2人はさながら研究対象の化身
2015年10月6日
今年も2人の日本人が、ノーベル賞の医学・生理学賞と物理学賞を受賞しました。お2人の記者会見、映像、写真を拝見していますと、印象が好対照であることもあり、何度も何度も写真を見直しました。2人とも何かに似ているのです。
医学・生理学賞の大村智さん(80)のまん丸のお顔は、まるで感染症の菌を一撃で殺す「大きな丸い錠剤」のようです。この人に狙われたら、河川盲目症でもリンパ系フィラリア症でも退散ですね。
物理学賞の梶田隆章さん(56)は、さわやかで、すっくらした姿勢が印象的です。素粒子ニュートリノが人間に変わると、恐らくこんな人になるだろうと思われてくるのです。研究に打ち込んでいると、研究対象に似てくるのですね。
出色の組み合わせ
お2人の学歴をみますと、大村さんは山梨大卒、梶田さんは埼玉大卒です。ノーベル賞受賞者といえば、難関でトップクラスの国立大卒というイメージがあったように思います。昨年の物理学賞の3人のうち、1人は徳島大卒でした。若いころ、秀才でなくても、その後の努力次第では、ノーベル賞への道が開かれてくるというのは、多くの学生、研究者の励みになることでしょう。今年の受賞者は出色の組み合わせで、考えさせられるものがあったように思います。
かりに大学入試を18歳の時として、この時に知能程度がピークを迎えている人、つまり横ばいに向かう人、次は18歳以降に知能程度のピークがくる人、つまりその時、大したことはなくても、その後に伸びる人など、さまざまです。自分の身長のことを考えてみると、分るでしょう。今回は、後者の典型でした。
「人のため」が人生の規準
「人のためになることを考えなさい」。大村さんは祖母にいわれたこの一言をいつも忘れず、研究に励み、選択肢を考える際の尺度にしたといいます。「自分のため」や「会社のため」が、ほとんどの人の規準になっている時代です。深く考えさせられる言葉です。ノーベル賞の受賞者の言葉には毎年、含蓄を感じさせます。
ニュートリノの研究が進むと、将来、「地球の断層撮影ができるかもしれないと分ってきたと、宇宙飛行士だった毛利さんが座談会で語っています。思わず「えっ、本当?」と、声を上げます。受賞発表が続くこの季節は、「うーん」と唸り、想像力を働かすことがい多いですね。
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