「何で多くの人から認められたいなんて思うんだろうな。他人の評価が欲しくて作品に向き合っているうちは、多くの人どころか自分自身ですら心底満足できるものが作れないってことにどうして気が付かないんだろう」
「ユートピア~27頁~」(第29回山本周五郎賞:湊かなえ著)
なかなか含蓄のある言葉だと思うが、やはり読者あってのブログなのでアクセスが気にならないと言えば嘘になる~(笑)。
で、このところ「オーディオ」関係記事の人気がイマイチで・・、ちょっと内容が専門的過ぎるのかもしれない。
とはいえ、このブログからオーディオを抜いてしまうと、そんじょそこらの ”ありきたり” のブログになってしまう。
そこで冒頭の言葉に戻って、他人の思惑(アクセス)なんか気にしない、気にしない・・、気の赴くままにオーディオの話といきましょうや(笑)。
このところ聴く音楽ソースが「ボーカル中心」になってきており、それに応じて小型のスピーカーが躍動しているが、「俺は大型スピーカーでボーカルを聴いてるけどとてもいいぞ!」という方がいてもちっとも不思議ではない。
で、さっそく実験に取り掛かった。
もちろん、オーディオは各家庭での条件下であまりにも変数が多い(たとえば部屋の大きさ、電源環境・・、ひいては個人ごとの感性)ので、これは我が家にだけ当てはまる事象であることを、まずはご承知おきくださいね~。
(我が家で)大型スピーカーといえば「ウェストミンスター」(改)の出番である。日頃は「サブウーファー」として100ヘルツ以下の「通奏低音」を受け持っている「縁の下の力持ち」である。
これにコイル(ムンドルフ)を使って、ハイカットを700ヘルツにし、その上の周波数は丁度出番がなかった「175ドライバー」(JBL)を持ってきた。
これで大型スピーカーの2ウェイシステムが出来上がり~。
プリアンプも変わったことだし、久しぶりの出番となったが、一聴したところなかなかいけるじゃないか・・、悪くはないぞ(笑)。
ところが数時間経つとアラが目立ち始めた。
「なんだか音の粒子が粗いなあ、音像の締まり具合もイマイチだし・・、これならそんじょそこらで鳴っている音と同じだな、これは50年以上もオーディオをやってきた人間が出す音じゃないよなあ」と、不満と尊大な感想が入り混じって噴出してきた。
で、急いで、元の小型スピーカーに戻した。
やっぱり、これこれ、ボーカルを聴くのなら圧倒的にこちらの方がいい。
ただし、この2ウェイタイプだけなら低音不足(自分の耳では)なので、前述した「サブウーファー」(100ヘルツ以下)の出番があってこその2ウェイである。
つまり「2ウェイシステム+サブウーファー」という構成になるが、
サブウーファーについては別の「プリアンプ+パワーアンプ」で鳴らしているので、結局「小型スピーカー」といえどもプリアンプ2台、パワーアンプ3台を使った大仰な形に落ち着いている。
で、ここからがポイントだが「サブウーファー」の代わりに「チャンデバ」を使って「3ウェイにすればいいじゃないか」という意見が当然沸き起こっても不思議ではない。
ところが、この「チャンデバ」に問題あり・・、これだと残念なことにどうしても低音域の張りつめた独特の重量感が出てこないのだ。
これは我が家だけの「固有の事象」かと内心思っていたところ、たまたまオークションに出品されていた「コイル」(ムンドルフ)の解説を読んではたと膝を打った。
「低音域はマルチアンプ(チャンデバ仕様)の人が多数(プロは100%)ですが(早い、お手軽)、甘く 力強く弾む音が安定して出るのは良質NW(ネットワーク)タイプです。(佐伯多門氏談)。問題は良質のコイルの入手(高価で今現在ムンドルフのみ)です。」
「甘く力強く弾む低音」のうち、甘くという言葉がどうも意味不明だが(笑)、「力強く」という言葉には心から賛同する。
一定の帯域に無理やり封じ込めて、溜まりに溜まったエネルギー感を感じさせるような重量感のある力強い低音・・、こればかりはもう「ムンドルフ」の世界だと思いますよ~。
とまあ、最後はいつもの「自画自賛」に・・。
人は他人の自慢話にはとても敏感ですぐに嫌悪感を覚える傾向がある。
あっ、そうか・・、(オーディオ記事の)不人気の原因はこれだったのかもしれないなあ(笑)。
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