9月29日のWhat'sNewによりますと、Curiosityによって火星地表面の化学物質が火星大気の構成にダイナミックに関与している証拠が発見されたとのことです。
その調査結果は、Curiosityの分析装置SAMによる火星大気中のキセノンとクリプトンの分析によるものです。
従来も、火星大気中のキセノンとクリプトンの情報は、火星隕石の分析とバイキングによる火星大気の分析から多くの情報を得ていましたが、バイキングは、同位体比を測定できませんでした。
今回のCuriosityによる分析結果は、過去の隕石から得られた同位体比の結果と比較するための火星現地で測定した同位体比の最初の完全な値を与えてくれました。
SAMチームは、火星大気中のキセノンとクリプトンの全ての同位体を測定するために、最初のユニークな一連の実験を行いました。
実験は、Earth and Planetary Science Lettersに掲載された論文に記載されています。
・SAMの詳細については、こちらをご覧ください:http://ssed.gsfc.nasa.gov/sam
・SAMの実験データは、オンラインで、惑星データシステムにアーカイブされます:http://pds.nasa.gov
・研究論文は、こちらにあります。:http://dx.doi.org/10.1016/j.epsl.2016.08.028
しかし、分析結果は、全体的に、以前の研究と一致していましたが、いくつかの同位体比は、予想よりも少し異なっていました。
これらの微妙だが、重要な違いについての説明をするために、研究者は、火星の表面材料内の別の1つの化学元素から中性子を得ているのかもしれないことに気づきました。
このプロセスは、中性子捕獲と呼ばれ、このことで、いくつかの選択された同位体が従来可能と考えられていたよりも豊富である理由が説明できるようです。
バリウムの一部は、宇宙線の影響で中性子を放出して、それがキセノンによって捕獲されることで、キセノン-124と126の同位体比を予想を上回るレベルにしていると思われます。
同様に、臭素の一部は、宇宙線の影響で中性子を放出して、それがクリプトンによって捕獲されることで、クリプトン-80と82の同位体比を予想を上回るレベルにしていると思われます。
これらの同位体は、火星表面の土や壊れた岩であるレゴリスから逃げるガスによって大気中に放出された可能性があります。