家族連れも恐れをなす表情
2015年8月23日
ファスト・フードのチェーンの社長さんについて話します。なんどかメディアに登場した外国人女性の社長、カサノバさんの表情にわたしは、おじけづきます。違和感があります。そうした印象を持つのは、わたしだけではありますまい。特に消費者相手の企業にとっては、トップが持つ雰囲気はとても大切です。
日本マクドナルドの経営不振が長引いています。不祥事や決算説明の会見に現れる社長さんのきつい表情を拝見していますと、家族連れやこどもたちが相手の商売なのですから、もっとやさしい顔をしてくださいね、といいたくなります。そう申し上げると、「あの人のことか」と思い当たる人は多いでしょう。
カナダ出身で、マクド・カナダに入社し、これまでロシア、マレーシア、日本での経営経験があり、13年8月に日本法人の社長に就任しました。世界展開しているマクドのエリート役員なんでしょうね。
14年7月、中国食肉加工会社による保存期限れ鶏肉の使用が発覚して、にわかに経営に逆風が吹きつけました。さらに異物の混入事件が相次ぎ、客離れが加速しました。ことし上半期の最終損益は260億円で、01年の上場以来、最大の赤字となりました。
すべてが社長さんのせいではないしても、「わが社は被害者」と、言わんばかりの不遜な態度が評判になりました。異物混入は誰かのいやがらせでしょうね。そういう状況のときほど、社長は役員、社員を励まさなければならないのに、まるでかれらを叱りとばしているような印象も受けました。社内のまとまりが相当に悪いのではないかと、推測しました。
経営再建のために、「ママの目線、安心できるマクドナルドへ」というプロジェクトを始めました。キッチン、工場、農場などを、お母さんの目で直接、チェックしもらうそうです。そういう努力は必要ですね。マクドといえば、ハンバーガーの代名詞でありましたから、頑張ってほしい気持ちには変わりません。
そう思っていた矢先に、8月12日の決算発表の記事、写真を拝見しました。メディアがあえて選びだしたのではないかと想像するほど、きつい表情です。社内には「家族連れ、若い人たちが客層に多いのだから、柔和な表情を浮かべる練習をして、会見に臨んでください」という人いないのでしょうか。
決算説明、プレゼンテーションの事前練習には十分な時間をかけていることでしょう。女性ですから、ヘアメイクも専門家がついているのでしょう。ですから、その気になれば、笑顔を浮かべる予行演習くらい、なんでもないことです。それが何よりも先に必要ですね。
トップが漂わす雰囲気、印象が本当に大切な時代になりました。辣腕の経営履歴があると思われるだけに、惜しいことです。マクドナルドの場合、経営再建の第一歩はここにあるに違いありません。
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