今年(2015年)の11月は気象史上まれに見る暖かさだったそうだが、さすがに師走を目前に控えると一気に冷え込んできて、この1週間ほどは九州といえども朝晩の暖房が欠かせないほどだった。
「これほど冷え込むと、魚も深みに潜り込んで釣りにくくなるなあ」というのがすぐに脳裏に浮かんだ。このところ気象条件といえばいつも釣りに直結している(笑)。
そのための対策として、次の二つの方法を考えてみた。
一つはマキエに麦を混ぜること。麦は比重が大きく海面近くにいる魚に食べる“いとま”を与えずに海中の奥深くに沈み込むので自然と海底近くに魚が集まってくる。つまり、これまでの浮かせて釣る「面的な釣り」から、「立体的な釣り」へと変化させる。
もう一つは、海水温が下がって魚の食欲がどうしても落ちてくるので、日頃使っている練り餌と併用して生のオキアミを準備して食い気を誘う。
実際に釣りをする時間はたかだか4~5時間程度だが、そのための準備段階となると仕掛けの工夫から魚の気持ち(?)を読んでのエサ対策までゆうに何倍以上もかかる。
釣果は準備次第で決まるといっても過言ではないが、この準備時間というのが実に楽しい。竿、釣り針の大きさ、糸の太さ、ウキの選択、錘の大きさと打ち方など限りない選択肢が広がる。
そして実際にフィールドに出て、はたして自分の工夫した方法が正しかったのかどうか、すぐに結果が出るところがとても面白い。もちろん当日の天候や潮の具合などの自然条件によっても左右されるので一筋縄ではいかない。
学問とは「仮説と検証」だとよく言われるが、仮説を準備だと言い換えれば釣りだって学問である。ちょっと大げさかな~(笑)。
さて、こうして牙を研ぎ研ぎしながら迎えた12月1日(火)は絶好の釣り日和だった。早朝のまだ肌寒いなか、自宅を出たのが6時40分。いつもの釣り座を確実にゲットするためには仕方がない。潮の具合も中潮の満ち込みとグッドタイミングだった。
現場に着くと予想どおり、人っ子一人いなかった。釣り座を構えるなりまず撒き餌を海面にばらまく。戦闘開始の合図である。その沈み具合で潮の動きの方向、速さなどを観察しながら7時ごろに竿だし。
「上げ三分」のセオリーからいけば絶好のタイミングなのだが、やはり海水温が冷えているせいか魚が偏向グラスでちらほら見えるものの動きがとても緩慢で、食い気もあまりなさそうである。
クロ(メジナ)はマキエで興奮させて乱舞させないと釣りにならない。当初の1時間ほどは散発気味でやっぱり今日はダメカモと悲観的になりつつあったところ、太陽が昇って海面をキラキラと照らしだすとようやく魚の動きが早くなってきてマキエを勢いよく追いかけ出した。
こうなるとしめたものだが、それでも前回よりは確実に食い気が落ちているのが実感できた。ウキが沈み込んで、竿を立て魚をかける割合いがこれまで100発中80発ぐらいだったが、今回は50発そこそこで空振りが増えた。
そこで前もって準備しておいた「生オキアミ」の出番。このエサに付け替えた途端に針がかりが一変した。80発ぐらいにはなったかな~。それにマキエに麦を混ぜた効果も確認できた。ウキ下を2mぐらいとって深場を狙ったところ、この日一番の大物がかかったので、見事に狙いが的中と言ったところだが、その時点であいにくマキエが切れたので残念ながらお終い。
12時頃に納竿。結局5時間に及ぶ釣り三昧だった。
自宅に戻って例によって御開帳。
足の裏サイズが10匹前後、手の平サイズは数え切れず、全部並べるのが面倒くさかったので省略したがおそらく60匹前後はいったはず。
「向こう三軒両隣」は言うに及ばず、家内の朝のウォーキング仲間にも配って大いに喜ばれ、このところオイラの株は急上昇中(笑)。
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