前回からの続きです。
現在のところ、このブログの主役になっている感があるグッドマン社(イギリス)のSPユニット「AXIOM301」だが、同じイギリス産でも「タンノイ」は有名だが、「グッドマン」となると「何それ?」という方も多いと思う。
タンノイと違ってSPユニットを容れる箱を作らなかったので、日本における浸透度はイマイチだが、その実力と格は有識者の間では明らかに上とされている名門である。
したがって、よそ様から「グッドマンのSPユニットを使っている」と聞いただけで、「オッ、お主できるな!」という具合(笑)。
前置きはそのくらいにして、昨日(18日)、千葉県のKさんという方から初めてのメールが届いた。
その要旨は、
「キットから始めて真空管アンプの音に嵌りこれまで自作を続けています。メールをした理由はグッドマンのAXIOM301を記事にされたからで自分のスピーカーも英国製に収斂しており同じグッドマンの“AXIOM22MK2”という口径30センチのユニットを使っています。
反応が早く、アコースティックな音を出すので気に入っていますが、たぶん、貴殿の音と類似した音ではないかと思うのですが、そちら(別府)まで伺う余裕がないので想像するだけです。
そこで、厚かましいお願いですが、拙ブログにある“you tube”録音を試聴していただけるなら幸甚です。」
ごていねいにも次の2枚の写真が添付されていた。
自分と同様に非常に熱心なグッドマンの愛好家のご様子で、すぐに共感を覚えてKさんのブログを拝読し、「you tube」の音を聴かせていただいたのは言うまでもない。もちろん返信メールもすぐに発信。
you tubeの曲目はジャズでは名盤とされる「サムシン エルス」(枯葉)で、グッドマン独特の輝かしい中高音域の片鱗を窺い知ることができた。
この曲目に大いに触発されて、そういえばこのところ我が家のシステムではクラシックばかり聴いて、ジャズはすっかりご無沙汰だったと思い至った。
ほんとうに良いシステムともなると「クラシックもジャズも両方ともうまく鳴る」とは、仲間たちから耳にタコができるほど聞かされてきたが、これまで我が家のシステムは「クラシックはいい線をいっていると思うがジャズはサッパリ」だったので、正直なところ半信半疑だった。「それぞれ専用のシステムが要るんじゃないの」といった調子。
そういうわけで、よ~し、「AXIOM301」で「サムシン エルス」を聴いてみようと思い立った。
久しぶりに聴くマイルスのトランペットに痺れまくった(笑)。ウ~ン、参った!
調子に乗ってこれまた久しぶりに「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)を引っ張り出して聴いてみたところ、もう完全にノックアウト。
低音域の不足をまったく感じないし、中高音域の輝かしさとハイスピード感といったら、これ以上の音はこれまで聞いたことがない。フルレンジなのにツィーターなんかまったく必要性を感じないのだから驚く。
クラシックもジャズも両方聴けるようになったのは我が家では初めてで、改めて「AXIOM301」の実力に惚れ惚れした。
さすがはグッドマン!
ウェストミンスターの箱はどうやら「AXIOM301」のために作られたと見える(笑)。
駆動するアンプの方もいろいろ試行錯誤してみたが「トランス式アッテネーター」と「WE300Bシングル」の組み合わせがベストだった。
初段管には「E80CC」、二次増幅管には「AC/HL」(英国マツダ、ナス管)を使っているアンプだが「E80CC」には4種類のブランドの球を挿し替えて比較試聴してみたところ、それぞれに天と地ほどの音の開きがあった。
以下、続く。