北海道新聞03/28 16:00
【阿寒湖温泉】環境省は釧路市阿寒町の阿寒湖温泉地域向けに、アイヌ文様を活用した景観のガイドラインを策定した。これに合わせて地元のアイヌ民族団体が、建物や商品などにアイヌ語、文様を使う際の認証制度を新年度中に創設することを計画している。アイヌ文化を取り入れたまちづくりを官民一体で推し進め、外国人観光客らにPRしたい考えだ。
阿寒湖温泉を含む阿寒摩周国立公園は、環境省の訪日外国人旅行者向けの整備事業「国立公園満喫プロジェクト」に指定されており、ガイドラインは26日に策定された。内閣官房アイヌ総合政策室によると、国がアイヌ文化活用の指針を示したのは初めて。
ガイドラインは、文様について「道路や床などの踏みつける箇所や、トイレなどの座る箇所には使用しない」「異なる文様を秩序なく並べない」などの基本ルールを提示。温泉街のホテルや土産物店の壁、シャッターなどに積極的に取り入れることを提案する。
デザインなどについては、阿寒アイヌ協会など4団体で構成する「阿寒アイヌ文化知的所有権研究会」に相談するよう指定している。
■地元も認証制度計画
同研究会はガイドラインを基に、認証制度を立ち上げることを計画。アイヌ語や文様を正しく使う施設などに対し、認証マークを付与することを検討している。道アイヌ協会によると、アイヌ民族内での認証制度は既にあるが、一般対象の制度は初めてとなる見込み。
阿寒湖温泉では、地元観光協会などがアイヌ文化などを体験できるテーマパークの開設を計画。一部大手ホテルが同研究会の助言を受けて、新施設に正しいアイヌ語の名称を付けるなど、アイヌ文化を生かした観光振興策が進められている。その一方で、店の壁にアイヌ文様とは異なる曲線が描かれていたり、商品名にアイヌ語が誤用されたりするケースもあり、関係者から「アイヌ民族がいる街なのに恥ずかしい」との指摘があった。
同研究会事務局長で阿寒アイヌ協会の広野洋会長(53)は「民族の知的財産を守りつつ、アイヌ文化を正しく活用してもらう仕組みを作りたい」と話している。(釧路報道部 佐竹直子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/175721
【阿寒湖温泉】環境省は釧路市阿寒町の阿寒湖温泉地域向けに、アイヌ文様を活用した景観のガイドラインを策定した。これに合わせて地元のアイヌ民族団体が、建物や商品などにアイヌ語、文様を使う際の認証制度を新年度中に創設することを計画している。アイヌ文化を取り入れたまちづくりを官民一体で推し進め、外国人観光客らにPRしたい考えだ。
阿寒湖温泉を含む阿寒摩周国立公園は、環境省の訪日外国人旅行者向けの整備事業「国立公園満喫プロジェクト」に指定されており、ガイドラインは26日に策定された。内閣官房アイヌ総合政策室によると、国がアイヌ文化活用の指針を示したのは初めて。
ガイドラインは、文様について「道路や床などの踏みつける箇所や、トイレなどの座る箇所には使用しない」「異なる文様を秩序なく並べない」などの基本ルールを提示。温泉街のホテルや土産物店の壁、シャッターなどに積極的に取り入れることを提案する。
デザインなどについては、阿寒アイヌ協会など4団体で構成する「阿寒アイヌ文化知的所有権研究会」に相談するよう指定している。
■地元も認証制度計画
同研究会はガイドラインを基に、認証制度を立ち上げることを計画。アイヌ語や文様を正しく使う施設などに対し、認証マークを付与することを検討している。道アイヌ協会によると、アイヌ民族内での認証制度は既にあるが、一般対象の制度は初めてとなる見込み。
阿寒湖温泉では、地元観光協会などがアイヌ文化などを体験できるテーマパークの開設を計画。一部大手ホテルが同研究会の助言を受けて、新施設に正しいアイヌ語の名称を付けるなど、アイヌ文化を生かした観光振興策が進められている。その一方で、店の壁にアイヌ文様とは異なる曲線が描かれていたり、商品名にアイヌ語が誤用されたりするケースもあり、関係者から「アイヌ民族がいる街なのに恥ずかしい」との指摘があった。
同研究会事務局長で阿寒アイヌ協会の広野洋会長(53)は「民族の知的財産を守りつつ、アイヌ文化を正しく活用してもらう仕組みを作りたい」と話している。(釧路報道部 佐竹直子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/175721