今日はいいお天気の三連休初日となりましたが、私は昨日の宣言通り自宅でデスクワークに勤しんでおりました。そこでいろいろと音楽をかけながら作業していたのですが、一昨日観賞した
モネの『睡蓮』の印象が強かったことから、今日はドビュッシーを中心としたラインナップを聴いていました。
いろいろと聴いていたのですが、今日はその中からピアノのための《映像》の中の第1曲《水の反映》をご紹介しようと思います。《映像》(Images)は、
クロード・ドビュッシー(1862〜1918)が作曲したピアノ曲および管弦楽曲で、全部で4集あります。
第1集と第2集はピアノ曲、第3集は管弦楽曲ですが、第3集は単に「管弦楽のための映像」と呼ばれることが多い。この他に生前には出版されなかったピアノのための1集があり、《忘れられた映像》(Images oubliées)と呼ばれています。
《水の反映》は《映像》第1集の冒頭を飾る一曲で、水面の煌めきや流れ、水底の淀みのような印象的な光景を音楽的に表現した傑作です。
『睡蓮』の連作を手掛けていた頃のモネは
「水の反映に取り憑かれてしまいました。」
と知人に述べていますが、この曲はまさにドビュッシーが自身の感覚で『水の反映』を表現した音楽です。
そんなわけで、今回はドビュッシーの『水の反映』をお聴きいただきたいと思います。辻井伸行による2009年のライブ映像で、キラキラと煌めく水の反映をお楽しみください。
さて、水を表現した印象派の作品でもう一つ忘れてはならないのがラヴェルの《水の戯れ》です。《水の戯れ》(Jeux d'eau)は、
モーリス・ラヴェルがパリ音楽院在学中の1901年に作曲したピアノ曲です。
《水の戯れ》でラヴェルは
「テンポ、リズムも一定なのが望ましい」
と述べています。また、楽譜の冒頭には『水にくすぐられて笑う河神』というアンリ・ド・レニエの詩の一節を題辞として掲げています。
聴いてみると分かりますが、ドビュッシーが水の流れや煌めきの美しさを感覚的に表現したのに対して、ラヴェルは水という物質そのものを理知的に表現しています。『印象派の作曲家』として括られがちなドビュッシーとラヴェルですが、それぞれの水というものの捉え方の違いを聴き比べてみるのも面白いものです。
そんなわけで、今回はラヴェルの《水の戯れ》も載せてみました。辻井伸行の師でもある横山幸雄の演奏で、若きラヴェルの意欲作をお楽しみください。