かなり前の話だが、めでたくノーベル賞(医学・生理学)を受賞された大隅良典氏(東京工大栄誉教授)は、我が母校「福岡高校」(福高)の先輩にあたる。
ちなみに福岡市の場合、当時は学区制があって東部地域の大学進学希望者は「福岡高校」へ、西部地域の進学希望者は「修猷館高校」へと勢力地図がくっきりと色分けされていた。
今はどうか知らないが、当時の福高は模擬試験の結果を1番から100番くらいまで廊下の壁を利用してずらっと名前を張り出してあったが、かっての同級生によると「大隅さんはいつもトップだった」というから、じぶんのような「落ちこぼれ」とは大違い(笑)。
父は元九州大学工学部教授、長兄は東京女子大名誉教授だそうで、学者一家である。
その大隅さんの受賞インタヴューの言葉が未だに強く印象に残っている。
「誰もやってないことをやる」、「ワクワクすることが科学の醍醐味」、「面白いと思ったことはとことんやってみよう」
この3点セットに思わず膝を打った。いわば「3か条の教え」だ。
少しでもあやかりたい一心で、これらを少々強引だが我がオーディオに、こじつけてみよう(笑)。
☆ 誰もやってないことをやる
オーディオシステムへの取り組み方を大まかに分けると、評判のいい機器を組み合わせて事足れりとする「常識派」と、一方では誰もが考えもしない、あっと驚く組み合わせをやってのける「異端派」とに区分されると言っても大きな間違いは無かろう。
どちらがいいとか悪いとかいうことではないが、「音は人なり」という言葉もあるし、せめてオーディオくらいは人に迷惑をかけることがないのだから思いっきり個性を発揮したいところ。
というわけで、自分はどちらかといえば数少ない「異端派」だと自認している。
たとえば手元にあるオーディオ機器のうち、さすがにデジタル系の機器には手を出せないが、アンプやスピーカー類は個人に作ってもらうか、あるいは市販のものを購入しても必ずといっていいほど自分好みに改造している。いわばオリジナル排斥主義者 兼 オンリーワン主義者。他人と同じことをやっても仕方がないといつも思う。
とりわけ、オーディオ仲間たちから「随分思い切りましたねえ!」と言われるのが、タンノイ・ウェストミンスターの改造。
タンノイのフラッグシップモデルともいうべき「ウェストミンスター」を改造して他のユニットを取りつけるなんて「常識的には考えられず、とても怖くてできない。」そうだ(笑)。
自分でも当時を振り返ってみるとつくづく「盲目蛇に怖じず」だったと思うが、随分長いこと回り道して、ようやく「正解だった。まったく後悔はない」と思えるようになってきた。
まあ、その反面、弄る楽しみはなくなったのでそういう意味では「良かったか、悪かったか」の差し引き勘定は当分お預け(笑)。
次に、
☆ ワクワクすることが科学の醍醐味
☆ 面白いと思ったことはとことんやってみる
オーディオシステムの構成機器となると、前段機器(CDやレコードプレイヤー)~プリアンプ~パワーアンプ~スピーカーとなるが、これらのどこを弄っても音は変わる。
そして、弄るところが多ければ多いほどオーディオは楽しくなる。一部を変えて、新たに音出しするときのあのドキドキ、ワクワク感は何物にも代えがたく、まるで少年時の未知の体験に目を輝かした頃に戻ったかのような気持ちになる。
仲間たちも「よくもまあ、熱心に取り組んで~。いつも来るたんびにどこかシステムの一部が変わってるなあ。」と、呆れ顔だが、理由の一つは代えてから音が出るときのあのワクワク感が忘れられないからである。
また、とことんやるのも性格的に合っている。いわば凝り性である。
古今東西の有名なミステリーはたいがい読破したし、波止場釣りは「仕掛けつくり」から「竿さばき」まで極めた積りでいるし、大好きなクラシックのオペラ「魔笛」(モーツァルト)に至ってはトチ狂ってしまいCD、SACD、DVD合わせて指揮者の違うものを50セット近く収集している。
おそらく数としては日本で一番だろう。オーディオだって、まだ未知の世界があって道半ばだと思っているのでこれからもとことん突き詰めるつもり。
アッ、そうそう、このブログだってこの10月21日で18年目を迎えたが、投稿した記事の数は「3223件」(2023.10.29現在)に上り、これからも病気にでもならない限りとことん続けるつもり。
こうして、とことん詰めていく趣味があると日常まったく退屈感を覚えることがないので大いに助かる。
ただし、学問と社会貢献(出世など)の方は面白いと思ったことがないし能力もなかったため、とことんやることもなく結局中途半端で終わったのが残念至極~(笑)。
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