音楽&オーディオ愛好家にとって耳の機能が衰えるというのはもう言わずもがなだが ”恐怖の的” である。とにかく「音がいいとか悪い」とか以前の問題として、音が聴こえてこなければ音楽の楽しみようがない。
したがって経年劣化は仕方なく受け入れるとしても、努力のしがいがあってせめて耳の機能を今のまま維持できればというのが現時点での最上の願いである。
先日のNHKテレビによると、難聴になる一番の原因は「耳は臓器の一部であり血流による栄養補給が疎外されること」だとされていた。
その要旨を再現してみると・・、
☆ 音が聞える仕組み
人間の耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)という器官に有毛細胞が並んでおり、入り口に近い有毛細胞が高音を感じ、奥の方にある有毛細胞が低音を感知して振動し脳に伝えて音として認識される。
加齢とともに高音が聞きづらくなるのは入り口に近い有毛細胞が高音も低音も感知して振動するので傷みやすいというのが定説。
☆ 先入観による「音韻修復」
男女10人による混声合唱団に対して実験が行われる。いずれも日頃音楽に親しみ耳に自信のある方ばかり。実験の内容はノイズをずっと聞かせて、その中に「さくら、さくら」のメロディが隠されておりそれを聞き分けることが出来た人が何人いるかというもの。
その結果、10人中8人がメロディが聞えたと手を挙げたがこれが大間違い。実はメロディは何ら含まれておらずタダの雑音ばかりで結局、聞えた8人というのは「気のせい」だった。
これはオーディオでもよくある話。
たとえば他家で、お値段が一桁違う高級なオーディオ装置の前に座らされ、見た目の豪華さも手伝っていかにも「いい音」を聴いた感じになるのだが、実は左右スピーカーのプラス・マイナスの結線が間違っていたり、ツィーターの片方が鳴っていなかったりすることはままある話で、いかに先入観が人間の聴覚を誤魔化すかという好例だ(笑)。
☆ 難聴のリスク要因とは?
1 加 齢 → 1.6倍 2 高脂血症 → 1.9倍 3 糖尿病 → 3.7倍 4 腎臓病 → 5.9倍
科学的な根拠として有毛細胞の根元に並んでいる「ダンス」細胞に正常な血液によってきちんと栄養補給がなされていないことが難聴につながる大きなリスク要因であるという。
結局、難聴予防の王道とは日頃の生活習慣において極めて地道な「腹八分」「継続的な有酸素運動」に優る対策はないという次第。
以上の「年寄じみた話」は若い人には縁のない話だが、どのみちいずれは遭遇するわけだから今からでも予防するに越したことはありませんからね~(笑)。
クリックをお願いね →