今日は8月15日、『戦没者を追悼し平和を祈念する日』です。ということで、今年も靖国神社に参拝に来ました。
台風7号の影響が懸念されていましたが、当初の予想より大幅に西寄りに進路をとったことで、関東地方の天候が荒れることはありませんでした。なので、今年も無事に来ることができたのです。
九段下の駅を出て神社へ向かうと

大鳥居が見えてきたのですが、例年と比べてかなり人が少ないように見受けました。やはり、昨日までの台風情報を考慮して出控えた人が多かったようです。
参道を進んでも

二之鳥居や神門あたりまで進んでも、やはり例年と比べると人がいません。手水を遣って神門をくぐると

三之鳥居の前もこの人の少なさ、いつもならギッチギチに人が並んでいるのですが、今日は前後左右にかなりゆとりがありました。
拝殿前に進んで拝礼してから参集殿に向かい、昇殿参拝の手続きを済ませました。そして、正午の昇殿参拝に合わせて拝殿に案内されました。

拝殿内に進むと、仄かな檜の香りが漂ってきます。その拝殿内いっぱいに参拝者が居並び、昇殿参拝が始まりました。
神職の祓詞と修祓を受けてからしばらくすると、日本武道館で挙行されている全国戦没者追悼式のラジオ中継が拝殿内に流されます。天皇皇后両陛下が御臨席になり、岸田総理の開式の辞が終わると

両陛下が標柱の前に進まれ、やがて正午の時報とともに一分間の黙祷が捧げられます。
拝殿内でも黙祷が捧げられましたが、その瞬間、それまで参拝者の声やお賽銭の音でガヤガヤしていた境内が一瞬にして静まり返り、蝉時雨と吹き渡る風の音以外は一切聞こえなくなります。そして、拝殿内に一陣の爽やかな風が吹き、ひと時暑さが和らぎます。
毎回正午の昇殿参拝をする度にこの体験をするのですが、いつも不思議な感覚になるとともに身の引き締まる思いがします。まるで祀られている240万余柱の御英霊が、酷暑の中で祈りを捧げる参拝者を労ってくれているかのようです。
続いて

天皇陛下のお言葉が流され、参拝者一同でそれを拝聴します。その後、神職の先導で本殿に移動します。

本殿の中央には、巨大な鏡が据えられていますが、これは合祀の時に使う鏡です。 靖国神社では、合祀する人物名を闇夜に霊璽簿に筆で書き写し、それを鏡に映した時点で合祀がなされ、例えば『靖国太郎命(やすくにたろうのみこと)』というように名前の次に『命』が付けられ、御祭神の一柱として祀られるという事になっています。
昇殿参拝者はそれぞれに鏡に向かって礼拝し、戦没者の鎮魂と日本国の安寧を祈りました。本殿を出て回廊に進むと、コロナ禍でしばらく途絶えていた御神酒が献ぜられ、参拝者は本殿に向けて献杯して参集殿に戻りました。
今でも靖国神社を『戦争を賛美する巨悪宗教施設』のように揶揄する輩が一定数いますが、そういう戯言はさておき、先ずは一度参拝してみたらいいと思います。そして、実際に神域に身を置いたり遊就館の展示を観たりして、靖国神社が何であるかを身を以て知ってから発言した方がいいと思います。
今年も靖国神社に参拝できたことに、心から感謝の意を表します。まだまだ世界情勢が予断を許さない中ですが、一日も早い世界の安寧を祈ります。
合掌。