6月3日付けのDLR(ドイツ航空宇宙局:Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)の「InSightミッションログブック」によりますと、InSightのHP3のセンサーであるモールを地表面下まで押し下げることが出来た!ということです。
本来ならば、下図のようにモール(温度センサー)は、地表面下5mの位置に配置されているはずでした。
(C)DLR(CC-BY 3.0)
目論見では、モールが地面との摩擦力を利用して掘削用のハンマーの作動によって、地下5mまで潜っていく予定でした。
しかしながら、周りの地面との摩擦力が十分でないためと、予想より硬い地盤の影響で潜っていくどころか、はじき返されたのです。
そこで、地面との摩擦力の替わりとして、モールの後ろにInsightのアームの先についているスクープの底を押し当てることでモールが地表下に潜り込んで行く「the 'back-cap push'」という作戦を実行しました。
その結果、Sol 458(3月11日)に地表から約7センチメートル上にモールの後端があった状態からスタートして、11週間にわたる6サイクルのハンマリングの結果、Sol 536(5月30日)にモールを押していたスクープが地表面と接触するところまでモールが地表下に潜ったとのことです。
これからは、スクープの先端を使ってモールがさらに深く潜っていくサポートを実施する予定です。
DLRでは、難しい作業であるが出来ないことではないと、自信を示しています!
詳しくは、DLR-Blogs「Logbook entry 3 June 2020」をご覧ください。
https://www.dlr.de/blogs/en/desktopdefault.aspx/tabid-5893/9577_read-1090/
*進展しましたね!関係者の粘り強い活動の成果だと思います。
モールよ!5m地下まで潜ってくれ!