな事実が浮かび上がる。埋蔵金を奪い、アシ(リ)パの父を殺した人物とされる「のっぺら坊」こそが、アシ(リ)パの父だというのだ。事の真偽を確かめるには、網走監獄に収監中の彼に会うしかない。「脱獄王」の白石由竹やキロランケを仲間に加えた二人の旅は、小樽から札幌、夕張へとその歩みを進めていく。一方、彼らと埋蔵金の争奪戦を繰り広げる第七師団の鶴見中尉や新撰組「鬼の副長」土方歳三の勢力も、それぞれの野望を胸に次なる行動に打って出る……。
明治時代後期、北の大地に勃発した一攫千金サバイバルは、さらに苛烈さを増していく!
原作は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の、野田サトルによる大ヒット漫画。既刊のコミックス1~16巻でシリーズ累計900万部を突破し、マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」に輝いた実績も持つ、いまもっともアツい漫画である。TVアニメ化にあたっては、新進気鋭のアニメーションスタジオであるジェノスタジオのもとに難波日登志監督をはじめとする実力派スタッフが集結。埋蔵金を巡るアクション&サスペンスを軸に、狩猟、グルメ、歴史などの五感を刺激する多彩な魅力が炸裂する極上のエンターテイメントが、アニメーションとなって観る者の心を鷲掴みにする!
スタッフ
原作:野田サトル(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:難波日登志(「Fate/Grand Order -First Order-」)
助監督:川越崇弘
シリーズ構成:高木登(「黒子のバスケ」)
キャラクターデザイン:大貫健一(「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」キャラクター作画監督)
メインアニメーター:羽山淳一
銃火器設定:渡辺浩二
プロップ設定:浅沼信也
動物設定:墨佳遼
美術監督:森川篤
色彩設計:茂木孝浩
撮影監督:戸澤雄一朗
CGディレクター:奥村優子/濱田康平
編集:定松剛
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
アイヌ語監修:中川裕
音楽:末廣健一郎
第一期オープニングテーマ:MAN WITH A MISSION「Winding Road
第一期エンディングテーマ:THE SIXTH LIE「Hibana
第二期オープニングテーマ:さユり×MY FIRST STORY「レイメイ」
第二期エンディングテーマ:eastern youth「時計台の鐘」
アニメーション制作:ジェノスタジオ
製作:ゴールデンカムイ製作委員会
キャスト
杉元佐一:小林親弘
アシ(リ)パ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
鶴見中尉:大塚芳忠
土方歳三:中田譲治
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
牛山辰馬:乃村健次
永倉新八:菅生隆之
家永カノ:大原さやか
キロランケ:てらそままさき
インカ(ラ)マッ:能登麻美子
二階堂浩平:杉田智和
月島軍曹:竹本英史
鯉登少尉:小西克幸
アニメ公式サイト
アニメ公式ツイッター(@kamuy_anime)
(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1556361716

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中日春秋

2019-04-28 | アイヌ民族関連
中日新聞 2019年4月27日
 <銀の滴(しずく)降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに…>。美しい神の歌で知られる『アイヌ神謡集』を残した知里幸恵(ちりゆきえ)は十九歳の時、言語学者金田一京助の自邸で亡くなっている。抜きんでた言語能力や作文の才能を見いだし、東京に迎えた金田一は幸恵の死後、日記を見つけた
▼<私はアイヌだ…アイヌなるがゆえに世に見下げられる。それでもよい…おお愛する同胞よ>。アイヌ民族と知れると、低く見られてしまうおそれがあった時代である。記されていたのは、偏見を前にして、幸恵の胸中にあった苦しみと悲痛な異議だろう
▼明治政府の同化政策により、多くのアイヌが貧困に陥り、蔑視にさらされてきた。土地を奪われ、日本語使用を強いられた。北海道旧土人保護法は、一九九七年まで続いた。残念ながら、今なお偏見や経済的な格差に苦しむアイヌがいる
▼アイヌ民族支援法が先日、成立した。独自の文化の維持、振興に向けた交付金制度の創設が盛り込まれた。法律として、初めて「先住民族」であると明記されている
▼幸恵の嘆きからは、百年近い時が過ぎる。大きな一歩である半面、遅い一歩でもあるだろう。これからは、実効性にくわえて、何をすべきかの議論も必要になる
▼金田一は、「とこしえの宝玉」であると幸恵の業績をたたえている。アイヌなるがゆえに、偉業が曇ることのない世の中を願う。
https://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2019042702000125.html

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幻想的 北極圏のイヌイット、極夜のなかの彩りある暮らし

2019-04-28 | 先住民族関連
ニッケイスタイル 4/27(土) 10:24配信
 カナダ、バフィン島北部に位置するアークティック・ベイは、毎年11月の初めになると、地平線に太陽が沈み、空は紫と青に染まる。それから3カ月間、太陽は姿を消し薄闇に包まれる。極夜だ。写真家のアカシア・ジョンソン氏は、極寒の暗い冬をイヌイットと4カ月間過ごし、彼らと自然との変わりゆく関係を撮影した。
 ツンドラと海に囲まれたヌナブト(イヌイットの言葉で『私たちの土地』という意味)は、カナダ最大かつ最北の準州である。国内のイヌイットは、多くがこの辺境の海沿いに固まって暮らしている。
「元々は風景を撮影するプロジェクトをやるつもりだったのですが、現地へ行ってみると、想像していたのとは全く違っていました。それよりも、ここで起こっている文化の移り変わりに焦点を当てるほうが重要であると感じたのです」と、ジョンソン氏は語る。
 かつての同化政策やグローバリゼーションがきっかけとなり、イヌイットは過去50年間で政治的、経済的、文化的に急速な変化を遂げてきた。これは、世界各地の先住民族が繰り返しさらされてきた現実だ。
 イヌイットの中には、独立した半遊牧生活から、政府指定の居留区へ強制的に定住させられた記憶を持つ者たちもいる。そこで彼らはアイデンティティーをはく奪された。今では、そうした扱いは人権や自治権、尊厳の侵害だったとカナダ政府が認めている。
 現代のイヌイットは、祖先から受け継がれてきた生活様式と、他者から押し付けられたものとが複雑に絡まり合ったなかで、進むべき道を探っている。そこから新たに生まれようとしている暮らしぶりを、ジョンソン氏は独自の視覚的アプローチで、社会問題としてではなくむしろ前向きな目でとらえたいと考えた。
「人々が北極圏に対して抱いている既成概念を払拭したいと思っています。多くの人は、北極圏と言えば白くて、平坦で、何もない場所を想像するでしょう」とジョンソン氏は語る。今回の撮影プロジェクト「Under the Same Stars」では、それとは反対に冬の真っただ中にあって生命が脈動し、色彩のある風景を写し出す。スマートフォンの人工的な明かりに照らされた10代の少女たち、ピンクに染まった空の下で獲物を探す狩人、星空の下ぼんやりと赤く色づいた雪などだ。
「長い間太陽が昇らないと、人の目は明かりに敏感になります」。昔から、暗闇は生命を寄せ付けないと考えられてきたが、実はそれを増幅させる効果がある。「月や星が、これまで思っていたよりもずっと大きく感じられました。圧倒されるような明るさなのです」
 ジョンソン氏にとって最も印象的だった体験は、伝統的なアザラシ猟について行ったときのことだった。「狩りは、イヌイット文化の中核です。主な狩猟対象は海洋哺乳類で、特にこの地域ではワモンアザラシが何より重要です」
 商業用のアザラシ猟はカナダで広く批判を受けているが、イヌイットの生活に欠かすことのできない狩りはそれとは大きく異なる。先住民社会は、アザラシを狩り、その肉を食べ、皮で衣服を作るという生活を遠い昔から続けてきた。恒常的な食料不安や輸入品の超インフレに直面している現代も、伝統的なアザラシ猟は命を支え続けている。
「こうした背景を私たちが認識することが重要です。この風景、海の豊かさ、海氷との関わり、それらは今も息づいていて、原始的だとか時代遅れだなどと片づけられるべきではありません。むしろ前へ向かって進んでいるんです。そこに私は魅力を感じました」
 その先住民たちの暮らしは今、気候変動という脅威にさらされている。伝統的な狩りを行う人々が数十年にわたって目にしてきたことを、科学が裏付けている。北極の氷が、かつてないほどの速さで溶け出しているのだ。気温の上昇と異常気象によって、海岸浸食や永久凍土の融解も急速に進んでいる。これらの現象は、自然に頼る先住民の生活と健康に深刻な影響を与える恐れがある。
 ジョンソン氏は自分の写真について、究極的にはイヌイットの適応力や柔軟な強さへ賛辞を送るものだと話す。こうした力が人々の絆を強くし、予測不能でも共に生きる未来へとヌナブトを導いて行くだろうと信じている。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190427-00010006-nikkeisty-life

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葉真中顕『凍てつく太陽』が、日本推理作家協会賞(第72回)を受賞!!

2019-04-28 | アイヌ民族関連
幻冬舎4/26(金) 18:05配信
昨日4月25日に選考会があった第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)に、葉真中顕さん『凍てつく太陽』(幻冬舎)が選ばれました。先の大藪春彦賞(第21回)に続く、快挙です。
本作は、終戦間際、いまから70年ほど前の北海道・室蘭が舞台。アイヌ出身の特高刑事が連続毒殺犯を追うエンターテインメントですが、外国人労働者問題や民族問題など、現代とのつながりも意識せざるを得ない作品です。
「そういう問題提起を全面に押し出すわけではないが、読者が遠い昔の話ではないと読めるような形にしたいとは思っていた。そこを評価いただいたのは望外の喜び」と受賞スピーチで語る葉真中さん。
「この受賞を機会に、今後も自分に書けることは何か、いま語るに足るものを、テーマや文体、構造など磨きをかけて、なお価値のあるものを書いていきたい」。本当におめでとうございます。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190426-00012818-gentosha-life

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アイヌを観光資源化する前に先住権を保障すべきだ

2019-04-27 | アイヌ民族関連
アイヌの自治権が尊重されなければならない 
朝日新聞 2019年04月26日杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

民族共生象徴空間(ウポポイ、北海道白老町)の開設までの日にちを示すカウントダウンボード。オープンは2020年4月=2018年12月11日、北海道室蘭市のむろらん広域センタービル
「参政権」――各級議会での民族枠
 前稿で論じた先住権の一つとして、アイヌが「参政権」を要求している事実も重要である。
 1984年、北海道アイヌ協会(当時は北海道ウタリ協会)は、「アイヌ民族に関する法律(案)」――これは「北海道旧土人保護法」に対置された協会案であって、衆議院で可決された新法案とは全く異なるし、1997年のアイヌ文化振興法とも別である――を出したが、基本理念として掲げられた「基本的人権」の尊重を別にすれば、アイヌ協会が何より求めたのは「参政権」の保障である。
 ここで「参政権」とは、今日ふつうに言われる公民権としてのそれの意ではなく(それはもとよりアイヌにも拒まれていない)、各級議会に一定数の先住民族枠を設けさせる権利(公益社団法人北海道アイヌ協会『アイヌ民族の概説――北海道アイヌ協会活動を含め』改訂版、2017年、13頁)を意味する。これは、先住権の構成要素たる(4)「自治権」に含まれると理解される。
 なるほど「法律(案)」におけるこの要求は、かつて北海道知事の私的諮問機関である「ウタリ問題懇話会」によって、憲法上の平等権を楯に拒まれた経緯がある(本多勝一『貧困なる精神――悪口雑言罵詈讒謗集 B集』朝日新聞社、1989年、220-1頁)。だが、積極的差別・格差是正策(アファーマティブあるいはポジティブ・アクション)は先住民族・少数民族の問題を超えた差別解消策として、多様な場面で導入されてきた(辻村みよ子「ポジティブ・アクションをめぐる日本の課題と諸外国の取組」)。
 女性に対する差別解消策は、アメリカでは80年代から導入され、その後ヨーロッパで90年代に政治分野で広がり(いわゆるクォータ制)、日本でもようやく近年、「男女共同参画社会基本法」を下に実質的な積極的差別(格差)是正策の導入が各界で取り組まれてきた。また昨年(2018年)成立した「候補者男女均等法」も同是正策と見なしうる。
 そうした現実があるのに、同じことがなぜ先住民族・少数民族についてはなしえないのか。欧米のみならずその他多くの国々で、民族マイノリティに対して一定の範囲で特別な機会を提供することは、むしろ実質的な平等を実現する道と考えられている。
 ここには、経済的・社会的な差別・格差の是正も視野に含まれるべきだが(先住民族の権利宣言第21条)――この点でも今回、法案作成の過程で、積極的差別(格差)是正策に対する反対意見が出たようである(北海道新聞2019年2月16日付)――、それを可能にするためにも、各級議会における少数民族枠を重視すべきである。
 例えば中国の全国人民代表大会(国会)では、少数民族の議席枠がある。ウイグル族・チベット族に対する中国政府の弾圧姿勢をみると、その実質的な意味を疑う人もいようが、ひとまずここでは中国の例を、少数民族に対して払うべき配慮を示す一例としてあげておきたい。
 特別な「枠」を設けることは憲法上の平等権のかねあいで問題だといった発想は、形式論に堕している。形式論的発想がかえって、実体的な差別・格差を温存する手段になっている事実を重く見るべきである。
 なお、アイヌの自治権を保障し発展させるために、北欧3国およびロシアにまたがって居住する先住民族サーミの場合のように、民族議会の設置も考案しうるが、管見ではそうした運動がアイヌ自身の内から出てきているわけではないと思われるため、これ以上は論じない。ただし、アイヌも決して政治的に一枚岩ではなく、先住権を保障しようとしない日本政府のアイヌ対策に強い反発を抱いている人たちもいる(朝日新聞「北海道版」2019年4月10日付)。アイヌの政治的意見の多様性を活かすという意味でも、「アイヌ議会」の設置には一定の意味があると信ずる。
枠組みまで指定された指定法人
 新法案は、アイヌに対する自治権の保障を論外においた上で、同法が規定する業務を「適正かつ確実に」行いうる法人を、振興法とほぼ同様に国交相・文科相が指定するとしているばかりか(第20条)、アイヌ政策はアイヌの「自発的意思の尊重に配慮しつつ、行われなければならない」と明示しているのに(第3条第2項)、業務の枠組み自体を「指定」して疑わない。新法案は10条を超える条文で、指定法人に対すること細かな指図を行っている(第21-31条)。
 中には、同指定法人への天下り官僚に関する規定さえある(第25条)。実際、指定法人にはすでに天下り職員(道職員)が見られる。しかも退職した天下り職員の仕事を新しい天下り職員が引きついでいる。指定法人が出すパンフレット類は、例えば「公益社団法人北海道アイヌ協会」が出すそれと比べて見劣りがするが、官製公益法人の限界を見るように思うのは私だけであろうか。
 この点からするとアイヌ新法は、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現する」(新法の正式名称に見られる目的)ことを目指すのではなく、むしろ現政権が規定するアイヌ政策から逸脱しないようアイヌの動きを規制するものとしか思われない。新法はおそらく、先住民族としての先住権の主張を抑えこもうとする戦略の一環であろうが、その反動性は国際的視野から見れば明らかである。
観光・商業資源化への危惧
 他に気になるのは、「民族共生象徴空間」の開設(後述)とともに、総じてアイヌを観光・商業資源化する傾向が強く出ていることである。
 この15年、日本では「観光立国」化をめざすキャンペーンがはられてきた。北海道も同様で、2018年、「北海道150年」を祝う記念行事において「民族共生象徴空間」事業に大金が投じられた(アイヌ文化関連事業の実に53.5%)。そして新法案では、この流れが強くおし出されている(第9条「民族共生象徴空間施設」、第10条第2項ハ「観光の振興その他の産業の振興に資する事業」)。
アイヌ民族博物館は同化政策を問うべきである ・・・ログインして読む
(残り:約2555文字/本文:約5041文字)
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019042500014.html

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北海道平取町 家族で紡ぐアイヌの誇り

2019-04-27 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2019年4月27日 東京夕刊
 アイヌ民族の文化が日常生活の中に色濃く残る北海道平取町二風谷(にぶたに)地区。伝統工芸や言語を守りながら、伝承活動を続けるアイヌの家族がいる。同町で工芸を専業とする職人10人の中で、最高齢の貝澤雪子さん(78)一家だ。
 雪子さんはアットゥシ職人。アットゥシはニレ科のオヒョウの樹皮から作られた反物で、樹皮のみが原料の織物は世界的に珍しい。皮を煮て、水にさらし、薄くはがすなど糸作りに多くの工程と時間がかかる。身近な草花などの自然素材で染め上げ、独特の淡い色合いと質感を生み出す。
 雪子さんは19歳で結婚後、義母から作り方を学んだ。4人の子どもに恵まれたが36歳の時に夫の守幸さん…
この記事は有料記事です。
残り765文字(全文1055文字)
https://mainichi.jp/articles/20190427/dde/012/040/005000c

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大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続について

2019-04-27 | アイヌ民族関連
文部科学省 04/28
 文部科学省では、平成30年12月に関係省庁が定めた「大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン(※PDF 内閣官房アイヌ総合政策室ホームページへリンク)」に基づき、アイヌの人々の御遺骨等の出土地域への返還手続を進めています。
 大学の保管するアイヌの人々の御遺骨等について、出土地域に居住するアイヌの人々を中心に構成された団体(以下「出土地域アイヌ関係団体」といいます。)が、御遺骨等の返還を希望する場合には、以下の手続に従って申請等を行ってください。
 申請を受け付ける期間は2019年4月26日(金曜日)~2019年10月25日(金曜日)(6か月間)までとなります。
 なお、上記期間中に申請がない場合、御遺骨等は北海道白老郡白老町に整備する慰霊施設に集約しますが、集約後においても引き続き、国が返還手続きを実施します。
(1) 出土地域が特定された御遺骨に関する情報の確認
 以下より、出土地域が特定された御遺骨に関する情報を確認してください。
出土地域が特定された御遺骨に関する情報 (PDF:529KB)
(2) アイヌ遺骨等地域返還連絡室への連絡
 返還を希望する方(出土地域アイヌ関係団体の代表者)は、アイヌ遺骨等地域返還連絡室にお問い合わせください。
   (アイヌ遺骨等地域返還連絡室)
    〒060-0001
     北海道札幌市中央区北一条西二丁目11-1 23山京ビル902
    TEL:011-330-8314
       011-330-8315
    FAX:011-330-8316
    E-mail:chiikihenkan@mext.go.jp
    受付時間
     月曜日~金曜日 10時00分~12時00分、13時00分~17時00分(祝祭日を除く)
     ※E-mailによる連絡は、申請受付期間中24時間受け付けております
(3)申請書類等の提出
 申請団体が返還を希望する御遺骨等の出土地域に居住する又は縁のあるアイヌの人々を中心に構成された団体であることや、返還後の祭祀供養方法を確認するための書類等を提出していただきます。
(4)他の団体からの申請等の有無の確認
 文部科学省が、申請団体が地域返還団体として適切な者であることを確認できた場合、御遺骨等に対して返還の申請があったことを公表し(団体名、氏名は公表しません)、他の団体からの申請等がないか確認します。確認期間は、文部科学省が地域返還の申請があった旨をホームページ等で周知し、3か月経過した日、又は、2019年10月25日(金曜日)のうちいずれか遅い方の日となります。
(5)返還の詳細に関する合意について
 御遺骨を返還する団体が決定しましたら、御遺骨を保管する大学と協議の上、引渡日時、場所、方法等を決定し、合意の書面を交わします。
出土地域が明らかなアイヌ遺骨等の返還手続等に関する要項 (PDF:110KB)
お問合せ先
研究振興局学術機関課
PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、まずダウンロードして、インストールしてください。
(研究振興局学術機関課)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/ainu/1415588.htm

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アイヌ遺骨返還へ札幌に地域連絡室 文科省 大学保管分受け付け開始

2019-04-27 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/27 05:00
 文部科学省は26日、全国の12大学で保管しているアイヌ民族の遺骨を出土地域に返還するため、札幌市中央区に「アイヌ遺骨等地域返還連絡室」を開設した。返還希望者の納骨堂や墓地の確保状況など慰霊が確実にできるかどうか判断した上で返還する。受け付けも同日開始し、早ければ年内にも返還を始める。
 遺骨は大学が研究目的で収集した。出土地域は道内67市町村と択捉島、国後島、サハリン(樺太)、千島列島。遺骨は1574体で、1個体分として特定できなかった遺骨も多数ある。保管先は北大が942体、札幌医大が264体と道内が7割以上を占める。
 返還の申請対象は出土地域のアイヌ民族が所属する団体が中心。申請があった遺骨は文科省のホームページで周知し、競合した場合は当事者間で話し合う。
 政府は2013年、身元が特定された遺骨は遺族に返還し、分からない遺骨は民族共生象徴空間に集約する方針を示した。ただ身元が分かる遺骨は少なく、各地のアイヌ民族団体などが提訴。和解で返還が実現したことから政府は方針転換し、18年には大学が保管する遺骨の返還について指針を策定した。
 受け付けは10月25日まで。問い合わせは連絡室(電)011・330・8314へ。平日のみ。(尾張めぐみ)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/300566

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