前回からの続きです。
タンノイの「ウェストミンスター」にグッドマンの「AXIOM301」(口径30センチ)のユニットを取りつけたのが去る6日(月)のことだった。
こんなことをするマニアはおそらく世界で唯一人だろうから、システムから出てくる音も「世界で唯一の音」と言っていいが、物珍しさも手伝ってこの10日間ほどは日頃のメインシステムの「AXIOM80」を完全に脇に追いやって「AXIOM301」を聴き耽るばかりだった。
こんなに充実した日にちはこれまでの人生でも稀だ(笑)。
ところで、昨日(16日)メル友の山形県のHさんから「ずっと以前のブログにもウェストミンスターにAXIOM301を容れた記事がありましたね。」という趣旨のメールが届いたので驚いた。
実を言うと、どうせ読者諸兄にはこの件は既に忘却の彼方にあり、おそらく記憶に留めている方はいないだろうと踏んだので“なめて”かかってしまい、詳しい説明を省いていたのである。
世の中にはこんな“拙いブログ”でもていねいに読み、きちんとひとつひとつの記事を記憶に留めている方もいらっしゃるのでユメユメいい加減な記事を書いてはいけないと肝に銘じたことだった(笑)。
ここで改めて省いていた内容というのをかいつまんで述べておくと、当時はまだグッドマンのユニットに未熟なこともあって箱の中に“「ARU」もどき”(前回のブログ参照)を付けていなかったため物足りない音がしたのですぐに元に戻してしまった。たかだかこれだけの違いで劇的に音質が変わるのだからオーディオはほんとうに怖い~。
同様に「AXIOM80」(復刻版)を容れたときもそうだったので、次回こそはと牙を研いでいる真っ最中!
さて、話は戻ってこの10日間あまりで「AXIOM301」について気が付いたことを箇条書きしておこう。
☆ 口径38センチのユニットに比べて中低音域の収束(音の立ち上がりと立ち下り)が早いので音楽の全体的な佇まいが実に良くなった。まさに自分が狙っている音にピッタリ。結局、SPユニットは(自分の場合は)口径25~30センチに尽きると確認した。
☆ ダブルコーン形式のため、音像定位がクリアーで安定していてまったく乱れがない。右と左の両方のスピーカーの間に「ステージ」が再現され、まるで歌手がすっくと屹立して歌うさまが見えるよう。改めて「点音源」のメリットを実感した。
☆ さすがにグッドマン社(イギリス)のユニットだけあって音の質感が高くてとても品がいい。箱のバックロードホーンとの相性もとても良くて、これなら長年の宿願だった「ワーグナーの楽劇」も十分鑑賞の対象になる。この10日あまりユニットのエージングを兼ねて毎日「ワルキューレ」(ショルティ指揮:4枚セット)に聴き耽った。
☆ 非常に神経質な「AXIOM80」と比べて、「AXIOM301」はおおらかである。どんなタイプのアンプにも相性がいいようであまり(アンプを)えり好みしないところが大いに助かる。
とは言いながらも、そこはそれ微妙な違いがあるのでベストの真空管アンプとの組み合わせを次の3通りで模索してみた。
CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS)は共通。
1 DAコンバーター「NAー11S1」(マランツ) → 真空管式プリアンプ → 真空管式パワーアンプ「PP5/400シングル」(英国マツダ:最初期版)
2 真空管式プリアンプまでは1と同一。パワーアンプだけ交換して「71Aシングル」(銅板シャーシ)
3 DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」 → 「トランス式アッテネーター」(カンノ) → パワーアンプ「WE300Bシングル」(オールド:モノ×2台)
この中で果たしてベストの組み合わせは?
以下、続く。