「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

JBL「075」ツィーターの追加

2012年09月15日 | オーディオ談義

丁度1週間前の7日(金)に「音とものづくりの歴史資料館」で聴かせてもらったタンノイ・オートグラフだが、その時に一緒に聴かせてもらったのがグッドマン「AXIOM301」のシステム。

                

中央にペアで置かれたやや小ぶりのスピーカーシステムがそうである。これでSPレコード(78回転)を聴かせてもらったわけだが、まったく過不足のない音で華やかさの中に1本シンが通った音に聴こえた。

オーディオ仲間のAさんが、いち早く「これはグッドマンのAXIOM301ですね。」

「エッ、そうですか?現在自宅でAXIOM301を使ってますが、こんなにヴィヴィッドな音が出ないんですけど不思議ですねえ。」

「このシステムには301に加えて”トレバックス”というツィーターがついているからでしょう。よろしかったら、自宅にトレバックスがありますから差し上げてもいいですよ。」と、相変わらずご親切なAさん。

たしかによく見てみると、ボックスの前面の下側に小さな横幅の長方形の影が見える。ここがトレバックスの音の出口なのだろう。

「是非一度お借りして試してみたいですね」と、喉まで出かかったが、ふとJBLの「075」ツィーターを予備として持っていることを思い出したので「そうですねえ~。そのうちお願いします。」と、とりあえず生返事をしておいた。

正直言ってシステムにツィーター(高域用ユニット)を追加するかどうか、これはなかなか慎重を要する判断である。

これは自分ばかりではなく、広く迷っておられる方が多いのではあるまいか。それもいったん購入してはみたものの、付けたり、外したり・・・・。「チョッと聴き」はいいものの、長時間聴いていると耳(脳)が疲れてきたりといった具合。

あまり偉そうなことを言える身分ではないが、知人の意見と自分のこれまでの拙い経験とを重ね合わせると「ツィーターは中域から以上の音に透明感が不足しているときに欲しくなるケースが多い。むしろ問題は高域ではなくて中域あたりに潜んでいるのでは」という気がしている。

たとえば、上記の資料館でオートグラフを聴かせてもらったときに、いっさいツィーターの必要性を感じなかったが、これは中高域の透明感が際立っていたからである。つまり、部屋の状況や駆動するアンプの問題などが解決すればツィーターは要らなくなるというわけだが、もちろんケースバイケースで考えないと断言は出来ない。

資料館から戻った翌日にさっそく自宅で実験してみた。先ず現状のシステムは次のとおり。

        

右の画像でお分かりのように「AXIOM301」はメカニカル2ウェイなので、てっきり専用の高域ユニットが内蔵されていると思い込んでいたのだが、このユニットは中域寄りの、元々高域の伸びが足りないユニットだったとみえる。何せメーカーがオリジナルのツィーターをセットして販売するぐらいですからねえ。

日頃からテレビ視聴専用のシステムとして使っているので、これまで高域不足をそれほど感じなかったのが”うかつ”といえばうかつだった。

アンプにエース級を持って来れば違うのかもしれないが、我が家では第三システムの位置づけなので、やむなく控え的な存在の「2A3」真空管アンプの出番となっているのもツィーターをつけてみようかという要因のひとつ。

とにかく実験あるのみで、倉庫に奥深く仕舞い込んでいた「075」ツィーターを引っ張り出して接続してみた。もちろん、周波数を高い位置でカットするコンデンサーとSPコードが必要。その間の接続はもちろんハンダ付けである。

                               

左の画像はウェスタン社製のオイル・コンデンサーで1μF(マイクロ・ファラッド)のもの。理論上は周波数2万ヘルツ以下をカット(8Ωの場合)するようになっているが、実際にはアッテネーターとしての役割を果たしているに過ぎない。(「075」の)SPコードの行き先は前述した真空管「2A3」シングルアンプで、つまり一台のアンプで「メカニカル2ウェイ+ツィーター」としての使用ということになる。

ちなみに、この「075」ツィーターは不思議なことに、左右の位相が逆になっていて、赤端子が「ー(マイナス)」になっている。我が家では2ペアともそうなので接続するときは要注意である。もし「075」を使われている方があれば一度確認をされた方が無難で、もし中域と逆位相の接続になっていたら音楽鑑賞の大きな支障になるところ。

とにかく、この1μFで試聴してみたところまったく不自然な印象を受けなかったので一応合格の線が出たが、ここですんなり引き下がらないところがオーディオ・マニアのマニアたる所以(笑)。

次に、同じウェスタンでも、もっと評判がいいブラックのコンデンサーで試してみた。

        

肝心の値の方は2.16μFなので理論上では周波数を1万ヘルツ前後以下でカット(8Ωの場合)となる。砕いていえば、1μFのコンデンサーではおよそ2万ヘルツ以上の音しか聞こえないが、2μFだとおよそ1万ヘルツ以上の音が聞えてくるので高域がずっと賑やかになる。実際にこれで聴いてみると明らかに音が華やかで刺激的になった。

たとえばテレビ番組「お宝、何でも鑑定団」の中で品物鑑定中にチリ~ン、チリ~ンと左チャンネルからトライアングルのような高い音が出てくるが、以前よりも見事に鮮やかな音が出てきた。ちなみに、この左チャンネルのチリ~ンは左右ケーブルの差し替えミスのときにも威力を発揮してくれて、これまで何度助けられたことか分からない。

とにかく、テレビの音なので高域過剰の方が眠くならなくて”まあいいか”という感じ(笑)。もう一度、元に戻すのも手間だしねえ。

あまり細かいことを言わずに、しばらくこの状態で聴いてみようかな~。

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