【2013年12月20日(金)朝刊】
白老・ポロトの味覚として全国にファンを持つサケの薫製「サッチェプ」作りに向けたサケの寒干しが17、19の両日、若草町のアイヌ民族博物館の敷地内で行われ、前浜で捕れた千本が寒風にさらされている。
アイヌの保存食を伝承する活動の一環でもある。内臓を取り出し、塩をまぶして水洗いした雄サケを2本一組にしてチセ(わらぶきの家)そばの横木につるした。長さ約10センチの木棒2本で腹を広げたサケは来年2月まで寒干しされる。余分な水気が取れ、身が締まって味が凝縮するという。
野本三治伝承課長は「私も先輩から学んできた。受け継いだ知恵を後世に伝えていく役割がある」と話す。
寒干し後は、チセ内のいろりの上につるし、絶えることなく燃えるいろりの煙であめ色になるまでいぶす。「サッチェプ」は来年の大型連休前に販売する予定。
(富士雄志)
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