「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音のスピード感、繊細な表現力、適度な量感のマッチングを求めて

2024年07月14日 | オーディオ談義

オーディオ機器に求めるものといえば当然「性能」なんだけど、趣味の世界なのでどうしても好き嫌いの「感情」が伴ってくる・・、で、どちらを優先させるかといえば、我が家では後者の方かな~。

もちろん両者が揃っていればいうことなし・・、実例をあげてみよう。

先日のこと、オークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。

お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!

我が家のウェストミンスターに使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもペアとしてあと1本欲しいところ。

そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちの「T」さんに伺ってみた。

「現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。

そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」

すると、ご親切にも次のような返信があった。

「お元気ですか。

ご照会の件ですが、当該のオークションも覗いてみましたが、アルニコの15インチタイプはなかなか見つけられないと思います。

15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。

ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」

というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもないしねえ~。

さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。

たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけないし、有名なタンノイにしても使えるのは往年の「モニター・シルヴァー」か「レッド」、せいぜい「ゴールド」あたりまでだろう。

後日、この件を「有識者」にご注進したところ次のようなコメントがあった。

「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。

私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」


私見だが、口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量とそれに付随する抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てきそうに思えて仕方がない。

そういう先入観があるだけでもうダメ・・、で、我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。



左からグッドマンの「AXIOM150マークⅡ」、ワーフェデールの「スーパー12」、そしてJBLの「D123」でいずれも「12インチ」(30cm)


もちろん我が家で常用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないが、これまで使ってきた口径38センチのユニットのJBLの「D130」やタンノイなどすべてオークションに放出してしまった。   

そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。

これがイギリス人の良識ある一般的なオーディオ観といっていいだろう。

自分もタンノイは「ⅢLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「ⅢLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。

まあ、「口径38センチ」のユニットが好きという方も当然いらっしゃるだろうし、さらには箱の容量とかパワーアンプの出力との兼ね合いもあるので一律には論じられないが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。

もちろん、これは「クラシック愛好家」だけに通じる話で、「ジャズ愛好家」には別次元の話なので念のため申し添えておきます・・(笑)。



この映像は、つい最近メールを寄せていただいている、クラシック愛好家でプロカメラマンの「K」さん撮影のものです。


クリックをお願いね →    
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする