共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日は今上陛下とヘンデルの誕生日〜華やかに祝う《王宮の花火の音楽》

2025年02月23日 17時20分17秒 | スピリチュアル
今日は



第126代今上陛下の65回目のお誕生日です。先ずは日本人として、僭越ながら拙ブログでも祝意を奉じたいと思います。

そして、今日はヘンデルの誕生日でもあります。



ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)は、ドイツ出身の作曲家、オルガニストです。

ヘンデルはイタリアで成功した後にイギリスで長年活躍し、イギリスに帰化した後期バロック音楽の著名な作曲家の一人で、特にイタリア語のオペラ・セリアや英語のオラトリオの作曲で知られています。中でもオラトリオ《メサイア》は現在でも特に人気が高い作品となっています。

ヘンデルの略歴等はここでは割愛させていただきますが、今回はヘンデルの作品の中から《王宮の花火の音楽》をご紹介しようと思います。

《王宮の花火の音楽》は、1748年にオーストリア継承戦争終結のために開かれた『アーヘンの和議』を祝う祝典のための花火大会の音楽として作曲されました。1749年4月21日にロンドンのヴォクソール・ガーデンズで公開リハーサルが行われたのですが、未曾有の1万2000人の観客を集め、ロンドン橋で交通渋滞を引き起こしたと伝わります。

初演では、当時のイギリス国王ジョージ2世の意向により勇壮な響きを出すため管楽器と打楽器のみが使われました。この時は軍楽隊の編成で、

オーボエ 24本
ファゴット 12本
コントラファゴット 1本
ホルン 9本
トランペット 9本
ティンパニ 3対

という、とてつもない大編成でした。

現在発売されている1962年発行のベーレンライター社のスコアでは、

第1オーボエ 12本 (※第1ヴァイオリン)
第2オーボエ 8本 (※第2ヴァイオリン)
第3オーボエ 4本 (※ヴィオラ)
第1ホルン 3本
第2ホルン 3本
第3ホルン 3本
第1トランペット 3本
第2トランペット 3本
第3トランペット 3本
ティンパニ 3セット
第1ファゴット 8本 (※チェロとコントラバスのトゥッティ)
第2ファゴット 4本 (※追加でコントラファゴット1本)

という楽器群が指定されていて、任意でスネアドラムが加わることもあります。ただ、ヘンデル自身は弦楽器を使うことを強く主張していたので、現在では※のついた弦楽器を含む管弦楽版も広く演奏されています。

《王宮の花火の音楽》は

序曲(Ouverture, ニ長調)
ブーレ(Bourée, ニ短調)
平和(La paix, ニ長調)
歓喜(La réjouissance, ニ長調)
メヌエットI(Minuet, ニ短調) 〜 メヌエットII(ニ長調)

の5つの楽曲からなっています。序曲は祝典曲に相応しい華麗な音楽で、その後には軽快な「ブーレ」や、ゆったりした「メヌエット I&II」といった舞曲が配置されていて、変化が楽しめるものとなっています。

因みに序曲の旋律は、1737年に初演されたヘンデル自身のオペラ《ベレニーチェ》の第3幕の前奏曲(シンフォニア)を再利用しています。こうした自作の再使用は当時普通に行われていたことなので、別にこの曲に限ったことではありません。

そんなわけで、今上陛下のお誕生日でもありヘンデルの誕生日でもある今日は、ヘンデルの《王宮の花火の音楽》をお聴きいただきたいと思います。エルヴェ・ニケ率いるル・コンセール・スピリチュエルの2012年のプロムスでの演奏で、指定数の管楽器群がズラリと居並ぶ壮観なアンサンブルをお楽しみください。



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