気象庁の季節区分によると、「12月~2月」が冬、「3月~5月」が春、「6月~8月」が夏、そして「9月~11月」が秋・・。
つまり、季節の変わり目は12月、3月、6月、そして9月ということになり、オーディオでいえばクロスオーバーということで二つのユニットの音(季節)が混在する節目に当たる~、言い換えると どっちつかずですっきりしない ともいえる(笑)。
で、何が言いたいかというと、現在はれっきとした春だけどいまだに寒くてやたらに太陽が恋しくなる。
つい日光浴をしながら読書三昧~(笑)。
で、たまたま読む機会があったのが「蒼天の鳥」。
令和5年(昨年)の「江戸川乱歩」受賞作だし、装丁も洒落てるし、いやが上にも期待が高まってワクワクしながら読み始めたものの、だんだんと「何じゃこれは・・」、さっぱり面白くないのだ。
読者を引きずり込むような息もつかせぬ展開、そして軽快なリズム感や熱気がさらさら感じられない。
オーディオでいえばまるで「蒸留水」のような味気ない音・・(笑)。
その一方では、「ふ~ん江戸川乱歩賞も落ちたもんだねえ・・」、と何だか悲しくなった。
新人ミステリー作家の登竜門として、過去に幾多の優れた作家を輩出しているし、賞金1千万円も大きな魅力。
たとえば、今や押しも押されもしないほどのベストセラー作家「東野圭吾」さんもずっと昔に「放課後」で受賞されている。
そうそう、東野さんといえば、現在カナダに亡命している香港の民主活動家「周庭」女史を想い出す・・、この人は日本語がペラペラだそう。
彼女が香港警察の獄中にあるとき「東野さんの本を20冊あまり読みました」とのことで、さもありなん・・、とにかくハズレが少なくて、どれもが面白い~。
話は戻って「江戸川乱歩賞」受賞作って、こんなにレベルが下がったのかといささか心配になって近年の受賞作をググってみたところ、図書館の在庫とマッチしたのが「わたしが消える」。
令和2年の受賞作だからまだ ほやほや といっていい。
そして、期待と不安が交々(こもごも)で読み始めるとこれがメチャ面白い!
認知症になりかけの元刑事が、死別した妻との間に出来た一人娘(介護施設で研修中)の依頼をうけて、ある「痴呆老人」の身元を探ると、これがとんでもない過去の持ち主だった。
正体を探っていくにつれ、関係者が次々に殺されていくのだからよほどヤバイ人物のようだ・・。
ハイ、息もつかせず1日で読み切りました(笑)。
同時に「乱歩賞」健在ということでひと安心~。
ネットから「読者レヴュー」を二件ほど拝借。
☆ 「江戸川乱歩賞受賞作という帯を見ると読みたくなる性質で、初読みの作家さんと出会う。訳ありで刑事を辞めてマンション管理人をしている主人公の藤巻は軽度の認知症状が出始めていることを病院で知らされるところから始まる。
離婚した妻と暮らしていた介護を学ぶ大学生の娘から、研修先の施設に置き去りにされた老人の身元を調べてほしいと依頼される。謎の老人について探るうちに事件に巻き込まれていく。認知症進行への不安、距離のあった娘との関係修復、深まるミステリー、一気読みでした。やはり、江戸川乱歩賞に間違いなし。」
☆ 「あまりミステリーは読まないものの、本の検索中に引っ掛かりがあり手に取った一冊。 さすが「江戸川乱歩賞」受賞索引だけあってエンターテインメント性があり楽しく読めました。 何しろ読みながら次の行動の展開を予想しているとその通りになる!期待通りで「ミステリーはこうでなくちゃ」の面白さでした。 唯一裏切られたのは最終章、これで読後感の良さが増したように思います。 佐野広実さん索引は初めてでしたが、また読んでみたい。」
以上のとおりだが、作者の「佐野広実」さんは上から目線の物言いになるが「才能あり」ですね。次作もぜひ読んでみたいです~。