今日で、早くも2023年になって4日目を迎えました。ただ、久しぶりに正月らしい正月を謳歌している私としては、特に何の感慨も焦りもありません(オイ…)。
ところで、今日1月4日はヨゼフ・スークの誕生日です。
ヨゼフ・スーク(1874〜1935) は、チェコの作曲家・ヴァイオリニストです。
ちょっとクラシック音楽をご存知の方は、上の写真を御覧になって
『…ん?』
と思われているかも知れませんが、そういう方が連想されたのは
20世紀を代表するヴァイオリニストのひとりであるヨゼフ・スーク(1929〜2011)のことだと思います。しかし、今日とりあげるヨゼフ・スークは彼の祖父にあたる作曲家で、日本では同姓同名のややこしさを解消するために祖父の方をチェコ語の発音に近いヨセフ・スクと表記されることもあります(拙ブログでも、以降はヨセフ・スクと表記することにします)。
ヨセフ・スクは、プラハの南30kmほどのクレチョヴィーチェ村に生まれました。1885年にプラハ音楽院に入学し、1892年まで
交響曲第9番《新世界より》などで有名なアントニン・ドヴォルザーク(1841〜1904)の下で学びました。
因みに、スクは1898年にドヴォルザークの娘オティーリエと結婚しています。つまり、ヴァイオリニストのヨゼフ・スークはドヴォルザークの曾孫にあたる人物でもあるわけです。
スクは音楽院の同級生と共にボヘミア四重奏団(後にチェコ四重奏団に改名)を結成し、第2ヴァイオリン奏者を勤めました。また、 1922年からは母校プラハ音楽院で教鞭を執り、後にチェコを代表する近代音楽作曲家のボフスラフ・マルティヌーらを指導しました。
さて、スクの代表作といえば何をおいても《弦楽セレナーデ》が挙げられます。しかし、今回とりあげるのは管絃楽曲《祖国新生に向けて》です。
この曲は
①コラール《「聖ヴァーツラフ」の主題による瞑想曲》op.35a (1914年)
②《大管弦楽のための伝説曲》op.35b (1919-20年)
③《祖国新生に向けて(ソコル祭典行進曲)》op.35c (1919-20年)
という『愛国的三部作 作品35』のひとつとして作曲されました。これらは、第一次世界大戦後に成立したチェコスロバキア共和国の建国と関連した作品ですが、実は近代オリンピックとも関係のある作品でもあります。
今では想像もつきませんが、かつては近代オリンピック競技の中に「芸術競技」というものがありました。そして、1932年に開催されたロサンゼルスオリンピックの芸術競技にスクもこの《祖国新生に向けて》を出品し、「音楽全般」部門の銀メダルを獲得しました。
そんなわけで、ヨセフ・スクの誕生日である今日は《祖国再生に向けて》をお聴きいただきたいと思います。チェコフィルハーモニー管絃楽団の演奏で、近代オリンピックに出品された華やかなファンファーレが特徴的なマーチをお楽しみください。